人の心を浄化するもの

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの映画を観てから一夜明けました。

直後は、抱いた感情が大きすぎて言語化できなかったのですが少しずつ感想を文字で表す過程を通じて、何を考えていたのか自分でも客観視できるようになってきました。

作品の感想は色々あって、
・幾重にも重なり合った対象関係の絡み合いが美しすぎる
・テーマは手紙じゃなくて、人の想いを届けることの尊さにある
・ヒトになる物語

とかいくつもわいてくるのですが、それらを総括したこととして
「人の心は浄化を求めている」というのが現段階における一番抽象度の高い感想になるかと思います。

まだ21歳の僕が言うのもおこがましいですが、
人生には色々な事が起こりうるし、それが元々は透明だった心のガラスを濁らせてしまうのです。そうした状態でいると本来なら見えたことが見えなくなったり、曲解した状態でしか受け取れなくなってしまいます。

こうした心の状態は往々にして不幸なことを呼び寄せます。
・相手の言動から意図していない物を読み取って喧嘩になったり、
・必要以上に現在の自分が置かれた現状に絶望したり。

そうして濁ってしまった心を研磨し、透明にし、新しい形にしてくれるのは感情を大きく動かすものだと思うのです。

今の自分が抱ける以上の強い感情が今の自分の心の輪郭を浮かび上がらせてくれて、それまで気がつけなかった事にまで気がつき(もしくは、変形し)、きれいになった自分になることができる。

そうした強い感情を想起させてくれるのが自分にとってはアニメや小説などの創作物であることも自覚しました。

そうすると、これまで意味が分からず(正直不愉快であるとすら感じていた)
何か悪いことが起きた後にスポーツ選手が発する「スポーツで元気を届けたい」という言葉の意味が分かるようになりました。

それは、僕がアニメで心を沸き立たせるのと同じように、スポーツで心を沸き立たせる人に向けての言葉で、彼らの心をきれいにしたいという思いから発されたことだと思うのです。

だから、少なくとも今は対象に入っていない自分には不可解なものにしか映らない。

人によって強く感情を動かすモノ・コトは色々あると思います。
きっと音楽を頼る人も居るだろうし、絵画かもしれない。

この気づきを通じて、自分がわからないからと言って、それ自体に価値がないと断じてしまう事の烏滸がましさを知りました。

色々な人がいて、色々な文化がある。
そんな多様な今の世界が残り、これからもより豊かに育ってくれたらいいな。

強くそう願います。

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