見出し画像

3章・葬式での違和感他「1」

3-1 ドライアイス交換しますね

霊柩車取得までは葬式施行、遺体搬送、納棺師は専門業者依頼で家族により添うのがサポートの原点、人懐っこい性格と昔からお婆ちゃんに好かれるタイプのせいか、わずか数日間で昔からの知り合いのような感覚になってくれます。

葬式期間に家族と長時間話してれば様々な話題が出ますから、貯金通帳、葬祭費、不動産、自動車、携帯電話等々の手続きの疑問、質問を聞き続けた事で今の知識は得られた。

この点は本書後半でひとつ、ひとつ項目にして詳しく説明しますので人の死後は必ず必要な部分となるので参考にしてください。

家族と過ごす時間の最大メリットは『信頼感』、信頼に足る人物であると思えば何でも相談してくれますから、より強い信頼と安心に繋がり、葬式の施行作業が出来なかったから得られたメリットです。

知識や技術は無くても『家族に寄り添う』心があれば家族は受け入れますから、何もできないからと黙っておらず世間話しをするだけでも無駄になりません。

家族と盛り上がっていると依頼先の担当者が来て言います。

担当「ドライアイス交換しますね」

家族「はい、お願いします」

見てると昨日乗せて小さくなったドライアイスを外し、大きなドライアイスに乗せ替え、取り替えたドライアイスは持ち帰りました。担当者は勿論、家族も当然のような顔をしてますが違和感を感じます。

ドライアイスの目的は腐敗防止冷却、昨日当てた部位の周辺は凍結し目的は達成してますが小さくはなったドライアイスをなぜ引き上げたのでしょう。小さくなってもドライアイスに変化はありません。

今回はうちの支払いが増えるだけで葬家への負担はありませんが、普通は追加料金が発生するはず「足らないから追加しますね」は理解できますが「交換しますね」は理解も納得もできません。

上記の貯金通帳、葬祭費、不動産、葬具項目・語句などの由来や詳細説明は巻末に後述しますが『ドライアイス』についてのみ書いてみようと思います。

3-2 ドライアイス

ドライアイスとは、二酸化炭素を水を使わず圧力で-78.5℃に固体化した物で凍結させる事で腐敗を防ぐ代表的な物、2㎏~2.5㎏の塊を薄い紙、綿花等で包んで必要な部位に当て使用します。

専門業者が販売しており多くは店舗を構えておらず取り扱いは1市に1ケ所程度で販売店は知らない人が大半でしょう。

死体の冷却が必要な部位は腐敗進行の速い『腹部・下腹部』、また腐敗したら顔が黒ずみ悪臭の凄い『頭部』の二か所が最優先、壊死して紫色になったり、腐敗臭を発してる手足など無ければ他はさほど気にする必要はありません。

病院、施設等で合掌を組ませる事もありますが、合掌した下の腹部は完全に冷やせず手の下に置くと手指も凍結し支障も出ますので合掌は一旦解いて腕は身体の横に添わせた恰好でドライアイス処置すると良いでしょう。

「ドライアイスで凍らせないよう綿花で包んで当てます」といった内容の文字を時々見掛けますが綺麗事に過ぎません。

凍結した皮膚は薄茶色に変色しますが、解凍すれば元通りになり人目に触れる事はありませんので主目的の腐敗防止を最優先させましょう。

仏教儀式等で『合掌』が必要なら儀式前に組めますから問題ありません。

また火葬する時点での凍結は火葬時間が長くなりますから、ドライアイスは当てる部位と外す時間に神経を使い、火葬時間から逆算して外し解凍して腐敗してない状況での火葬が理想です。

季節と室温によりますが、春秋で身体の芯まで凍結すると完全解凍に24時間ほど、夏場で半日、冬場は1日半くらいが目安です。

夏場は特に頭部腐敗に注意、ドライアイスをV字型に置き後頭部を冷やす事で、口内冷却を避け且つ頭部冷却可能です。

ゆえに死体搬送シートは安定枕(頭部がスッポリ入る形状)を使用すべきです。

腐敗防止とはドライアイスを当て続ける事ではありません。必要な部位と時間に最適な量を当て無駄な追加はさせない担当者なら信頼に足る人物でしょう。

施行依頼してた当時、布団安置の遺体の顔から少し離した両側に綿花で包んだドライアイスを置く葬儀社もありましたが無駄(納棺状態なら棺内は冷やせる)

