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32:絶対無理するな、させる葬儀屋は除外

電話からの第一声は女性の声で「入会させてください」珍しい電話から来館された60代女性に第一声の理由と入会動機を聞くと笑えない現実に『なるほどぉ』と納得させられました。

平成の大合併で前橋市になった地域に60代の友人がいて、定年後は貯金にも手を付けることの無い年金生活を少し羨ましく思ってたそうですが、数年前にご主人の癌が発見され入院生活になると貯金は減り続け、逝去した時は全く蓄えは無くなってたそうです。

ところが故人の兄弟姉妹、親戚、葬儀屋、僧侶まで家族葬をしなければ成らないような空気と言葉の威圧に負け10名ほどの家族葬で150万円ほどの
葬式をしたが払えずローンを組まされた事で毎月3万円~4万円の支払いが5年続くことになった。

しかしご主人の年金が無くなり実質収入は半減しても、電気水道光熱費は勿論、食費も含めた生活費は変わらない現実を知り、ローン返済目的のパート勤めをせざるを得ない現実を間近で見せられ、明日は我が身の思いが「入会させてください」の言葉になったようです。

笑えないし納得できない現実は不思議な事に日本全国で毎日繰り返し起きており、兄弟姉妹、親戚、葬儀屋、宗教者の誰か一人でも残る配偶者の事を考え、今の財布事情で無理せず出来る葬式をすべきと、無責任な周囲の人達を説得してくれたら葬式後も笑顔で暮らせてたはずです。

もう一例挙げると、まだ式場所有もしてない設立から数年後、入会相談に来られた初老の男性は「母親の葬式費用として1千万円用意してある」と言うので「金があるなら普通の葬儀屋に行きなよ」と断りましたが、当社理念に賛同しており是非――、との事で入会手続きをして帰りました。

それからわずか1年後、母親逝去の一報を受けたのは隣接市の斎場で一般葬の最中でしたから、葬式は千明やスタッフに任せて単独で病院に向かい、あんしん館に連れて来ると1千万円準備してた人ですから、詳しい打合せはしておらず安置する前に葬式形態の打合せです。

ところが母親の葬式代1千万円は全て使い切り余裕もなく直葬でお願いしたいと言うのです。使い切った理由を聞いたところで意味はなく、無い袖は振れませんから頷くと直葬の納棺安置の準備に入りました。

えっ!?たった1年で1千万円が無くなること何てあるの!?と思われる方のほうが多いでしょうけど、例えば死亡原因上位の「癌」で末期となり緩和ケア病棟に入れば1日1万円、1か月30万円、1年360万円は普通に掛かり、検査、投薬、他の諸費用まで含めれば500万円は普通に掛ります。

さらに癌の先進医療、重粒子線治療に入れば回数に関係なく「314万円」掛かり全額自己負担(高額医療請求できません)で、診察、入院、検査、手術、投薬など一般診療も別途3割負担で加算され緩和ケアと重粒子線治療だけでも1年間で500万円は掛り、開腹手術が入れば200万円~は掛かりますから1千万円はあっと言う間も不思議ではありません。

『医療費』と『葬式代』など比べるべくもありませんが『死後』より『生前』が大事『葬式』より『残る家族の生活が大事』など、まともな神経を持つ人なら当り前のことで比較対象する必要さえありません。

決められた収入と財布事情の中で優先順位を決め、使える金額を明確にしておく事はとても大切なことですから、優先順位と各々に必要な明確な金額もできるだけ具体的に考えておきましょう。

『優先順位』
1. 命(命の在り方の基準は家族、個人各々で違いますが命は最優先です)
2. 残る家族の生活(故人より生きてる人が大事――、当然のことです)
3. 死後費用(葬式は宗教儀式である必要なし家族との別れの時間です)

大事なのは次の3つ
「誰もが死後費用の心配をすることなく、心穏やかに生きられる世の中で」あり続け、もしもの時は
「葬儀より残る家族の生活最優先で絶対に無理をしない事」また
「事前相談後は死後費用の心配を一切することなく安心して生きらる葬儀屋を探しておく」事です。

言い換えれば
『残る家族の生活を脅かす葬儀屋は避け、菩提寺なら離檀し、家族の生活に支障をきたす事を言う親戚との付き合いは縁を切る』くらいの強い気持ちが無ければ残る家族の生活すら守れない事もあるのです。

『冷静に成れば霊感商法と誘導商法は誰でも分る』

宗教者が読経でも戒名でも、その対価として布施と呼ぶには高額過ぎる謝礼を受け取る時点で霊感商法と言われても反論できないでしょう。

ゆえに『布施ふせ(ほどこし)』なる言葉を使って請求してるのでなく、檀家自らの意思で出される布施――、誤魔化したいのでしょうが、国民年金月額6万円で生活する人、10万円程度で生活する人にとって50万円はとても施しと呼べる金額ではありませんし、それを当然のように貰える神経が宗教者と呼ぶに値しない人物と公言してるようなものです。

生きていれば嫌でも自分や家族は死を迎えるわけで、形式はどうでも葬式をせざるを得ませんけど、その時点の財布事情で無理せず、残る家族の生活も支障の出ない範囲の葬式を行う事を家族の統一意見とし、その範囲内の金額で可能な葬式と宗教者を絶対条件とすることです。

もし葬儀屋は勿論、菩提寺も例外では無く予算内で納まらない時は、葬儀屋の変更と離檀さえも辞さない共通認識と覚悟をして周囲や無責任な親戚が反対意見でも徹底して遂行する気概を持ちましょう。

残る家族の生活より葬式を優先する葬儀屋、宗教者、親戚、その他は全て除外して『依頼せず』『呼ばず』『相談せず』です。それが唯一残る家族の笑顔を守る手段であると自覚することも必要です。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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