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49:通夜の由来、通夜式は要らない

『午後5時からの通夜』式場に家族、親族、会葬者が座り、導師として僧侶が入場して読経を唱え、家族、親族、会葬者の順に焼香して帰る――、

葬儀支援センター設立当初は葬儀の「そ」の字も分らない状態でしたから、施行依頼した葬儀屋に言われるがままでしたが、当たり前のように行われている通夜式には違和感しかありません。これって葬式でしょ!?

「何の為に葬式前日に葬式と全く同じ通夜式をするのか?」と葬儀屋に聞くと「読経は違うでしょうけど、これが普通に行われてる通夜で葬式に来れない人達も来れるからだと思います」なら通夜に来た人達は葬式に来る必要は無いという事にもなるのだが、翌日の葬式に来た人達は昨日の通夜式にも来てた人達ばかり――、どう考えても変だと「通夜」について調べると通夜にも由来があると分ったが、現行の通夜式は由来にちなんで無いと分った時から通夜式は受けてない。

『通夜の由来』

『仏教の開祖である釈迦が入滅(逝去)すると集まった弟子達は亡骸を囲んで一晩中、釈迦の教えを語り合った』

これが通夜の始まりであり通夜の由来です。
とすれば現在行われている通夜式とは違う・・・そこで由来にちなんだ通夜の在り方を伝えるべく考えたのが以下の流れです。
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火葬前日の夜――、
①自宅に故人と親交の深かった人達だけで集まります
②故人の好きな歌や音楽を流しながら――、
③故人の好きな食べ物を用意して集まった全員で食べながら――、
④故人の写真や動画を見ながら――、
⑤各自が故人とのエピソードなどを語り偲びます
⑥カラオケ好きな故人ならカラオケ大会も良いでしょう

-------------------------------------------------------------------------------------これだけで1時間、2時間は「あっ」という間、話しが盛り上がれば何時間でも構いません。大事なのは集まった人達が神経を使う人は呼ばない事、故人を偲ぶとは良い事ばかりを言う事ではありません。人間誰しも良い所があれば、欠点や短所もあるのが普通、例え悪口のような内容でも親交の深い人達なら笑って過ごせるでしょう。誉め言葉だけなら10分もあれば話は終わるけど、愛情のこもった悪口ならいくらでも話せる――、きっと故人もその場にいてニコニコしながら聞いてるんじゃないかと思う。

あっ、そうそう通夜で思い出しましたが、ひとつ言っておくと以前は一晩中線香を灯し続けるのが当り前と言われてましたが、東日本大震災以降、就寝前は勿論、誰もいなくなる時は全ての火を消すのが当り前と思って欲しい。南海トラフ地震を始めいつ地震が起きても不思議でないと言われる今、葬式で火事では泣き面に蜂では済みません。

この通夜を実践した家族からの言葉があります。

「親父は音楽が好きでは無かったけど、かぐや姫の【僕の胸でおやすみ】この1曲だけは好きだったからリピートし続けたんですよ。通夜が終わった時には初めて聞いた従姉も歌を覚えてました。葬式の中で一番良い思い出の時間になりました」

葬式で一番大事なのことは読経でも、戒名でも、儀式でも、豪華でも、派手でも、盛大でもなく『残る家族が最後まで温かい心で過ごし送れる事』実現したら最高の葬式が出来たと思って良いでしょう。

葬式内容は全国、全県、全市、全地域で全て違いますから、作法や儀式に於いて正しいや間違いなどなく、時代の流れでも変化しているのが分るでしょうか? いくつか例を挙げれば理解できるでしょう。

『昔は平棺に釘打ち、今はさせない』
60才以上の人なら覚えてるでしょうが、白木の合板を貼った棺に平らなフタを閉じると石で釘を打つのが当り前でしたが、火葬炉が傷む事から釘を打つ習慣はいつの間にか無くなりました。

『葬式の夕刻にした念仏、今はしません』
葬式が終わった夕刻になると家族親族が集まり『念仏』を唱え、その際に配ったのが葬式饅頭、子供の頃は楽しみのひとつだったのでは? 15年間の支援活動で千数百件の施行をしましたが念仏は1度もしてません。

『花輪から生花スタンド』
30年前は葬式といえば花輪が当り前でしたが、2022年現在は勿論の事設立した15年前当時から前橋市で花輪を見ることはありません。花輪のレンタル価格が下落した事で葬儀屋が生花に切り替えた為でしょう。

『生花祭壇』
葬式の祭壇は、遺影、四華花しかばな、果物、菓子盛、白木膳、位牌、程度でしたがいつの間にか生花を沢山飾るようになったのも葬儀屋の商売です。

『当日納骨から四十九日納骨』
元々は土葬が主流ですから葬式当日の埋葬が当り前、火葬に替わっても即日納骨すれば済む事なのですが、いつの間にか四十九日に納骨が当り前の如くなりました。坊さんは別途5万円の布施を稼げ、葬儀屋は返礼品、料理の飲食、法要式場などで稼げるからじゃねぇかなぁ。

この手の話しならいくらでも書けるほどあります。
信仰心も無いのに仏式の葬式をするなど日本でしか通用しない感覚ですが、業者の金儲けに気付かず惑わされないよう何でも言いなりで無く、由来とか本来あるべき流れを考えての対応を心掛けると良いでしょう。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊


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