見出し画像

先輩パパ医師に聞く育児と仕事の話 パパ医師座談会(後編)

司会:パパ医師座談会の後編です。前編ではリアルな子育て事情や育児と仕事の両立、こどもを迎えるタイミング、キャリアについて伺いました。引き続き後編もよろしくお願いします。

育休って実際どうなの?

司会:育児休暇制度は2021年に法改正がおこなわれて取りやすくなったようですが、先生方は取得されましたか?

感染症医B(以下、感染症):育休の取得は検討しましたが、妻が育休をとってくれたことや職場で前例がなかったという理由で取りませんでした。

消化器外科医A(以下、外科):自分も育休を取れるという環境ではなかったので、取らなかったですね。

感染症:前例がないとイメージしづらいですよね。初めて職場で育休を取るパパ先生、とても尊敬します。

救急医C(以下、救急):新型コロナの流行があって里帰り出産ができず、遠方の両親を頼れないという状況でもあったため育休を取りました。自分と同じ科のパパ医師が先に育休を取っていたので、申請のハードルが低かったです。あとは診療科の特性ですけど、救急科は外来や手術といった予定の調整がいらないので、育休は取りやすいですね。

司会:育休はどれくらい取得されて、実際とってみてどうでしたか?

救急:出産予定の1週間ぐらい前から1ヶ月ちょっと休ませてもらいました。実際には育児休暇制度を利用したわけではなくて、溜まっていた有給休暇などを消化した形になります。おかげで出産にも立ち会うことができて、本当によかったです。出産直後は妻がほとんど動けなかったので、育児というよりも大半は家事をしていましたね。育児休暇という名前ですけど、妻を休ませるための休みと考えたほうがいいと実際取ってみて感じました。そういう意味合いで、男性が育休を取る意味はあると思います。

感染症:確かに、出産後1ヶ月ぐらいはまともに動けませんよね。うちはこども2人とも里帰り出産で、産後1ヶ月は妻の両親にお世話になっていました。毎週末会いに行って、里帰り後の生活をイメージするようにしましたよ。

外科:妻が「里帰りすると、戻ってきてから生活を整えるのが大変」と言っていたため、里帰り出産はせずに妻のお母さんが1ヶ月間うちへ来てくれていました。そのおかげで、毎日こどもと過ごせたことはとてもありがたかったですね。

司会:出産直後は奥様一人では大変ということなんですね。制度を使わずに休むという方法も短期なら可能だと。育休中は完全に仕事から離れていたんですか?

救急:仕事という程ではないんですが、休んでいる間もグループコミュニケーションツールを使って、救急科で管理している重症患者のディスカッションには参加していました。ずっと妻子につきっきりというわけでもないので、自己研鑽する時間もありましたよ。

司会:そうなんですね、なんとなく育休のイメージが掴めました。育休を取られなかった先生方は、もし次のお子さんが生まれるとなったら取ろうと思いますか?

ここから先は

1,430字

¥ 100