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31:マニュアルでは家族目線に成らない

マニュアルとは高度な教育スキルはありません。基礎能力が劣る社員であっても顧客や相手に対し問題の出ない作業や接客が身に付くよう繰り返し練習するのがビジネスマニュアルです。ようするに低次元で揃えた基準のこと、営業でも、職人でも、管理職でも、経営でも、マニュアルで他人より秀でることはできず能力のある人はマニュアルで動いてません。

だからマニュアルは感動を与えることも無ければ、個々の顧客や対象者に最適な対応することはできず、大多数の相手に対する当たり障りの無い作業レベルでしかありません。

マニュアルで解決できるのは、飲食業なら決まった接客、同じ味、同じ量、などですからファミレス調理場、ウェイターなどは教えられた通りのマニュアルを実践する素人が向いています。ようするに流れ作業のような仕事ならマニュアルはとても効果のある教育手法です。

世の中には2対8パレート法則、22対78ユダヤ法則などあり、これらは10人いれば会社に利益をもたらす使える人は2割、利益をもたらさない人と会社にぶら下がる人が8割とも言える為、8割の人達をせめて50点~60点の評価が得られる社員に教育するのがマニュアル、葬儀屋なら利用した家族から褒められたり、感動されることは無くても顰蹙ひんしゅくをかうことの無いレベルまで引き上げられるのが会社にとってメリットです。

社員数の多い大手葬儀社とは言い換えれば、使えない社員が沢山いる葬儀屋ですから一定レベル以下の社員でも決められたマニュアルさえ身に付けて、言動してくれたら利用者からクレームが出ず、家族からもクレーム回避ができる程度の流れ作業の葬式施行にはなるはずです。

接客マニュアルの中には『利用者に口答えしてはならない』と教育されてるはずですから利用者が文句を言っても、我が侭を言っても、言い返す事なく常に腰も低く、お客様として対応をしてくれる事でしょう。但し絶客サービス業の視点ですから、文句も言わず、低心頭の対応はサービスの一環である事から料金が一桁違うほど高いのは仕方ありません。

しかし家族の諸事情、心情、家族目線で動く事は絶対にできませんし、社内でも求められはしないでしょう。チェーン店の全国統一された味(大手を代表としたマニュアル葬儀屋)を好むか、その時の自分の体調や事情に合わせた味付(家族目線で動く葬儀支援)を好むかの違いで、どちらが良いかは家族の価値観次第、ただファミレスは低料金のイメージが強いのに対し、大手葬儀社はとても高額な葬式になる現実です。

同じ葬儀業界で活動してますが、葬儀屋と、葬儀支援の決定的な違いは立ち位置です。葬儀屋営業や担当者は当然「社の方針の上に立ち利益最優先」、葬儀支援を行う我々は『個々の家族毎の家族目線の上に立つ』もっと分り易く言うと「葬儀屋は売上と利益最優先」「葬儀支援は家族事情が最優先」ですから葬儀屋と葬儀支援は似て非なるものです。

しかし葬式の仕事をする人達の中には『後に残る家族の生活を守る事』を優先したり、したいと考える人達もいるでしょうから、直接逢って本音を伝え相手てから対応をみれば自然に分るでしょう。

ひと口に家族と言っても100軒あれば事情、価値観、家族を取り巻く状況などは100軒全て違いマニュアル程度のレベルやスキルではではどうにもなりません。解り易く言えば人の死後に発生する諸問題について、その場で対応できる経験、知識、創造力、柔軟な思考力など備えてなければ本当の意味で家族目線にはなりません。

こうして書くと、とても難しい事のように感じるかもしれませんが、少なくとも数年間以上で数百件以上の担当、施行実績を持ち、全ての家族と膝を突き合わせ本気で家族最優先の対応を続ければ、結果として周囲の葬儀屋からみれば、とても高度なスキルが自然に身に付くでしょう。

経営者よりサラリーマンの葬儀社社員のほうが多いですから、最後に一言つたえておくと、サラリーマン経験は35年以上していませんが、サラリーマンで偉く成れるのは『少し出しゃばりで言った事を実現させる人』です。この資質はオーナー経営者にも通用するものです。うちのような小さな事業では尚更の事、会員さんと直接関わる『人』が全てでマニュアル的な部分は作るもので無く会員数と施行数に比例して勝手に出来上がっていくものです。

いずれにしても、建前でなく本音で葬儀屋に相談すれば『この人は家族の事を考えてくれてるなぁ』と感じる人もいれば『ようは高くしたいのね』って思う担当者や葬儀屋の本音は第六感のある人間は勝手に分るものです。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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