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「ジェネラリストをもっともっとも〜っと増やしたい!」連携医療・緩和ケア科 柏木秀行先生 飯塚病院

Antaa Channelでは診療に役立つ動画を配信中。飯塚病院×Antaaのコラボ配信も毎月行っています。
今回は飯塚病院連携医療・緩和ケア科の柏木秀行先生による「ジェネラリストをもっともっとも〜っと増やしたい!」の内容をご紹介いたします。

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■ジェネラリストとは?

飯塚病院でのジェネラリストのイメージは領域を限定せず横断的な診療を行う医師です。

飯塚病院のMISSION・理念は、「病気になっても過ごしたい過ごし方のできる地域づくりに貢献する」というもの。
このMISSIONを組織レベルで実現するために必要になってくるのがマネジメントであり、ジェネラリストという存在です。

■飯塚病院の採用プロセス

MISSION実現のために必要な戦略の一つが、人材の確保です。
人材を確保するための採用プロセスを可視化するために、柏木先生はフローを可視化しています。

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フローにして可視化することによって、採用に関する障害を客観的に把握することが出来ます。
一般的に難しいといわれているこうした可視化や言語化を、柏木先生はインプット量を増やすことで実現しているそうです。
人事系インプットのコツなどは、柏木先生のブログ内でも解説しています。

■医師のリクルートについて

一般企業には独立した採用部門がありますが、医師はそういった専門部門もなく、人事についてトレーニングを受けたことのない者が採用活動を行うことが多いのが現状です。
しかし、誰の仕事なのかが明文化されていないために医師のリクルートが業務として取り組めないこと、現状人数が確保できているために危機感が共有できていないことも問題になっています。

実際現場では、採用しても2,3年後に辞めていく医師も多いため、採用後も危機感を持ち続けることが重要です。
柏木先生はそういった現状をエクセルで可視化することで、健全な危機感を促しています。
また、退職時の問題点を精査するため、フィッシュボーンの図を活用した課題を構造化にも取り組んでいます。

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こうした危機感を共有し、問題点を組織が一丸となって考えることが重要なポイントだと言います。

■GRTプロジェクト

ジェネラリストはいわばまだ新興部門であるため、地域や部門を超えて後押しすることが必要です。
希望者が誰でもジェネラリストになれるという環境を作ることがまずは大事になってきます。
こうした環境作りや採用プロセスの充実、ジェネラリスト分野を支える人材の育成を目的として作られたのが柏木先生が進めるGRTプロジェクトです。

GRTプロジェクトでは、連携医療緩和ケア科と総合診療科が連動してリクルート強化に努め、
「地域住民にまごころ医療を提供する日本一のジェネラリスト集団を作る!」
という目標に向かって日々活動を行っています。

■ジェネラリストの未来

「医師採用は戦略実行の重要施策であるとし、業界全体で取り組まないとジェネラリストは増えない」と柏木先生は指摘しています。
危機感と課題の構造化を共有し、許容できるリスク内でどんどん行動する。そうして結果を出すことで周りに良い影響があることを示す事ができるといいます。

講義の終わりにはジェネラリスト活動のマインドとして柏木先生が意識している「やりたいことより、やるべきこと」「数字なき物語も、物語なき数字も意味はない」「NO ACTION,NO FUTURE」の3つの言葉を紹介していただきました。

■更に深く知りたい方は・・・

今回の講義で語りきれなかった個別ケースをどうするかなど、より深いリアルなところを知りたい方は、柏木先生へぜひコンタクトをとってみてください。
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■柏木先生にとってつながりとは

最後に、柏木先生にとっての「つながり」とは何かを伺いました。

「イノベーションの源泉」

自分一人で新しいことを生み出すのは難しい。
うまく行かなかった時は、その分野に詳しい人や同じ課題を持った人の文献を呼んだり、直接会って話を聞くことも必要。
こうしたつながりがイノベーション活動の源泉になっている。

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