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映画「ファイトクラブ」は俺を最高に熱くさせ、突き放した

俺はグイグイ物語に引き込まれていた。だがある一点を越えてから俺は物語から離れ、どこか遠くから見ていたような気がする。このモヤモヤする気持ちを言葉にするべきだと思った。これは独り言のようなものだ。だがせっかくだから聞いていけ。「ファイトクラブ」について教えてやる。

あらすじ

日々に消耗し続けるサラリーマンの主人公。ある日彼の全てといえる部屋が爆発し吹き飛ぶ。帰る家がない中、飛行機で同席し魅力的だった男タイラーに電話をかけ共に酒場で飲む。飲み終わった後外に出るとタイラーから一発殴れと言われて、殴ると殴り返される。そして互いに殴り合いになるが、終わったときスッキリしていた。タイラーに誘われ一緒に同居することになった主人公。夜は酒場の外で殴り合いをし、それを見た人々が惹かれ殴り合いに参加するようになる。そしてただ殴り合いをする会、ファイトクラブが誕生した。

勝敗に意味のない戦い

俺はファイトクラブというものにとても惹かれた。戦いに関してのルールは簡素なものだけ、シャツと靴を脱ぎ、降参か戦意喪失で終わり。勝てば賞金などはない。ただ殴り合う、それだけが目的。この勝ち負けのない殴り合いをするだけっていうのに俺はしびれた。殴りあって終わったら互いを称えて終わる。やってることは野蛮としかいいようがないのにスポーツのようなさわやかさがある。怪我もすれば血も流れるのに、参加してみたくなるワクワクさがあるのだ。格闘技に惹かれるのとまた別の魅力だ。

タイラーと主人公

ファイトクラブの存在も魅力的だが、それ以上にヤバイのがタイラーだ。ファイトクラブ誕生のキッカケであり、ファイトクラブのリーダーといえる人物。小市民的な主人公と違い、全てが破天荒、最初の一発殴れのような思いもつかないことをするし、イタズラというには度が過ぎてることもするし、セックスも強く、盗みもする。それでいて人を惹きつけ、信念を持つ。

おおよそ男がほしいと思うもの、憧れるものを全部持っているんじゃないかというぐらい魅力的だ。設定だけじゃなくてしっかり映画の演技にも反映されているから、こいつの存在にだんだんと引き込まれていく。特に殴られまくっているのに笑い続けるところは最高だった。

こんな奴と一緒にいるから当然主人公は変わっていく。肉体はファイトクラブで鍛え上げられ、タイラーの饒舌が移ったのか嫌みな上司にも反論するようになる。気が強くなったというより、社会から外れどん底へ向かっていくような破滅的な変わり方だ。だが社会に縛られず自由になっていく彼に惹かれてしまう

突き放した

物語の核心を語る気はないものの、ここからは物語より深く触れる。

勘のいい人なら、何か気付いてしまうことになるかもしれない

それでもOK?

語るぜ

俺が突き放された点だがタイラーが何者のかについてだ。ここまで人を惹きつけ行動力のある男が、ただのとくに何も背景を持たない男であるはずがない。

何者なのかちゃんと開示されたのだが俺はそれを見て、画面に近づいていた顔が遠くまで離れてしまった。離れていった俺は熱が冷め淡々とラストまでの起きる出来事を眺めていた。

この映画は面白い。だがそれでもこれはと……なってしまった。そこで物語が全部終わったように感じるほどだ。その後の戦いが全て茶番に見えるほどだ。

この映画を名作と語る人は多い。だから多くの人は正体に関しては納得したとかむしろ気に入った人が多いのではないのだろうか?正直めちゃめちゃ物語にのめり込んでいただけに、最後に他の人と違ってそこをいいと思えない自分が悔しくてならない。

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