【後編】インサイドセールス立ち上げ運用のプロと現場マネージャーが語る〜IS組織のあるある課題とその解決策〜
この記事は、2021年12月2日にAnother works が主催したオンラインイベント「インサイドセールス立ち上げ運用のプロと現場マネージャーが語る〜IS組織のあるある課題とその解決策〜」のレポート記事後編です。
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インサイドセールス(以下IS)立ち上げ運用のプロと現場マネージャーである、藤田さん、折川さん、勝俣さんをお迎えし、インサイドセールスのあるある課題について徹底討論しました!
IS組織のあるある課題③リード数が足りない
藤田:3つ目のIS組織のあるある課題は、リード数が足りないという課題です。折川さん、勝俣さんから対策案をいただいています。まずは折川さん、いかがでしょうか。
折川:SaaSのプロダクトは、昔はホリゾンタルSaaSが多かったのですが、最近は業界特化型が増えました。それにより、そもそものターゲット度数が少ないという企業が増えています。小さい市場に対してリードが足りないですというのは、よくある話で。リードを増やそうとすると、薄いリードが増えてきてしまいます。
一方、FSの稼働が結構かさんでしまうため、前提として合意形成が大事になってきます。リードが足りなくなり、ターゲットを広げてリードを増やすと、ISやFSが対応できなくなり、もっと質の良いリードがほしいと求めます。そんなリードはないとマーケチームに言われ、またリードが足りなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
そもそも母数がないという企業は、リードの質が落ちてもきちんと対応する組織体制を整えておくべきです。趣向を凝らしたコンテンツマーケティングでせっかく獲得したリードを、IS・FSが全然対応してくれないというのは、元も子もありません。まず前提に、そこに対する理解が大事です。では、コンテンツマーケティングの話を勝俣さん、お願いします。
勝俣:サービス開始初期は、インバウンド中心でどうにか回りますよね。市場全体の上積みのリストが取れるので、営業マンのスキルが無くてもアポが取れてしまう。Web広告をだせばリードも取れるし、商談に行けば契約がとれます。しかし、だんだん市場から上積みを取り切ったところで広告をだすようになると、全然ヒットしないということはよくあります。
外部依存ではなく、量・質共に担保し続けるためには内部施策が重要です。そのため、ABMで自分達でハンドリングしながら、リードも担保していくことが大切なスタンスです。だからこそ、コンテンツマーケティングや単発の広告、イベントでのリードがストックされていくような施策を行う必要があります。
コンテンツマーケティングを行う場合、どのような意味合いのコンテンツなのかということを改めて意識していただきたいです。
よくあるのは、自社商材ド真ん中のコンテンツを作りがちになってしまうこと。その方が契約率が高いので、取りたいリードであると思うのですが、その辺は前半で取り切っているはずなんですよね。それで刺さらない層に対して、どうアプローチしていくのかということを考えるべきです。
たとえば、業界のトレンドレポートや助成金の新制度についてなど、ターゲットとしている層、特に経営層が欲しがる情報をまとめてコンテンツ化します。もちろん、自社商材にド直球ではないコンテンツに興味をもってきているので、リードが取れてもアポにならないことや、すぐには契約に繋がらないケースも出てきます。
それも受け入れてナーチャリングをしていくことが大切です。今までは数ヶ月で受注できたものを、さらに倍ぐらいの期間をかける姿勢が必要になります。
このコンテンツが欲しければ返信くださいという形で、郵送のDMないしはFAXDMをします。それに対して欲しいですというチェックと共にメールアドレスを取得し、実際のコンテンツを送ってアポをとります。
自社のサービスド直球ではないですが、個人的には事例集がカテゴリーごとに作りやすくネタも枯渇しないためオススメです。
IS組織のあるある課題④そもそもTHEMODEL(分業体制)がワークしていない
