見出し画像

特許マクロ分析を行う際にコア特許と周辺特許に分ける-ブロックチェーンを例に-

「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

特許情報からテクノロジートレンドなどのマクロ分析を行う際に、そのテクノロジーのコア特許と、コアではないがそのテクノロジーにも応用可能な周辺特許について層別化して分析したいということはないでしょうか?

もちろん分析母集団を形成した上で1件1件特許公報を読み込んで、自らコア特許と周辺特許に分けて(もちろん以外に課題や解決手段、用途などの分類軸にも展開して)分析すれば良いのですが、分析対象件数が数千件になってしまうと読み込み作業が大変です。

そこで今回は、特許公報の読み込みを行わずに、機械的にマクロ分析を行う際にコア特許と周辺特許を分けて分析する考え方・テクニックについて紹介します。

1. コア特許と周辺特許

コア特許という言葉、人によっては様々な捉え方があるので、まずは本記事における定義を明確にしておきたいと思います。

コア特許に関する特許とは分析したいテクノロジーに関する記載が発明の名称・要約・特許請求の範囲(クレーム)に含まれている出願とします。

周辺特許というのは、分析したいテクノロジーに関する記載が発明の名称・要約・特許請求の範囲(クレーム)ではなく実施例中(全文中)に記載されている出願とします。

ブロックチェーンを例に説明しましょう。

以下の特許は発明の名称でブロックチェーンとバッチリ記載されていますので、ブロックチェーンを利用するコア特許になります。

画像1

補足として、ブロックチェーンには分散型台帳・分散だいちょなど別の表現もありますので、ブロックチェーンというキーワードだけではなくブロックチェーンに関連するキーワードが含まれていればコア特許とします。また必ずしもブロックチェーンや分散型台帳・分散台帳などのキーワードを含んでいなくても、ブロックチェーンに関するピッタリ該当の特許分類が付与されていればコア特許とします(残念ながら現時点ではブロックチェーンに関するピッタリ該当の特許分類はありません)。

一方、以下の出願は発明の名称・要約・特許請求の範囲にブロックチェーンや分散型台帳・分散台帳に関する言及はありません。

画像2

しかし、実施例を見ていくと、

画像3

のようにブロックチェーンについての記載があります。このようなブロックチェーンそのものの特許やブロックチェーンを積極的利用していない特許(ブロックチェーンを使っても良いが発明の主ポイントではない)を周辺特許と本記事では定義します。

2. コア特許・周辺特許に分けた分析母集団形成

コア特許と周辺特許に分けて分析母集団を作成する方法としては、

ここから先は

1,669字 / 8画像

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは情報収集費用として有効活用させていただきます!