姜アンリ

Anri Kang 詩集「宇宙の塵のためのブルース」発売中 My first col…

姜アンリ

Anri Kang 詩集「宇宙の塵のためのブルース」発売中 My first collection of poetry 'The Blues for the Cosmic Dust' is available at book stores and on Amazon.jp

最近の記事

「空」

全くボロボロだったのだけど 口から出たのは違う言葉 「今日は本当にいい天気」 どれほど言葉を重くしようとも バクテリアが子孫の私たちにとって 我々の軽さは変わらない その存在、そのちっぽけさを 直視することに 私たちは耐えられない だから こんな春風が吹く日は 気をつけなければ 空に舞ってしまうだろう 戦争で灰になってしまった身体のように そこで私たちは 自らを着飾り一つにまとめて 腰を落ち着かせてくれる 神妙な「真理」がほしくなる 必然、偶然、運命、自由、正義、

    • Catalyst 「触媒」

      • この瞬間

        とまる とまる 全部とまる 換気扇の羽 橋を流れてゆく電車 蛇口から駆け出す水道水 一点に集まっていく鳥たち 手から滑り落ちるコーヒーカップ 跳ねて宙に浮かぶあの子 殴られそうなあなた 頬に当たる空気抵抗 震える粒子 私の心臓の もうひと打ち ここで 時間は 罠にはまった 誰もが惹きつけられては 逃れるものはいないっていう あの暗闇 けど 結晶化なんて 綺麗すぎ わたし いやだ 願わくばもう一度 最小の粒になるまで分裂 あっつい濁流になって アマゾンの熱帯雨林へ 地

        • 荒野に

          とんでもねぇ とんでもねえ 荒野に立つ あたたけぇ あたたけぇ 闇の中のポケットの手 皆が寝静まっているとき、 私たちは目覚めていよう とんでもねぇ荒野の 物語を生きる 一本の野草のように #荒野 #詩 #ポエム #詩集 #poetry #poem

          私は 怒っている。 心底、燃える。 冷え切った暗い海の底でも 一番奥の おく マグマの心に近いところでは ぐつぐつと沸騰しているはずだ。 街を破壊し 食べ物を奪い 人々を瓦礫の下に埋め 灰色の石にしたとしても 忘れてはいけない、 あなた方にわたしたちが見えないから、 聞こえないからといって 私たちを消し去ることは できないと わたしたちは 冷めない熱となって 畏怖すべき 自然現象として またここに戻ってくる あなたの 肺が焼けて 呼吸できないほどに 熱く 逃げてしまい

          鳥、 悲鳴美しすぎて 草花は揺れることも 忘れてしまった 人が腐り 村が焼け 森が消えた もう一度、 美妙な 腸の深いところから来る アッという つんざき 世界が目の前で裂けては 黒い口を開けて待っている 私、待ってましたといわんばかり ジャケットを脱ぎ捨て 飛び込んだ

          April 1

          ものごとの始まり そのままおままごと おとなだけが 知らんこと ここが混濁 まったくもって、 春 #poem