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サプライチェーンを意識した特許検索・特許分析-フードロス・食品ロスを例に

今回のテーマは「サプライチェーンを意識した特許分析」です。

サプライチェーンとは、

製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売までの全体の一連の流れのこと
出所:https://www.daiwabutsuryu.co.jp/useful/words/supply-chain

です。

特許分析とサプライチェーンって何か関係あるの?と思われるかもしれませんが、現在注目を集めているSDGsのような社会課題に取り組む際は、分析対象範囲を検討する上でサプライチェーンを意識した特許分析が重要になってくると考えています。

本記事ではフードロス・食品ロスを例にして「サプライチェーンを意識した特許分析」について解説していきます。

なお今回はあくまでも考え方を中心に解説していますので、具体的なフードロス・食品ロス対策技術の検索式について作成しているわけではありませんので、ご留意ください。

1. 対象キーワードでそのまま検索してみる

通常の特許検索であれば、テーマに関連するキーワードを直接検索(予備検索)してみる、キーワードに関連する同義語などを収集するなどの方法があります。

今回のフードロス・食品ロスであれば、J-PlatPatで

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のように検索してみます。検索する際は同義語も抽出するために、文献種別[J-GLOBAL]にもチェックを入れます。

検索してみるとヒット件数は74件ありました(2021年2月25日現在)。残念ながら

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J-GLOBAL同義語では同義語がヒットしなかったので、Google検索などを行い、ウィキペディアなどもチェックしてみると、同義語として

・フードロス
・食品ロス
・食料ロス
・食品廃棄
・廃棄食品

などのキーワードが見つかります。改めてJ-PlatPatで検索してみると

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こちらの検索式で2,814件の特許・実用新案がヒットします(J-GLOBAL同義語では同義語は見つかりません)。

同義語・関連語を探すツールとしてはJSTシソーラスmapがありますので、念のためにこちらでも確認してみます。

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共出現語としてフードバンク(包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体)や食品リサイクルなどの関連キーワードが見つかります。

しかし、このような形でツールやGoogle検索などを駆使しても、キーワードや同義語を網羅することはなかなかできません。

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