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行政の人事を複業でサポート。三宅町で行った採用戦略設計とは?


奈良に移住しもっと奈良のことを知りたい、いろいろな方と関わりたいと思い、複業で奈良県三宅町に携わりました。

そう語るのは、三宅町に人事・採用戦略アドバイザーとし参画した安田翔さん。今回はそんな安田さんに、地方に関わる理由や行政での複業経験についてお話を伺いました!

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*プロフィール

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安田 翔氏
北海道出身。大学卒業後、大手人材会社に新卒入社し、東京本社で採用・人事を5年間務める。2020年4月、大阪の法人営業部への異動をきっかけに奈良に移住。奈良には縁もゆかりもなかったが、歴史と自然が織りなす風土に愛着を抱き、地域に貢献していきたいと考えるように。現在は奈良の企業に転職し、まちづくり事業の立ち上げにも携わっている。



文化と文明、どちらに貢献したいか

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ーー三宅町の人事・採用戦略アドバイザーに応募したきっかけを教えてください。

仕事の関係で奈良に移住し、今後も奈良で時間を過ごしていくことを考えたときに、奈良市以外の土地も知りたいなと思っていました。

県外の人達から見た奈良のイメージは、東大寺や鹿といった奈良市のイメージじゃないですか。奈良市のある北の方は知られていても、南の方はあまり知られていない。けれど、移住して奈良の南の方にもユニークな文化や人がいると感じていたので、何か仕事ができるといいなと漠然と思っていました。

ちょうどそのときに、三宅町長である森田さんとも繋がりのある他自治体の知人から、今回の公募を教えてもらいました。

奈良市以外の土地と関わるきっかけにもなり、行政でのプロボノ案件というのが面白そうだなと思ったので応募しました。

ーー地方に関わり始めたいと思ったきっかけは何かあったのですか?

生まれが北海道で、大学進学を機に東京に出て、新卒では東京駅直結ビルで働いていました。地方と都会、両方の生活を味わい、東京での生活は楽しいし刺激的だけど長くは続けられないなと感じていました。

なぜ東京の生活への違和感が大きくなっていったかを考えると、「文化と文明の違い」という考え方にたどり着きました。

文化というのは、その土地にしかない場所固有のもの。だからこそ、万人に受けいれられるものではなく、特殊なものでもあります。

文明というのは、普遍化や一般化。コンビニやネットといった、どこにでもある便利なもの、それが文明です。

どちらも重要なのですが、自分がテンションが上がるのはどちらかというと文化の方だなと気づきました。そう考えたときに、僕はいろいろな文化が根付いている地方で仕事をしたいなと思い至りました。これからの時代、日本の価値を文化のある地域から作っていきたいです。


面白い人が町に集まる仕組みを作るために  

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ーー三宅町の人事戦略アドバイザーとして、どのような業務に取り組んだのですか?

森田町長から2つのオーダーがありました。採用戦略の大枠を考えるという業務と、三宅町が新設したまちづくりセンター「MiiMo」のコミュニティプロデューサーを採用するという業務の2つです。

僕は奈良に住んでいて土地勘も多少はあるので、より具体的な実働を求められる後者を担当することになりました。具体的に行ったのは、採用プロセス全体の設計です。

ターゲットを決めて、採用要件を決めて、選考プロセスを決めて、求人票に落とし込んで、実際に募集をかけるという採用選考に必要なプロセス全体を設計・実行しました。

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ーー今まで民間企業で働いてこられた安田さんですが、行政の採用に携わってみて、どう感じましたか?

挑戦したい人が入りにくくなっている行政の採用において、三宅町は面白い人が集まる仕組みを作りたいという想いをもっておられました。しかし現段階では仕組みが整えられておらず、そこが課題でした。

職員の方からのヒアリングを通して、採用を取り巻く環境が変わっていることに対し、適応ができていないのだと感じました。たとえば、三宅町にとってのいい人材の定義がされていなかったり、いい人材に来てもらうための工夫がされていなかったり。少子高齢化の時代、待ちの姿勢で良い人材が集まることはあり得ません。

しかし、採用施策のご提案に対する職員さんの対応、実行力は素晴らしかったです。行政の職員さんと仕事を進める上でやりづらさを感じることなく、気持ちよく仕事ができました

職員さんはもともと優秀な方が多いですし、そこに変化に対する柔軟性を持ち合わせれば良い仕事をしていただけるのだなと実感しました。


「学び✖️まちづくり」で活性化

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ーー今回プロジェクトに参加してみて、新たに得られたことはありますか。


森田さんや三宅町の職員の方々と一緒に働くことができたのは、すごくいい経験でした。

感染症対策などの対応を見て「日本の行政は...」と落胆していた時期でもあったのですが、三宅町の皆さんと一緒に働いたおかげで「日本にも良い自治体があるんだな」と思えたことが自分の中では良かったです。それくらい、森田さんをはじめとする職員の方々の対応力ややる気にパワーを感じました。

あとは、民間企業で培った経験が、他の場所でも通用するんだという、自信や手ごたえを得られたので良かったです!

ーー民間企業で培った経験の中で、具体的にはどのようなことが活きたなと感じましたか?

きちんと型を身に付けていたということです。基本的な採用の考え方、問題解決のスキル、人の巻き込み方、プロジェクトマネジメントといった、ベーシックな部分が活きました。

あと、これまでの経験が活きたというお話ではないのですが、奈良に在住していたことはかなりプラスになりました。三宅町に足を運んだことにより、職員の方との信頼を築くことができたので。

ーー現時点で描いている安田さんの今後のキャリアについてお聞きしたいです!

キャリアにおいては、「学び×まちづくり」をキーワードを元に活動していきたいです。人が学ぶことで成長し、それによってコミュニティが変わり、最後に町全体が変わっていくということを、僕は大事にしたいと思っているからです。

学びというのは、実践と振り返りの繰り返しのことです。実際に何か動いて、感じることがあって、それを振り返って、もう一回やってみるという、実践と振り返り。この繰り返しが学びです。

この学びを周りの人たちと協力しながらやることで、コミュニティができ、その輪が広がると結果的に町が活性化していくと思っています。


取材・編集:高岡慧

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