nutte-ヌッテ-のこと(1)
私がnutteをとてもすきな理由のひとつは
「双方に選ぶ自由と責任があるところ」です。
例えば
「オーダーで10万円」
だったとすると
依頼者は高いと思うかもしれません。
職人は安いと思うかもしれません。
依頼者は自分の生活圏の中から、いろいろなものと比べてその10万円の妥当性を考えるでしょう。
職人は自分が受けている仕事や労力を計算して妥当性を考えるでしょう。
そして双方がその相手のことを慮って決めます。
この【双方が】というところがとても大事なのです。
通常アパレルの中で職人の立場というのは「下請け」であることが多いため、妥当性を欠いた仕事でも断れないことがあります。
もちろん仕事も人と人との付き合いですから、それを許容することもあります。
ただ、長年そうしてアパレルのコスト減に付き合った結果、なんの見返りもないままたくさんの会社が撤退していったというのが現状です。
また同じく依頼する側にも色々な事情があります。
依頼側の事情は案件を見ているだけでも楽しめるくらい、ほんとうに様々です。
車椅子で入学式に出たい、アイディア商品を形にしたい、家のソファカバーをつくりたい、子どもの衣装を作ってあげたい、、、などなど。
たまに職人さんから「自分は応募できなかったけどあの案件ってどうなったの?」って聞かれるくらい・・・。
「他では売っていないものの価値」を決めるのは依頼者と職人の双方である。
というところに魅力を感じます。
そして、より【作る人】と【着る人】が近くなったことにより
「私も作ってみたかったんです!」
とか
「素敵なお洋服をありがとうございます!」
とか
そういった当たり前だけど、一般的なアパレル生産では失われてしまった
【気遣い】を見かけます。
「なぜこれをやるのか」が共有されていないことは、やっていても楽しくありません。
縫製なんて、完成までに細かくて面倒な作業がいっぱいあるのに、
「これを着て喜んでくれる人がいるのかどうか」を知らずに手を動かすのは寂しいものです。
実際にアパレルメーカーだと作った商品の半分以上は捨てられても大丈夫なように計算されていますので、そうまでして作ったものが誰の手にも渡らず倉庫でいつまでも眠っているということになります。
「このために作って欲しいんです!」って言われて一生懸命作ったものを
着用した写真なんかがメッセージで送られて来たらやっぱり嬉しいですよね。
感謝されたら嬉しいに決まってるじゃん!!
自分のことを思って作ってくれたら嬉しいに決まってるじゃん!
って思います。
もちろん、技術があったうえで、ですが
普通の「気遣い」や「ありがとう」があり、
やりとりしている相手が「人間」だということがちゃんと伝わる世界であって欲しいなと思いますし、
目の前にあるものは、人の手によって作られていて、自分がやっていないことは、誰かがやってくれている。
そんな当たり前のありがたいことに気づけるサービスになったらいいなと思います。
nutteはこちらです→「nutte-ヌッテ-」
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