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最も高いハードルを越えるのは想像力である

人は、目の前のハードルを越えるのに、あらゆる道具を使う。
知識、技術、理性、体力、そして時には感情さえも。
しかし最後の、そして最も高いハードルを越えるのは想像力である。

人は、想像力を、目の前の現実から何かを連想したり、イメージしたりする能力だと思い込んでいる。そう思い込んでいるうちは、想像力はいかなるハードルも超えられない。

「いまでも人々は想像力とはイメージを形成する能力だとしている。ところが想像力とはむしろ知覚によって提供されたイメージを歪形する能力であり、それはわけても基本的イメージからわれられを解放し、イメージを変える能力なのだ」(ガストン・バシュラール)

五感で感じ取れる現実を自由自在に歪めることで、刷り込まれたありきたりなイメージから自己解放せよ。
そのためには、刷り込まれたありきたりなイメージを片っ端からリストアップしてみるとよい。
あなたが、ある問題を解決できそうなアイデアを思いつくまま片っ端からリストアップしたとする。するとあなたは、平凡でありきたりなアイデアしか出てこないことに、まずがっかりするかもしれない。そこに見出されるのは、うんざりするほどステレオタイプな自分の思考パターンかもしれない。そのリストからは、うるさくがなり立てる他人の声が聴こえてくるかもしれない。
そこで諦めてはいけない。
アイデアの最後のひとしずくまで絞り尽くすのだ。
やがて他人の声は収まるだろう。その後に登場したアイデアこそが、あなた独自の想像力の産物である。
そのアイデアは、およそ実現不可能に思える、突拍子もない、荒唐無稽な、現実離れした、夢みたいな、絵空事のようなものかもしれない。しかし、これらはどれも、真の想像力につけられた形容詞である。
あなたがもしそのアイデアに拒否反応を示すなら、その反応こそがあなたの超えるべきハードルである。


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