神は細部に宿る—TYPE-MOON作品から見るものづくり―

こんばんは、祝日は基本的にお休みのホワイト研究室所属のライアンです。
大学入学以降、祝日は通常授業の日になっていたので、まさか研究室が始まってから祝日を休めるようになるとは・・・嬉しい誤算です。
(もっとも、用事のある、一人で実験できる人は研究室に行っているそうですが)

そんなわけで、連休を通じて「やりたいなー」って思っていたTYPE-MOON(以下、愛称の「型月」)さんのゲームfate extra ccc(2週目)、魔法使いの夜(2週目)に取り組みました 笑

普段だと、自分の中でゲームをがっつりやることを容認できないのでこういう時間が得られたのは単純に嬉しいです。

そして、土曜日の夜には絶賛放送中のFate Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニアを見て、型月三昧の連休でした。

型月作品はシナリオや魔術の設定がとにかく面白いです。
Fateシリーズは一番シリーズ展開されていますが、どれも万能の願望器「聖杯」をめぐって過去の英霊たちを使役して争う魔術師の物語というのは共通しています。それでも作品ごとに、「偽物と本物」や「正義とは」などを問いかける作品となっています。

登場人物が神話、史実をもとに脚色された英霊(サーヴァント)として登場するのも、歴史やオカルトが好きな僕としては大変美味しいところです。

アーサー王、エジソン、風魔小太郎、ラクシュミーなど時代も地域もバラバラな登場人物たちがどれも大変魅力的です。
中には、色々な伝承をつなぎ合わせて「そんなのありかー!?」という背景を持ってくるキャラクターもいますが、それもそれとしてうまくシナリオに生かしてくれるので素敵です。

型月について

最近はメディアミクス展開などに恵まれ、多くの人に知られることになった型月ですが、20年前のコミックマーケットに参加し同人ゲームとして「月姫」を世に送り出したところから歴史が始まります。

その月姫、後日出たファンディスク「花月十夜」についても当時の同人ゲームとしては規格外の文量、イラスト量、シナリオで大変話題になったそうです。

その始まりから、とにかく自分たちの作りたいものに忠実に活動されていることがわかります。

その後の作品についても同様、スタッフさんたちの圧倒的な情熱でどの作品も丁寧に紡がれ、世に出されています。代表的なものを3つ挙げます。

・アニメ Fate stay night&Fate Zero(ufotable制作)
近年のfate人気の火付け役ともいえる両作品。
シナリオ面では原作+さらに面白くするアニメオリジナル要素
そして、絵がとにかくキレイ。そして、ありえないほどよく動く。

・ゲーム 魔法使いの夜
型月が同人として活動する前、シナリオ担当の奈須きのこ先生が個人的に執筆された同名小説をノベルゲーム化。完成度を高めるために、何度も延期をすることになりました。でも、そのクオリティはノベルゲームの常識を破るほど、ヌルヌルと動き「アニメ化不要」とまで謳われたほどです。
エンディングをsupercellさんが手がけたことでも有名(ゲームが延期に延期を重ねた結果、エンディングだけが1年以上早く発売されることに・・・)
(公式動画が見つからなかったのです・・)

・Fate Grand Order(アプリ、アニメ)
最近一番ホットなところです。
ほんとに、シナリオがいいんです。それまで何か創作物を見て泣いたりすることはなかったのですが、FGOの一部が完結したときはつい泣いてしまいました。
また、ソシャゲの長所をフル活用し、1部最終章を全国のプレイヤーで協力(競争?)しながら攻略した2016年の年末はSNSが大盛り上がりでした。

随所のインタビューで触れられていますが、そういったことができたのも、シナリオを担当する型月とゲームを手掛けるDelight Worksの間で密な連携が取れ、双方から作品をよりよくするためにシナジーを発揮し続けているから。
特に、奈須先生をはじめとするシナリオ担当の無茶ぶりでゲームシステムが大きく変わったりすることもあるという、ソシャゲ界隈では珍しい協力関係も一役かっているとのこと。

そしてそのFGOの7章を映像化したのが今放送中の絶対魔獣戦線バビロニアです。

戦闘シーンなどアクションが非常に丁寧に作られていることもさることながら、一昨日放送された2話で描かれたウルクの街に生きる住人たちが、主人公たちの背景まで妥協なく丁寧に描かれていることが本当に好感が持てました。
その緻密さは、その声のない映像を見ているだけで彼らがどんな生活をしているのかイメージがつくほどです。

型月を見習って

と、型月作品群の好きなところを語ったわけですが 笑(本当はもっと語りたい)

そろそろ結論に。
生み出す人々の情熱って絶対に受け取る方に伝わるということ。
そのことを型月作品から教えてもらいました。

勿論、現実問題としてアウトップとには締め切りがつきものです。
そして自分の中に生まれる「ここ気になる」「ここをもっとこうしたらよくなるのに」という想い。
その均衡を目指して何事も取り組んでいきたいですね。

頂いたサポートは、南極の植物を研究するために進学する大学院の学費や生活費に使わせていただきます。