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夢の島に眠るゴミを奪え

「熱いし、クセェし、どうにかならねぇのかよ」

「俺のせいじゃねぇから、どうにもならねぇよ」

ここが臭いのは全部、窓から見えるゴミ屋敷のせいだ。最初は、家賃が安かった上、思ったより臭くなかった。のだが夏場を考えていなかった。
閉め切ってクーラーをつけても、臭い付きの風が吹く。普段は外に避難しているが、今日はマツが来た。

「あーゆーの役所が撤去してくれねーの?」

「役所の人が話してるのは、見たことあるけど、話にならないって感じだな」

「なら早く引っ越した方が、いいんじゃねぇの?」

そうしたいのは山々だが、貯金が心もとない。しばらくはここにいなければならない。

「精神的クツーで、賠償金でも受け取れねぇかな」

賠償金とかは、よくわからないが、金をとる方法なら……

「耳を貸せ」

「なんだよ?」

「ババアがゴミの中に、大金を埋めるのを見た」

【続く】

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます