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53:無信仰者の葬式は何でもありです

質問「あなたに信仰はありますか?」
大半の人達は「いいえ」と答えたはず、日本人の80%は無信仰と言われてますが、あんしんサポートに来館する相談者の90%は無信仰だからです。

ところが葬式で一番多いのが『仏教の葬式』、無信仰者が宗教儀式の葬式を当たり前のようにする事自体が不思議だけど、仏教宗教者が無信仰者の葬式を受けること自体が不自然で違和感しかない。信仰ではなく商売として葬式してるとしか思えない。

信仰に沿った葬式をするのは当然、なら無信仰者は無宗教の葬式が当然なのですが、無宗教の葬式を葬儀屋が設定して来なかった事と、葬式という行為を信者獲得の手段として仏教が利用してきた結果なのだろう。そう考えると日本仏教は賢くもあり、あざとくもある。

そもそも葬式は宗教儀式ではありません。天、海、地、火山など自然を神とする信仰は存在したでしょうが、宗教という理念が誕生する前、人間という生物が誕生した時から人の死はあったのですから、葬式の根底は『家族との別れの時』或いは『ともに助け合った仲間との別れの時』です。

葬式が家族や仲間との別れであるなら、人間には感情、思考があるから死を受け入れる時間は存命中から始まります。で無ければ葬式は単なる死体処理でしかなくなる。ゆえに葬式は死後でなく亡くなる前から始まって、一般的に言われる死後の葬式は死体の処理を行う為の時間です。

2021年、施行した家族に『お見事!』と感じたお爺さんがいました。自宅ベッドで人生最後の時を過ごしてたお爺さんは、ある時突然、家族を一人一人自分の部屋に呼び、感謝の言葉、年長者からの言葉など全員に伝えたり家族からの感謝や言葉を聞くと昏睡状態に入っての終幕だったそうです。

火葬だけの葬式でしたが配偶者であるお婆ちゃんは配偶者の言葉で心穏やかになり、父親から感謝や教えの言葉を聞いた子供達家族全員が葬式後も温かい心で過ごせたと聞かされ見事な終幕に感服しました。一度だけ夫の部屋から聞こえた「チキショー!」との言葉に、あれだけの人でも心の中では人生の終幕を迎えるのは悔しい事なのだと知ったとお婆ちゃんが言ってました。

『無信仰者の葬式』

結論から言うと家族の心情と諸事情の範囲であれば『何でもあり』極端な例で言えば、仏教の湯かんを行い、神主の祝詞で神道葬場祭そうじょうさいをして、仏教の戒名を付け、葬式の中では全員でアメージンググレースを歌う葬式でも構いません。事実、線香は仏教の物ですが神道で線香を供える家族は珍しくありませんし、日本人にとって線香とは宗教うんぬんでなく墓参りや故人を偲ぶ習慣でありルーティーンのひとつのようです。

『最近多い施行例』

「友引」の葬式は友を引くからしない。これは迷信に過ぎず友引とは六曜のひとつに過ぎません。今は七曜、日・月・火・水・木・金・土ですが六曜は「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順で繰り返します。但し旧暦の各月1日の六曜が決まっている事から順番通りで無くなります。
1月・ 7月「先勝」から始まる
2月・ 8月「友引」から始まる
3月・ 9月「先負」から始まる
4月・10月「仏滅」から始まる
5月・11月「大安」から始まる
6月・12月「赤口」から始まる

友引は火葬場、斎場の休場も多く迷信を逆手に取って、無駄な費用は抑え、葬式の本来あるべき姿に近づける内容にすべく設定がお勧めです。

『お勧めの葬式』

①友引の午後2時、3時から家族と近い親族だけで葬式します
・友引の午後は僧侶の予約も容易に抑えられます
・午後の葬式なので食事の心配は要りません
・①の宗教儀式は無信仰者なら無くて構いません
 その場合は②からスタートします

②葬式後は花、食べ物、衣類、写真、手紙など入れてお別れです
・火葬時間に追われずゆっくりお別れできます

③家族のお別れ後は最長午後7時まで家族以外の方々の会葬です
・棺のフタを閉じ窓枠を開け、焼香後はゆっくりお別れできます
・数時間ありますから各々の都合に合わせて会葬できます
・時間があれば家族とゆっくり話しもできます

④午後7時、家族は自宅に戻って通夜です
・自宅で故人の好きな音楽、食物、写真、動画で故人を偲びます

⑥翌日朝一番で火葬します
・火葬は家族だけ、もしくは故人と近しい人達だけで行います
・火葬中は無料休憩所(有料斎場あり)で待機(60~90分)
・食事は提供せず飲物で歓談しながら過ごします

⑦拾骨が済んで11時頃には斎場を出られます
・焼骨が触れる温度なら箸でなく、手で拾骨したいものです
・分骨して欲しい人は火葬前に伝えれば火葬証明書発行可
・早朝から食事を用意しても普段食わない時間に食えません

⑧ちょうどランチ時間、温かくて旨いものが安く食べられます
・和洋折衷、ファミレス、バッフェ、何でもありです
・お弁当の持ち帰りでも構いません

⑨食時と歓談が済めば解散――、お疲れ様でした。

『メリット』
・時間差で小さな式場でも会葬者の人数は関係ありません
・宗教者、火葬予約が取り易いはずです
・会葬者は焼香のあと、故人の顔を見てゆっくりできます
・会葬者と家族がゆっくり会話できます
・葬式後の自宅弔問数は減ります
・会葬者は仕事の都合をつけ易くなります
・食事無用で費用が抑えられます

『デメリット』
・お別れ時間が長く家族は立ち時間が多く疲れます
・葬儀屋により式場使用料の変化があるかもしれません

『何でもありだよ無信仰者の葬式』

結論、
無信仰者の葬式は何でもありです。
・自分達が心からお別れできたと思えることをしましょう
・お別れの会を葬式とするのも当然ありです
・葬式の形態は取らず『カラオケ大会』『麻雀大会』でも良い
・故人の好きな温泉や旅行先に行くのも有り(焼骨を持って)
・火葬前日夜はこんな『通夜』で過ごしましょう

『葬式に決まりはない』

葬式には様々な決まり事があるように思えますが、決まりは『法律』だけで宗教者や葬儀屋の言い分は決まりではなく決まりは下記だけです。

①死亡診断書記載の死亡時刻から24時間以内の火葬できません
②火葬には行政の発行した『火葬許可証』が必要
③火葬は事前予約必須

以下法律ではありませんが火葬場、斎場の決まりです
④死体はフタ付の棺で搬入する
⑤火葬予約時間の30分前到着が基準(10時火葬なら9時30分)
※火葬場、斎場毎の決まりがありますので確認しておきましょう

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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