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みんなで学び、医師としての資質を育む|永井 友基先生(長崎医療センター総合診療科)

こんにちは、Antaa運営です。いつも素敵なスライドを投稿くださり、ありがとうございます! Antaa Slideに投稿いただいている先生方に、投稿のきっかけや投稿後の変化、今後の展望をインタビューするこちらの企画。

今回は、「アナフィラキシーに対応しよう」「病棟での輸液の組み方!」など、役立つスライドを多数ご投稿してくださっている永井 友基先生(長崎医療センター 総合診療科)にお話を伺いました。

永井 友基先生
手稲渓仁会にて10年間にわたり総合内科、血液内科として初期・後期研修医の教育に従事。現在は、長崎医療センターで総合診療・総合内科医に勤務。 医師・医学生向けの勉強会『みんなで楽しくhospitalistになろう(略:みんほす)』を主催。勉強会のビジョンは、”当たり前のことを当たり前にできる医師を育てる”です。
Twitter: https://twitter.com/yukina_minhos
Instagram: https://www.instagram.com/y_nagai_minhos/

医療現場で役立つ知識を多くの人広めたい

ー永井先生がAntaa Slideを使い始めたきっかけを教えて下さい。

医療情報を検索した際に、Antaa Slideが表示され「こういうサイトがあるんだ」と知りました。なので私の場合、元々Antaa Slideを知っていたというよりも、気になるテーマをネットで見ていたらAntaa Slideが検索にヒットした形になります。

私は医師・医学生向けに『みんなで楽しくhospitalistになろう(略:みんほす)』という勉強会を主催しています。あくまでメンバー限定の勉強会ですが、そこで作成したスライドをAntaa Slideに投稿することで、より多くの方にも見てもらいたい!と思ったのが、投稿したきっかけになります。

デジタルを活用して全国の医師・医学生と繋がる

ー永井先生のサマリーの書き方が好評です。スライド作成について教えてもらえますか?

実は、私が単独で作ったスライドはそれほど多くありません。ほとんどは「みんほす」に参加してくれている内科系研修医を指導しながらスライドやレクチャーを作っています。勉強会のメンバーは、長崎医療センターや以前私が所属していた手稲渓仁会、東京医療センターなど全国各地にいます。

遠方で会うことが出来ないメンバーもいるため、普段はビジネスチャットツール「Slack」を使ってコミュニケーションをしています。勉強会自体もzoomですし、スライドを作る際もSlack上でコミュニケーションをしています。

ーそうした全国ネットワークがあるとは驚きです!

メンバーと一緒にスライドを作成する手順としては、まずSlack上でテーマ別にグループを作ります。それぞれファシリテーションする方を1名毎配置しており、その方がガイドラインを見ながら確認・修正等の指示出しを行います。主にスライドを作成するのは2~4年目の研修生、作成されたものを確認するのが3~5年目の研修生、更に各科の専門家が最終的なチェックを行い、やっと1つのスライドが完成します。

1人でも多くの良医を育て、日本の医療の底上げをしたい

ー単独でスライド作成される方も多いので、チーム単位のプロセスは参考になります。

メンバーは、自分が担当外のテーマも横断して閲覧ができます。それがチームでスライドを作ることの利点だと感じており、さまざまなテーマの知識を吸収することができます。ちなみに『みんほす』で扱うテーマは、救急外来からよく頻出するもの(抗菌薬、アナフィラキシー、脳卒中、不整脈、肺炎、アルコール関連、心不全など)を約20個ほど設けています。どのスライドも完成度が高く、参考になるものばかりになっています。

ーなぜこれをやろうと思ったのですか?

私は、現在在籍している長崎医療センターで総合診療・総合内科医をしつつ研修医教育を行っています。それ以前にも約10年ほど、初期・後期研修医の指導を行っていた経緯があります。

長年、研修医の指導に携わる立場として感じたことは、病院によっては教育体制が整っていないところもあり、実践的な学びが出来ていない研修医が存在するという事実です。教育体制に課題を感じ、こうした仕組みを自ら作りました。

実りある医師・研修生活にAntaa Slideの活用を

ー先生のスライドを見た医師・研修医らに何を吸収してもらいたいですか?

私がAntaa Slideに掲載しているスライドは、それを見たら具体的に患者さんを治療するイメージが沸くように作られています。”情報”として手に取ることはもちろん、実際の現場でも存分に活かしてもらえたら幸いです。基本的なことですが、重要な要素を集めてスライドを作成しています。何をするにしても必要な知識ばかりですので、ぜひAntaa Slideを医師・研修生活の礎の一つとして活用頂きたいですね。

ーありがとうございました!

【永井先生監修】研修医が知っておくべきスライド3選

ここでは、インタビューの最中で永井先生からお話頂いたおすすめスライドをテーマ別にご紹介します。まずは永井先生が監修する『研修医が特に知っておいて欲しいスライド3選』です。

■アナフィラキシーに対応しよう
新型コロナウイルスワクチン接種後のアナフィラキシーはいまとても注目されています。今後どの年次、どの診療科においても対応する必要があります。

■病棟での輸液の組み方!
輸液の成分の意味、投与量の決め方などを詳しくご紹介しています。

■研修医が知っておくべき抗菌薬
感染症の原則に触れながら耐性菌リスク、PK/PD、ペニシリン系・セフェム系等について説明しています。

【永井先生イチ押し】Antaa Slide3選

続いては、数あるAntaa Slideの中でも、特に永井先生イチ押しのスライドをご紹介します。

■COVID-19の治療update 2021年7月版
神戸市立医療センター中央市民病院 黒田 浩一先生

■【2022年改訂版】誤嚥性肺炎のABCDEアプローチ〜リスク、食事、薬剤、リハ〜
市立奈良病院森川 暢先生

■症例プレゼン作りがうまくなる小技7選
Mount Sinai Beth Israel 内科 原田 洸先生

永井先生、ためになるお話を沢山ありがとうございました!

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