見出し画像

23:焼骨の付着色と部位について

火葬が終わると連絡が入り拾骨室に向かうと斎場担当者がいて焼骨の簡単な説明をする際「焼骨に付いた色は棺に入れた生花や副葬品ふくそうひんの色が付着したものです」と言われる斎場が大半だろうと思います。※ 副葬品とは故人と一緒に棺に入れられた物

ですが、棺に花も入れず、副葬品も入れてない家族は「ん?」と思うはず、これは斎場内で決められた言葉に過ぎません。これから説明する付着色についても絶対とは言えませんが、上記説明よりは真実味があると思って読んで頂ければと思います。以下は僕自身が拾骨で説明してる内容(金属詳細等は説明してません)です。

五徳ごとく
自宅のガスコンロに鍋、やかんなど乗せる数本の爪が出た金属を五徳と呼びます。火葬炉でも棺は火葬台の上に置かれた数個の金属製の五徳の上に置く火葬炉が多いです。火葬台と五徳の間に隙間ができる為、炎が下からも周り火葬時間が短縮できます。

火葬炉は800℃~1200℃くらいの耐性がある為、常用1,000℃程度は想定内、ゆえに1500℃でも耐える耐熱合金の五徳が使われてる可能性が高く、チタン合金、ニッケル基超耐熱合金、コバルト基超耐熱合金が代表的です。融解温度は、鉄1,500℃、ニッケル1,400℃、チタン1,680℃と単体でも1,200℃の火葬炉なら問題ありませんが、家族に専門的な説明は不要ですから融解温度が高く素人でも聞いた事のある「チタン製の台」と説明してます。

『緑色』
必ずと言える程付着するのが「緑色」これは「火」の色と言えるでしょう。棺が燃えると中のご遺体は下に落下しますが、熱せられた五徳の金属に触れた部位の骨に緑色が付着するようです。

『赤褐色』
赤褐色が上下のあごに付着してたら歯医者の治療痕だと思って頂ければ良いし、赤色系は付着し易い色のようで、真っ新で真赤で安物の木綿トランクスをご遺体に履かせて火葬すれば焼骨全体がピンク色になる経験を数回しております。また紺色の着物でも赤色が付着する経験もあります。

『薄いオレンジ』
頭蓋骨の内側に付着するオレンジ系の色が典型ですが、脳は脂質ですが全体に毛細血管が張り巡らされている為、オレンジ色が着くと思われます。

『茶色・黒』
茶色系は基本焦げた色ですから足や腕など厚い骨の表面より、肋骨、背骨、尾骶骨、骨盤など多く見られます。稀に脊髄部位が真っ黒になる事もあり、脊髄が炭化したものと思われますが、個体差があり詳細は分かりません。

『喉ぼとけ』
外見で見える俗に言う咽仏のどぼとけではありません。女性は目立ちませんが、男性は上下に動くのが良く見える喉仏ですが軟骨のため火葬で焼失して残りません。拾骨しゅうこつで見せられる喉仏は上から2番目の首の骨、第二頸椎けいついです。背骨は上から頸椎けいつい胸椎きょうつい腰椎ようついその先が仙骨せんこつ尾骨びこつで通称尾骶骨びていこつと考えれば良いでしょう。

『その他の骨』
焼骨状態にもよりますが「かかとの骨」「膝の皿」「肩甲骨」「足の骨」「腕の骨」「指の骨」「肋骨ろっこつ」「骨盤」「大腿骨だいたいこつ」さらに「骨粗しょう症の状態」なども説明します。

『首から上の説明は斎場担当者に依頼』
最初から最後まで全て行っても構わないのですが、本来斎場担当者の仕事でもあり、僕自身が入る目的は『和気あいあいの中で温かい拾骨時間にする』事ですから、最後は本職の担当者に閉めて貰っています。

首から上の焼骨は斎場担当者に説明して頂きます。「上下あご」「側頭部(耳の穴)」「左右頬骨」「喉仏」「頭蓋骨」等です。

担当者の動きに合わせ頭蓋骨の内面のオレンジ系の着色を見せたり、前頭部と後頭部では厚さが倍以上違うと説明を加える事もあります。

火葬は行政発行の火葬許可証が必要で火葬が終わると前橋市の場合、埋火葬許可証と書かれた火葬証明書が渡されます。埋葬まいそうとは土葬の事ですから前橋市は土葬を禁止してませんという事です。

但し実際に土葬できる墓所は中々ありません。群馬県内では聞いた事がありません。日本は離島住民もいますから基本的に土葬は禁止しておりません。禁止されてる地域があるとすれば市区町村条例だろうと思います。

また子供達でそれぞれ遺骨を持っていたい等『分骨』希望の方は火葬終了前に斎場事務所に伝えておけば必要枚数を渡して貰えます。

|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?