ドライアイスの横1cmの場所に指を置けば分ります。何分置いても冷たくはなりません。料金を釣り上げたいだけでしょう。

3-3 知識軽薄な葬式担当者

病院から搬送された故人の顎の下にはタオルを巻いて当ててありますが、半開きでしたから家族も「口は閉じないのかねぇ」と言ってました。

「口って閉じないの?」

担当「こうしておけばある程度は閉じてくれますよ」

俺「ある程度じゃなくてちゃんとは閉じられないの?」

担当「閉じるご遺体もありますけど、閉じない方もいらっしゃいますね」

俺「そうなんだぁ、確か死後硬直って下顎からですよね?」

担当「へぇーそうなんですか」

葬式の経験則から『故人は口を閉じれば穏やかな顔になる』と感じてたのと、かつて死後硬直は死亡から2時間ほどで下顎周辺から始まると学んだ記憶もあって確認してみましたが関心すらないようでした。

葬儀屋なら口を閉じた遺体は穏やかに見えるくらいの事は知ってるはず、なら口を閉じる方法を考えそうなものですが違います。

家族の目線で無く単純に作業として遺体管理をしてるに過ぎません。

看護師は病人に対するプロ、介護士は老人介護のプロ、葬儀屋は死体管理のプロだと思ってましたが違い自分で学んだほうが確実と教えられた瞬間でした。

しっかり口閉じして唇を合わせれば穏やかな顔になり、硬直してからほんの少し口角を上げれば微笑んでいるようで家族の心も穏やかになるものです。

顔のシワは引力の影響で薄く成ったり無くなりますから女性は安心してください。死体の顔が青白いのは血液が身体の下部に流れる為で身体の下部はうっ血します。

逝去後うつ伏せで置くと顔が赤紫色に変色するのはこの為です。警察が入る場合は死体に触れませんが、仰向けにしてあげればうっ血は避けられます。

病院等では顎の下に当てたエンゼルバンドを頭頂部で引っ張り固定してくれますが効果は低く弾力を失った顔にバンドの痕が残り勧めません。

出来れば口閉じ専用器具『チンカラー』がベスト、但し逝去前から長期間口を開け続けてた死体の口は閉じる事が出来ないケースもあります。

3-4 偉そうに上から目線の坊さん

個人商店を営む親が危ないと分り、安くて良いNPO葬儀支援センターがあると聞かされ相談にきた数日後、逝去の一報で病院から自宅に搬送してご安置、商売屋では良くある雑然とした部屋で片づけを始めると突然菩提寺住職がきました。

連絡もせず枕教を唱えにきたようで、我々は外に出て暫し待機してると突然大声で「供養しなくて良いのかッ!」に驚き、更に暫く待つと住職が帰ったので故人の娘である60代の奥さんに聞く。

俺「突然大声だったけどどうしたの?」

娘「お金が無いから通夜はせず戒名は一番安いのでって言ったら突然――、」

俺「それでどうなったの?」

娘「通夜は自宅で戒名はお爺ちゃんと同じ大姉じゃないと駄目だって」

俺「へー、そこまで言うなら安くしてくれたんでしょ?」

娘「ううん、布施は50万円でそれが供養なんだってさ」

俺「・・・・」

葬式では自宅屋根に矢を射るだ、棺は3回廻せだ、あーだ、こーだと言いたい放題で、教えてやってるくらいの態度にムカつきましたが、何の権利があってそこまでの好き勝手が言えるのか理解できません。

俺「仏教に厚い信仰心があるの?」

娘「ううん、全然、でも墓は寺にあるからさ言われるとね」

50万円の布施は当然、それをしなければ供養はしないのか!と怒鳴るのが普通だとは思えません。檀家とは菩提寺住職の言いなりになるのが当然の存在なのでしょうか、だとすれば住職が替わる都度、その住職に合わせなければならない。