藤田:それでは4つ目のIS組織のあるある課題、そもそもTHE MODEL(分業体制)がワークしていないという課題に対する回答を見ていきましょう。折川さん、いかがでしょうか。
折川:THE MODELは優秀な仕組みだとは思いつつ、それを教科書通りに当てはめたときにうまくいくかどうかは、企業風土によっても違うと考えています。
そもそも、営業効率を上げ、売上を上げていく為に求められている最適な組織、風土とは何なのかということから考えていくことが基本になります。THE MODELを導入すればうまくいくということは、絶対に無いと思うので。特にN数やリードが少ないところは、合わないですよね。
IS組織のあるある課題⑤アウトバウンド施策がうまくいかない
藤田:それではIS組織のあるある課題5つ目「アウトバウンド施策がうまくいかない」という課題に移ります。
藤田:私からは、段階を分けるということを提案します。アウトバウンドの施策をする際、商談を取りに行くということを狙っていくわけですよね。商談を狙って取りにいけるサービスはいいのですが、そうではない場合、まずは資料送付をすることが大事です。このように段階をわけてうまくいっている事例は、結構あります。
まずは資料送付をし、その後また別のタイミングでアポイントをくださいとお願いをします。そうすると資料を見たうえでアポイントをしてくれるので、有効な商談に転換する率も高まります。 勝俣さんはいかがでしょうか?
勝俣:私からはトップセールスのナレッジを参考にすることを提案します。
トークスクリプトや基本の流れは既存であるケースが多いのですが、FSが商談の場で使っているキーフレーズや珠玉の決めセリフは、時間が経つにつれ変わってきます。そのフレーズや言葉遣いを、ISで取りいれることが大切です。
質疑応答
Q:ISをアウトソーシングする際に、コツがあれば教えてください。
藤田:どのレイヤーをアウトソーシングするかが重要だと思います。たとえば、アウトバウンドコール業務を依頼するとき、つまりプレイヤーとしての業務を依頼するときと、マネジメント業務を依頼するときは違いますよね。前者の場合は、スタートアップ、ベンチャー企業のプロジェクトを多くやっている会社がオススメです。
成果にコミットしてくれないコールセンターが非常に多い中で、ベンチャー企業のプロジェクトをたくさんやっている会社の場合、もっと成果をだしてくれとガンガン言われ慣れているので、非常に対応レベルが高くなっています。
後者のマネジメントの方でアウトソーシングを依頼したいときは、現場のISメンバーがその人に憧れるような方を張るというのが鉄則です。
折川:藤田さんにアウトバウンドに関することで質問なのですが、アウトバウンドはコール数に対して課金をするタイプと、架電の時間に対して課金をするタイプがあるかと思います。藤田さん的に、どちらがお勧めですか。
藤田:この2社を比べると、一長一短でして。僕は並行で使ったほうがいいと思っています。
決まったトークツールもわかっていない新規事業段階の場合、成果報酬型でどこかの会社に依頼をしてしまうと、急に稼働してもらえなくなるケースがあります。ちゃんとアポイントが取れればいいのですが。
成果報酬型は、案件に従事したときに、獲得単価がしっかりともらえて、アポイントをとれる場合でないと着手しなくなるんですよね。これはあるあるです。
PMFが確立できており勝ちパターンが分かっているフェーズにおいては、成果報酬型のタイプに頼んでも良いのですが、新規事業でいきなりやるとすぐに止まるケースが多いです。
なので、はじめはコール課金で電話の数にコミットすることをオススメします。
Q:分業体制の会社において、社員各々が他のメンバーの役割を相互理解することが重要だとわかりました。それを社内として深めていく為に、何か具体的に出来ることはありますか?
折川:マネージャー同士の密なコミュニケーションが大事です。FSやISだけで部会を開いていると思うのですが、上の人同士がそれぞれの役割について把握しているだけでも全然違います。
縦割りだけで進めるのではなく、横のつながりを生み出すためにも、ミーティングを強制的に設けることが有効だと思います。
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