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”複業力”で自治体が「宝の持ち腐れ」状態にならない様に情報発信をサポート!
旅行で訪れた先で感じた、素敵な観光資源をたくさん持っているのに外に発信できていないことへのもったいなさ。「宝の持ち腐れ」状態にならないためにはどのような情報発信が有効なのでしょうか?
今回はインフルエンサーという言葉が誕生する前から情報発信の専門家としてご活躍されてきた染谷さんに、自治体による広報活動において大事なポイントを中心にお話を伺いました。
*プロフィール
染谷 昌利 氏/株式会社MASH 代表取締役
壱岐市:広報戦略アドバイザー
宮崎市:広報アドバイザー
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旅行で訪れた場所で感じた「宝の持ち腐れ」
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ーー情報発信の分野で独立した経緯について教えて下さい
独立する前、私は会社員として12年間働いており、当時は人事や営業などを担当していました。私が会社を辞めようと思った理由は色々あるのですが、一番の理由はリーマン・ショックが起きたことです。
日本だけではなく世界中が不況に陥る中で、自分で稼いでいく力が必要だと思い、思い切って会社を辞めて情報発信の専門家として独立しました。
ーー具体的にはどのようなことを発信していたのですか?
最初は自分の好きな車や旅行についての発信をしていました。次第に趣味の延長としてではなく、稼ぐ手段として読者が興味を持ちそうな情報発信をしていこうと思うようになりました。例を挙げると、銀座のオフィス街にある、ランチにおすすめのレストランを地図にまとめたものをブログに載せていました。
そんなとき、日本で初めて販売されたスマホ「 Xperia」の使い方をブログで解説したところ、爆発的な話題になりました。今思えばこの「新しいものをいち早く取り扱い情報発信を行ったこと」が自分の複業のキャリアを形成する上での大きな転機になったと思います。
ーー染谷さんは情報発信の専門家として壱岐市や宮崎市の広報アドバイザーに就任されましたよね。ぜひこのキッカケについて教えてください!
実はどちらの市にもコロナ前に旅行に行ったことがあり、自然やグルメを満喫しました。
私自身旅行に行くまではこんなに素敵なものに溢れているということを知りませんでした。そのときに、地域の良さを上手く発信できていないのはもったいないなと感じました。
たとえば壱岐市にはたくさんの神社があり島全体がパワースポットになっています。宮崎市は地鶏のイメージが強いかもしれませんが、実は牛も豚も名産でとても美味しかったです。また、どちらの市も海が綺麗で自然豊かでした。このように素晴らしい観光資源を持っているのに、外に向かって上手く発信できていないことに対し、漠然とどうにかしたいなという気持ちがありました。
その後しばらくして複業クラウドを知り、好奇心から求人一覧を見ていたときに壱岐市が広報分野で複数人材を募集しているのを見つけ、ご縁を感じたのですぐに応募しました。壱岐市でのプロジェクトが終わった後に宮崎市の求人も見つけたので同じ理由で応募しました。
人気を一過性なものにしないための情報発信を
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ーー広報活動を行う上で意識していることはありますか?
大きく分けて2つあります。1つ目は「とにかく外に発信すること」です。先ほども話しましたが、壱岐市や宮崎市にどれほど魅力があったとしても、多くの人はそのことを知らないと思います。いくら素敵な観光資源を持っていても、伝わらなければ持っていないのと同じです。宝の持ち腐れにならないためにも外へ発信して、知ってもらう努力をするということは大切だと思います。
2つ目は「万人受けする情報ではなくても発信すること」です。もちろん前提としてたくさんの人に興味を持ってもらえることを発信することは大切です。ただ、1%でも誰かに届く可能性があるなら情報発信をする価値があると私は考えています。万人受けしなくてもどこかの誰かに刺されば、それは意味のあった情報発信と言えると思います。
ーー地域に住む現地の人がするべき情報発信にはどのようなものがありますか?
最近では閑散としていた場所が、とあるキッカケでSNSで話題になるということがよくあります。そのキッカケは、地元で人気のレストランにテレビの取材が来たり、その地域で撮られた綺麗な写真が拡散されたりなど様々です。このようなときに、地域の人が主体となって、話題になったものを補足する情報を発信できるかどうかが重要です。
そのレストランへの行き方や話題の写真の撮り方などを発信すれば、ただ興味を持っていた人が実際に行ってみようという気持ちになるかもしれません。一時的な話題にするか人気観光地として定着するかは、地域の人が積極的にこのような情報発信をするかどうかにかかっていると思います。
ーー実際に染谷さんが参画されている壱岐市・宮崎市ではどのようなプロジェクト内容に取り組まれているのですか?
壱岐市では届けたい情報を整理して適切な発信をするための戦略を立てています。SDGsなどの先駆的な取り組みや魅力あふれる観光情報など発信すべきたくさんの情報をきちんと外に届けるためにはどうすれば良いのかを模索しました。
また、宮崎市では効果的なプロモーション活動を行うための手段の構築を行っています。宮崎牛や完熟マンゴーなどのグルメや、豊かな自然をより多くの人に知ってもらうための広報活動の体制を整えることを目的としています。
どちらの市も広報活動を行う上で大切な「外に発信すること」を課題としています。他にも同じ課題を抱えている自治体は多いでしょう。広報活動は自治体が共通して抱えている課題の一つだと思います。
自治体複業の将来と可能性
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ーー行政の方と仕事をするときに意識していることはありますか?
お互い気持ちよく仕事をする上で心がけるべきことはたくさんあります。中でも「共通言語に翻訳すること」は大切だと思います。
翻訳とは他の言語に訳すというわけではなく、専門的な言葉は使わないで誰でも分かる単語を使って話すということです。そうすることで相手との会話がスムーズになりますし、コミュニケーションを取る上でのハードルが下がります。
ーー染谷さんのブログを拝見したときに「地域のPRは現地の人が主軸となってやるべき」という言葉が印象的だったので詳しく教えてください!
たとえば自治体がPRのために、その道のスペシャリストに報酬を払って3年間広報活動を委託するとします。契約期間は心強いですが、契約が終わったあとはどうでしょうか?
その人たちに1から10まで任せきりだと契約が終わればその自治体には何も残りません。継続的に広報活動を行っていくためには、職員や地元の方が自分たちで情報発信することが大事だと私は考えています。
ーー複業に挑戦したいと思っている人に一言お願いします!
少しでも複業に興味があるなら、気軽に挑戦してみて欲しいです。最近では複業という働き方が認められる社会になりつつあります。この流れに乗って、ぜひみなさんも自治体複業に挑戦して経験値を積み自分の幅を広げてみてください。
きっとその経験は将来的にみなさんのキャリアに役立つと思います。複業に関する本を出版している者としても複業人口が増えることを願っております。
☆宮崎市の魅力がたっぷり詰まった染谷さんのブログはこちら
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取材、執筆:井原 沙樹
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