そんな檀家になり続ける必要があるのでしょうか? 違和感や疑問どころか怒りさえ覚えた葬式経験でした。

3-5 墓は人質をとったようなもの

幼馴染みでかつて石屋をしてた友人が連れてきた寺の言葉を思い出します。仕事が欲しくて来たのでしょうが、友人と僕が懇意こんいなのを知ってか僕の前で無防備な会話をしてました。

友人「食うには檀家400軒くらい必要だよね」

住職「うん、そうだね。うちはもっと増やさないとだよ」

友人「ネットを使って檀家じゃなくても受ければ良いじゃん」

住職「うん、でも計算できないじゃない」

友人「確かにね。それが檀家の最大メリット?」

住職「檀家で寺に墓を持てば人質とったようなもんだからね」

友人「そりゃそうだ」

寺は人質をとったようなものでも、とられた側は他に葬式依頼できませんから、寺が勝手に決めた布施額を払うしかないのではたまったものではありません。そう考えると菩提寺の葬式をしてた頃は疑問と不信感ばかりでした。

3-6 裏で檀家の悪口いうかなぁ

お金の無い家族でしたから出来るだけ費用を抑えた葬式を設定しましたが、菩提寺に墓があるというので息子さんと値引き交渉してくるよう言いました。

葬式当日に来た住職は横柄おうへいで10時からの家族葬でしたが15分前には全員揃ったので、葬式後のお別れ時間が少しでも長くできると思い葬式を始めて欲しいと伝えると一言「10時から」とだけ言うような人でした。

面倒臭せぇ坊さんだと分り、その後は淡々と進めましたが出棺前の花入れの時、住職の使った葬具を控室に持っていくと「ろくに金も払わねぇくせに言う事だけは檀家面で参っちゃうよ」の言葉に唖然とする。

自分はスマホ見てるだけなのに15分早くして欲しいと言っても対応しない『あんたはそんな事が言えるほど立派な人間じゃねぇだろうが』と思い苦笑した。

3-7 旦那が死んで住職になる奥さん

会員さんの葬式打合せで菩提寺に行くと、住職だった旦那が亡くなり奥さんが対応しましたが、言う事が余りに建前過ぎる綺麗事で布施はどうでも良いみたいな言い方をしたので少し腹が立って言いました。

俺「話しを聞いてると布施は要らないって事ですか?」

奥さん「いえ、そう言ってるのではありません」

俺「なら綺麗事を並べず寺で決めた布施額を言ったほうが釈然としますよ」

葬式はしましたが後日離檀して墓閉じしました。数年後その奥さんが住職になり葬式をしてると聞き、旦那が死んだからって奥さんが突然住職って言われてもなぁ。

まぁ奥さんの人柄が檀家さん達から称賛されてるならまだしも、偉そうな態度で自分が、自分がという人と聞かされると檀家ならどう思うのでしょうか・・・

3-8 霊感商法と何処が違うの!?

時々出る霊感商法なる言葉、大小問わず、歴史問わず、金の掛かる宗教は全て五十歩百歩だと思うのは僕だけではないでしょう。

警視庁ホームページを見ると霊感商法とは『単なるつぼや印鑑・置き物などに、あたかも超自然的な霊力があるように、言葉たくみに思わせて、不当に高い値段で売り込む商法です』との記載ですが理解できない所が2点あります。

『単なる壺、印鑑、置物が超自然的な霊力があるかのように』

なら仏教の戒名、神社のお札には超自然の霊力があるのでしょうか? 戒名を付ければ天国に行けたり、お札を受ければコロナ感染しないでしょうか? いいえ、普通の頭脳と教養があれば誰が考えてもそんな事は絶対にありません。

『不当に高い値段で売り込む商法です』

不当に高いとはどのくらいの金額を言うのでしょうか?、1万円を高額と思う人もいれば100万円は小遣い程度の人もいるはずです。

ただ無信仰を公言する僕自身、元旦午前3時過ぎに家族と自宅を出発、初詣客もさしておらず並ぶことなく115円(いい御縁)を賽銭箱に投げ入れ二礼二拍手一礼をすると初詣は終了。

