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検索式だけで特許マクロ分析を行う

「知財情報を組織の力に🄬」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

今日は私が分析プロジェクトで時折使っている分析テクニック「検索式だけで特許マクロ分析」を皆様にご紹介したいと思います。

1. 特許分析のパターン

日々、特許情報をベースとした分析・コンサルティング業務に従事しているのですが、特許分析を行う際、以下のような3つのパターンに分かれます(ただし公報読込などを行わない場合)。

1)データベースから特許リスト(xlsx・CSV)をダウンロードして、MS Excelで各種統計分析
2)データベースの統計解析機能を使って統計分析
3)検索式だけで統計分析

1)についてはJ-PlatPatとMS Excelを用いた特許分析・パテントマップ作成の動画をYouTubeにアップしているので、一般的かと思います。

また2)についても、最近では1つのプラットフォームで特許検索・特許分析を行うことができるデータベース・ツール(たとえばパテントリザルトのBizCruncherなど)が普及しているので、みなさまご存じかと思います。

5月にリリースした「特許から見るSDGsグローバル企業ランキング」はPatbaseの統計解析機能を利用しています(Patbaseの統計解析機能の良い点は分析対象レコード数に上限がないところです)。

そして、今日ご紹介するのは「検索式だけで統計分析」です。

検索式で統計分析できるの?と思われるかもしれませんが、もちろん検索式だけで統計分析を行うことはできません。統計分析を行うための基礎データを検索式でそろえてしまおうというのがこの方法になります。

2. 検索式だけで統計分析の利用シーンとメリット

まず、どのような際に「検索式だけで統計分析」を用いるのか?

イーパテントでは有料の特許分析ツールを契約していないので、基本的には上述の1)データベースから特許リスト(xlsx・CSV)をダウンロードして、MS Excelで各種統計分析することがほとんどです。

分析母集団の傾向をざっくりと見たい場合は2)データベースの統計解析機能を使って統計分析を用いています。上述の「特許から見るSDGsグローバル企業ランキング」は単純なランキングや件数推移だけなので、2)で対応しました。

ただ、この方法では分析対象件数・ファミリー数が膨大な場合、ダウンロードするデータ容量が非常に大きくなってしまい、MS Excelでハンドリングするのが大変になってしまいます(とはいえ、最近は5~10万件またはファミリーのデータをダウンロードして分析することもあるのですが)。また、データベースによっては1か月あたりにダウンロードできる件数・ファミリー数に上限が設定されているところもあろうかと思います。

そんなときには「検索式だけで統計分析」の出番です。

この「検索式だけで統計分析」の良い点は、

a)リストダウンロードが不要
b)データベース上で任意の分析軸が設定可能

 の2点になります。

3. どのように検索式だけで統計分析を行うか?【基本編】

それでは、実際に検索式だけでどのように統計分析を行うか、実際の検索画面を示しながら解説していきます。

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