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ついつい先駆者がいないかを調べてしまうのは何故なのか

最近、D・カーネギーの「話し方入門」を読んでいます。
スピーチの独学法を教えてくれるだけでなく、成功者の考えなども紹介してくれるというほかのカーネギーの著書と同様の特徴があります。

よく「成功するには成功した後の自分の姿をイメージしろ」という話があります。イメージできればその姿に至るまでに必要な行動もわかるからと。話し方入門にもそういう話が載っていました。その一節を読んだ時に、いつも何かを始めるときに「自分と同じような状況で成功した前例があるか」を調べてしまう自分の癖の理由が分かった気がしました。

要するに、成功した自分の姿を外注していたわけです。
その前例の情報にうまくアクセスできれば、どういう道のりを経て、どういうことを達成したのかがある程度詳しく載っています。それを読むことで、自分が何かを達成した後の姿を想像したり、ゴールから必要な行動を逆算する手間を他者に委ねていたのです。確かに、手間が省けるため、そこまで情熱を傾けていないけどやりたいことの場合には便利です。

しかし、本当にやりたいと思っていたことに対してそういうリサーチをしてしまうと機会損失につながることにも思い至りました。仮に前例が見つからなかった場合、それをやろうとした人がいなかった、達成したけれどネットなどに載せていない、など不可能ではない場合でもリスクを過大に評価して怖気づき、行動を起こせなくなる可能性があるためです。また、前例を見つけた場合でも、そこで満足して情熱が小さくなり実行しなくなる可能性があります。やってみたら前例とは全然違うことになったり、別の機会にその経験が生きたりする可能性があるので、行動しないことは損失が大きいです。

そうは言っても、リサーチすることで避けられたはずの失敗を本当にやりたいことを達成する上でぶつかるのはもったいない。だからこそ、本当にやりたいことは、自分自身で成功した姿をイメージして、必要な行動を逆算して計画を立てたのちに、前例を調べて必要に応じて軌道修正するのがいいのではないかと思います。それに、先駆者の動画などを見ることでやる気がアップする場合もあるため。そういう場合には大いに活用するべきでしょう。

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