続いて我が家と同僚の千明家合わせて10個ほどのお守りを買い、境内横で1杯200円の甘酒を飲むと『正月だなぁ』と思うのが恒例行事です。

お守りでどうこうなるとは思ってませんが1個800円なら家族の気休めに丁度いいと思ってるだけですから1,000円程度のお守りや5,000円程度の祈祷なら恒例行事として問題はない範囲だと分ります。

なら戒名と読経で30万円、50万円、100万円は、お守り1,000円、祈祷5,000円と同じでしょうか、だとすれば壺50万円も同様で、壺が霊感商法なら、布施も霊感商法としか思えません。

もし読経して戒名を付けねばあの世に逝って浮かばれないと言うなら、誰もが納得できる霊力であると証明できますか? 

また入会相談に来られる90%は無信仰者で日本は60%以上が無信仰と言われますから、読経戒名は不要と思ってる人のほうが多い時代です。

もっと言えば最大宗教キリスト教24億人、イスラム教19億人、ヒンドゥー教11億人の計54億人は全て浮かばれないって事? 4億人の仏教に言われても他信仰の人達と無信仰者は納得するはずがありません。

或いは信仰別にあの世があるなら無信仰者専用のあの世があるって事? になるしあの世は何百もの宗教の数だけある? そう考えると宗教が誕生する前から人の死はあったのですから「死」と「宗教」は別物と考えるべきでしょう。

葬式はともに生きた家族や仲間達とのお別れの時と定義すれば、どんな宗教であろうと、無信仰であろうと支障はありません。

払う家族が納得してるなら50万円が100万円でも構わないですが葬式の布施が30万円、50万円が納得できない人は価値観が無いのですから離檀すべきです。

同じ50万円でも片や当然の如く世間で通用し、片や霊感商法として逮捕される両者への対応が違う根拠が全く理解できません。

無信仰者の感覚ではどちらも霊感商法です。宗教で金品を寄進させる世に知られた宗教があるのは嫁さんの父親でも経験しており、我々のいない留守を狙って来ては無心してたようで年金用通帳に残金はありませんでした。

「詐欺だ」と訴えれば警察は動くのかもしれません。ただ嫁さんの父親は我が家に住んで生活に支障は出ませんでしたが単身生活者ならどうだったでしょう。

夫婦仲に問題が出ても不思議ではありません。周囲の人を不幸にして平気なのが宗教でしょうか。健全な宗教とそうでない宗教の違いを明確に伝えられ、僕を納得させられる人がいたら教えて欲しい。

でも信仰を否定しているのではありません。
信仰とは生きる為の指針であるべきと思ってますから、人生の中で迷った時、辛い時に支えてくれる信仰なら称賛はしても否定することはありません。

ただ葬式は人生の最後で必ず訪れる事ですから、信仰のある人が信仰に沿った宗教儀式をするのは当然ですが、それを儲けの種にするのが正しいと思えません。

明日は我が身なのですから宗教者も葬儀社も自分の私利私欲で頼って来られた家族をおとしめるような事は人としてすべきではないと言ってるのです。

3-9 宗教者が脅してはいけない

菩提寺で良く聞くのが亭主の戒名が院号だから、嫁さんも院号が当然という理屈には理解も納得も出来ず、更に布施は定価で要求し判を押したように5万円値引きを了承する姿勢は強欲坊主としか思えない。

夫婦が同じ院号、大姉居士である必要は何処にあるの? 戒名が高くなると天国に行けるけど安いと地獄なのか!? さすがにそんな馬鹿げた事言わんでしょ。

もし他に理由があるなら例え院号でも一番安い戒名と同じで良いよ。なら理解もできるけど要求するのは高額な布施、更には「供養しなくて良いのか!」こうなったら脅しでしかない。人として人間として問題だわな。

以前墓閉じした際、閉眼供養では珍しく「洗米」「塩」「酒一升」を持って来るよう紙に書いて渡されたが、その最後に『先祖から呪われること疑うなかれ』の文字を見て慌ててきた家族がいますが、住職の馬鹿さ加減に呆れます。

|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?