ニオイ
匂いには人一倍敏感な気がする。
食べ物以上に好き嫌いが激しい、というとちょっと語弊があるか。好きな匂いはいっぱいに吸いたいし、嫌な臭いの立ち込める空間には一秒たりとも居たくない。要はニオイの好き・嫌いに関する感度が人よりありすぎる気がしている。
・・・と自分では思っているだけでみんな意外とそんなもんじゃないかとそんな気もする。実際どうなのだろう。ニオイに関して不感症という人間はいるのだろうか。鼻が詰まっていない限りそんなことありえないのではないか。でも世の中は広い。そんな人もいるかもしれない。
好きな匂いは何かと人に問われればそれはまさに女性の香水の匂いである。女性の通った後にかすかに漂う甘い匂いがたまらなく好きだ、という変態発言をここでカミングアウトしてみるわけである。
一方で仮にその匂いが男性からしてきた場合には非常に微妙な気分になるから不思議だ。異性にはフェロモン的な、何か意識することのできない見えない匂いがあるということなのか。そして男性っぽい香水というのがやっぱりあって、やっぱりこれは男性物だと認識できるから世の中良く出来てる(ユニセックスという男女共用のもあるがそこまで違いはわからない)。
いくらいい匂いでもそれが過剰に香ってくると結構キツイ気持ちになるから不思議なものだ。僕の職場にも、そんなにさせなくてもというくらいに香水の匂いをさせている人がいるが、香害なんていう言葉があるのが少しわかるような気がしてしまうくらいにわりときつい気分になったりもする。匂い自体はいい匂いなのだが。やはり『かすかに』漂うというところに奥ゆかしい何かを感じるのである。変態ですみません。
人によっては体臭というものがある。公共の場では決して言えないが、かなり堪えるニオイを発している人がいる。あれはいったい何なんだろうね。別に嫌な臭いを発しているからキライな人、というわけでもないんだよなぁ。いっそそんな仕組みでできたら好き嫌いの割り切りができていいのに、という生物学的にいちゃもんをつけてみたりして。
香水の匂いの話に戻るが、妻は化学的なニオイが苦手なのだという。アロマとかそういう自然由来のものの方がよいのだそう。確かにその方が自然の理にはかなっている気がする。かというとあれなのか。僕はカップラーメンとかそういう人工的なものが好きなジャンキーということなのか。いやそんなことはない!香水とは歴代の調香師がその英知を結集させて作った芸術なのである!だからいい匂いをこよなく愛するのはアーティスティックなことなのであり、誇っていいことなのである!(どんっ!)
というわけですれ違いざまに嗅いだ女性の香りをいい匂いだと余韻に浸っていても、決して怒らずに寛容な心を持ってお許しいただきたいと思う今日この頃なのである。スンスンっ。