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夢と魂とマインドコントロール(夢の学び12)

前回、『夢にとって魂とは、「夢・製造工場」の工場長のようなものである』というお話をしました。この工場の所在地は、もちろん私たちの無意識の中です。ということは、私たちの魂は、無意識の中に住んでいることになります。意識の成長(進化)とは、まさに無意識を意識化していくプロセスです。したがって、それは同時に自分の魂を見出していくプロセスだと言い換えてもいいでしょう。
「魂を見出していくプロセスだって? 私は自分の魂について、すでによく知っているよ」とあなたは言うかもしれません。ならばあなたは人にコントロールされることがいっさいないはずです。
意識的であれ、無意識的であれ、他人をコントロールする意図のある人間は、他人の無意識に働きかけます。宗教の教義を利用してコントロールしようとする集団で言うと、かつてはオウム真理教といった危険な団体がありましたし、今は旧統一教会がらみの問題が話題になっています。こうした宗教的マインドコントロールなら、あなたは引っ掛からない自身があるかもしれません。
ならば、あなたがまだ批判精神や判断能力が充分ではなかった時期に、親や教師から受けた(マインドコントロールとまでは言わないにしろ)「刷り込み」はどうでしょう。たとえば、「男は男らしく、女は女らしく」という価値観の親や教師に育てられれば、あなたのものの考え方はそうした「刷り込み」の影響を受けているでしょう。そういうあなたがLGBTの人たちを見たら、「彼らは生物学的に言って非生産的である」といった偏見を抱いたとしても不思議ではありません。あなたがもしいかなる「刷り込み」からも自由であるなら、こうした偏見は抱かないはずです。あなたがもし自分の魂に目覚めているなら、LGBTの人たちの魂についても理解できるはずなのです。そうでないなら、あなたの魂は、相変わらず無意識の中で眠りこけていることになります。
自分の魂と(つまり自分の無意識と)向き合うもっとも効果的で安全な方法は、自分のみる夢に注目することです。実は、夢以外の方法で無意識に向き合うことには、危険も伴うのです。もし、ある重大な理由があって、自分の無意識と向き合うことがブロックされているなら、ある種のセラピーやカウンセリングによって、いきなり自分の無意識の深層を見せられることは、かえって症状を悪化させたり、その後の取り組みを困難にしてしまう場合もあります。こうした点を考慮しないセラピーやカウンセリングの手法もあるので、注意が必要です。
その点、夢は、その人に必要な課題や取り組みを、無理のない順番で、きちんと優先順位をつけて提示してくれるのです。なぜなら、そもそも人間の無意識の構造上、無意識の意識化プロセスは、より初歩的なものから、より高度なものへと、順番にしか起こらないからです。当然夢もそのプロセスにリンクしているため、夢の発生プロセスに任せておけば、無理なく無意識の意識化ができるわけです。
このあたりのメカニズムについてもっと詳しく知りたい方は、私の「インテグラル夢学」をぜひお読みください。


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