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スライドから広がった活動の幅。SNSの効果的な活用とは|三谷 雄己先生(広島大学病院)

こんにちは、Antaa運営です。いつも素敵なスライドを投稿くださり、ありがとうございます! Antaa Slideに投稿いただいている先生方に、投稿のきっかけや投稿後の変化、今後の展望をインタビューするこちらの企画。

今回は、昨年のAntaa Slide Award 2020に選出された「最新の敗血症診療のまとめ」など、様々な役立つスライドを多数提供してくださる三谷 雄己先生(広島大学病院)にお話を伺いました。

「いかに皆さんの役に立ったか」を客観的指標で見ることがモチベーションアップにつながる

ー三谷先生がAntaa Slideを使い始めたきっかけを教えて下さい。
研修医やスタッフ向けの院内勉強会を月1回担当させていただいていたので、元々定期的にスライドを作成する機会はあったんです。勉強会で私のスライドを見て、友人が「Antaa Slideさんという、スライド共有サービスがあるよ!」と教えてくれたのがきっかけです。

ためしに勉強会で使ったスライドをAntaa Slideに投稿してみたら、あるドクターにFacebookで共有して頂き、私のスライドはすぐに全国へと拡散されていきました。結果として、沢山の人に見て頂くことができたんです。

こんな若手のスライドであっても、勉強になったというありがたいお言葉をたくさんいただきました。それに加えて、”いかに皆さんの役に立ったか”というか、頑張ったら客観的な指標である”数字”として成果を確認することができました。こういった様々な要因が、今も定期的にAntaa Slideに投稿をするモチベーションになっています。

「数字」はどれだけの方々の役に立てたかの参考になる

ー三谷先生にとってやはり数字は重要ですか?
そうですね、どれだけ皆さんの役に立ったか、客観的な指標として数字は重要だと考えています。個々で役に立ったという報告や感想をいただけるのは本当にうれしいのですが、それはなかなかない機会です。そのため、自分でも可視化しやすい数字を参考にして、どれだけ多くの方々に届けることができるかを考えながら他のSNS等も絡めて運用しています。

どれだけ多くの人に情報を届けられたのかという数字に着目しつつも、その方々がどう感じているか、どんな風に職場で共有してくださっているのかという皆さんの日常にも思いをはせています。一方的に見えるアウトプットという活動は、受け手の皆さんのことをしっかり考えることで、とても双方向性が高いものになるんです。初めてスライドを投稿した方や、よいスライドなのにあまり視聴数が伸びてない方は、受け手の気持ちを考えて投稿してみるといいかもしれませんね。

届けたい人の顔を思い浮かべてみる

ー三谷先生のように多くの人に自分のアイデアを届けるコツを教えてください。
まずは、投稿を見てくださる人に合わせて、投稿内容や表現方法を変えるといいと思います。例えば、SNSだとアナリティクスで”何歳代の女性が多い”などフォロワーの属性を確認することができますよね。私の発信を見てくださっているのはどんな方々なのか、どんなニーズがあるのかは定期的に確認するようにしています。

例えば私の場合、Twitterをフォローしてくださっているのは研修医や医学生の方々なんですが、Instagramのフォロワーは7割くらいが看護学生さんや看護師さんなんですよね。SNSではフォロワーの属性に合わせて投稿内容を使い分けたりしています。

Antaa Slideでも、自分のスライドは初期研修医向けなのか、若手専攻医向けなのかを常に意識しつつ作成しています。想定読者を強くイメージすれば、自然と必要とされているニーズがわかり、自ずとスライドのテーマも決まっていきます。

Antaa Slideをきっかけに広がった活動の幅

ーSNSを駆使した次世代ドクターですね。
そんな風に言っていただけるなんてうれしいです…!まずは目の前のコトに全力投球しつつ、そこからどうやって横展開をして活動の幅を広げられるかを考えながら活動しています。自分の学びや学習する中での感動を、どうやってより多くの人に最適化して届けることができるのか考えるのが楽しいんです。私の発信をきっかけに皆さんの日々の生活や業務が少しでも良いものになるのであれば、それは自分にとっても嬉しいことです。

私はAntaa Slideをきっかけに、色々な方面からチャンスを頂きました。活動の幅が広がったことは実感しており、本当に感謝しかありません。実は、2022年の5-6月あたりに書籍を出版させていただけることになりました。

初学者の痒い所に手が届く、執筆者が若手救急医ならではの一冊を目指しました。他の医学書では、あまりに基本的なことなので割愛されてしまうような事項でも、初学者にとっては疑問を持つことって実は結構あるんですよね。そこを徹底的に深堀りしつつ、楽しく読める書籍があればいいなと思っていたので、そんなニーズを埋めることができたらいいなと。きっと皆さまにとって役に立つ一冊になると思うので、お届けできる日が来るのを楽しみにしています。

Antaa Slideをアイデアの源泉として活用する

ーそれは楽しみにしています!ちなみに、利用者目線だとどのようなシーンでAntaaSlideを利用しますか?
何か調べたい事やキーワードがあって、それを検索欄に入力して最適なスライドを探すという機会が多いかもしれません。例えば、「低ナトリウム血症」の治療方針や鑑別について調べたい時に、Antaa Slideでキーワードを入力して探します。

検索でヒットしたスライドをざっと見ていって、気になったものに関しては目星をつけています。忙しくてその場で見れない事も多々ありますが、「あとで見よう」と思ってとりあえず保存するようにしています。とにかく”ひっかかり”を自分で作っておくようにしていますね。

あとは、研修医の先生方に日々の業務の中で、疾患や治療について簡単にレクチャーをするにあたり、投稿されているスライドを供覧する機会も多いです。短時間でわかりやすく学ぶべきエッセンスを視覚的に確認できるスライドは、今後の医学教育において欠かすことのできないコンテンツだなと常々感じています。

ーAntaa Slideにこんな機能があったらいいなと思うことはありますか?
細かな検索条件を絞れる機能があると、よりいいかなと思います。
たとえば「心筋梗塞」について調べるにしても、救急科などの非専門医視点のものなのか、循環器内科などの専門科視点なのかによって、必要となるスライドの情報も異なってくるように思えます。あとは、Youtubeだと「保存」機能のほかに「あとで見る」といったストック機能があると思いますが、そういったものがあると嬉しいです。

僕の場合、Antaa SlideをほかのSNSと同感覚で使っていたりもするので、そのような検索機能がより充実すると良いと思います。最近SNSをやり始める医師も増えていますが、そういった方達も医学についての疑問があれば、まずはAntaa Slideを使ってみるのはおすすめですよ。

ーありがとうございました!

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