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累計15自治体を支援!地方創生のプロフェッショナルに聞いた自治体複業の案件獲得のコツ

自治体のプロジェクトに参画される方の中には、複数の自治体でマルチに活躍される方も少なくありません。その中でも片桐さんは自治体から引っ張りだこ。累計15自治体に携わっておられます。

今回は積み重ねてきた自治体複業での経験を元に、案件獲得のポイントや自治体で複業に参画するときに大事なことについてお話を聞きました。

 *プロフィール 
株式会社ふるらぶ代表取締役。
大手百貨店の生鮮食品などの営業・バイヤー、経営企画部システム担当として業務効率化を経験。その後まちづくりタウンマネージャーとして地域活性化、商店街振興を経験。さらにIT会社取締役や食品輸入企業などの経験を通じ、現在は食・農・地方の複合的な課題解決を考えるコンサルティング業を中心に活動を行う。商品開発や流通網構築、販路開拓、ふるさと納税の事業開発を得意としている。複数自治体のアドバイザーを歴任。


自治体複業のプロフェッショナルが考える地方創生で大切なこと


平生町役場前に置かれているチェーンソーアート作品

ー地方創生に興味を持った一番最初のきっかけを教えてください

 きっかけは10年勤めた大手百貨店を辞めてすぐの頃、友人から奈良市の商店街の活性化を目的としたタウンマネージャーを募集していることを教えてもらったことです。

前職でバイヤーを担当していたときに、日本全国の食材を取り扱っていたこともあり、地方への関心があったので応募しました。そのときに地方開発の仕事に初めて関わり、その地域に住む人のために働くことにやりがいを感じました。

それから今では様々な角度から地域を支援することを目的とした会社を設立したり、伊賀市や奄美市などのアドバイザーとして活動したりしています。

ー片桐さんはこれまでたくさんの自治体のプロジェクトに参画されてきましたが、共通して自治体が抱えている課題は何かありますか?

どの自治体の職員の方も共通して「行政の業務の限界」というものを感じていました。行政は決められた予算の範囲で業務にあたります。これをやりたいけど予算の関係で出来ない、という経験をしたことがある職員の方は少なくないと思います。また、そもそもこの課題を解決するためには何をすれば良いのか分からないということもあるでしょう。

自治体が慢性的に抱えている課題を、民間の知見を用いていかに解決するかが官民連携の醍醐味であると考えています。そしてその課題を職員の方と協力して解決したときに、自治体複業の面白さを感じています。

ー自治体複業に取り組むときのポイントがあれば教えてください

行政が抱えている課題は複合的に重なりあっていることを意識することが大切です。たとえば一次産業(農業など)の生産量が減っているのは、作り手の高齢化や後継者不足などの原因が考えられます。

この課題を解決するためには、若者が移住してくれるような魅力的な町づくりや、生産効率を最大限に引き上げるためにDXを活用するなど、色んな角度からアプローチをすることができます。

このように行政の課題は原因がひとつではなく様々な原因があることを意識することで、解決のための選択肢が増えます。

過去の経験を押し付けないことが自治体複業のコツ

片桐さんが実際に訪れた伊賀市役所のお写真

ー自治体複業に精力的に取り組まれる理由を教えてください

何よりも自治体複業で得られるものが多いからです。地方創生に一個人だけで取り組むには限界があります。しかし、自治体複業という形ならば行政と共にその地域が抱える課題を解決するための行動をすることができます。これは複業ならではの経験だと思いますし、大きなやりがいを感じるポイントです。

行政と働くことで得られる新しい知見と自分が今までの経験を通して得た知見が合わさって、良い化学反応が起きることもあります。金銭的な報酬は無くても自分にとってプラスになることが多くあるので、これからもたくさんのプロジェクトに参画したいと思っています。

ー職員さんと一緒にプロジェクトを進めるときに意識しているポイントがあれば教えてください。

「職員の方から課題を抽出すること」は特に意識しています。私は今まで数多くのプロジェクトに参画してきました。そのため、似たような事例を前に取り組んだことがあるな、と思うことも時々あります。

しかし、過去の事例を持ち出してそれを当てはめるという事はしないようにしています。理由は自分のやってきたことを話してしまうと、職員が議論の中で受け身の姿勢になってしまうからです。私は職員の方から色んな話を聞き出してしっかりと課題を深掘ることが重要だと考えているので、そうならないように気を付けています。
 
また、課題の表面的な部分ではなく、その裏側にある課題にも目を向けることも大切です。そこが複業人材の腕の見せ所だと思うので、どのプロジェクトでも意識的に取り組んでいます。

ー片桐さんが自治体複業に活かすことができるご自身のスキルや経験を教えてください。

今まで色々な場所で積んできた経験や、そこで得ることのできた幅広い知識は自治体複業に大きく役立っていると思います。大手百貨店での営業やバイヤー、まちづくりタウンマネージャー、IT会社取締役や食品輸入企業と多種多様な場所で働いてきました。ですので、水産業、農林業、町づくり、都市計画、商業活性化産業、DXなどの分野には精通していると自負しています。

先ほども言った通り行政が抱えている課題は複合的に重なっています。ですが、私は様々な知識を用いてその課題を色んな視点で捉えることができます。この視点を持っている人はあまり居ないと思うので、これが私の強みであり自治体複業に活かすことができるスキルだと思っています。

複業クラウドでの経験は将来的に自分へ還元される

鹿児島県奄美市のプロジェクトの最終報告会のときのお写真

ー他にも行政と働く手段がある中でAnother worksを選ぶ理由があれば教えてください。

大きく分けて2つの理由があります。1つ目はAnother worksのプラットフォームである「複業クラウド」が同様のサービスを提供してる他の企業と比べて使いやすいからです。どの自治体がどういう背景でどんな複業人材を募集しているのかが一目で分かります。

2つ目は応募するときに記入するエントリーシートの項目が充実しているからです。エントリーシートをしっかり書くことで、本当に自分がその自治体の為に働きたいかということを見極めることができます。

特に金銭報酬が発生しない自治体複業では、そのプロジェクトにどれだけの思い入れがあるかが重要です。だからこそ、エントリーシートをしっかり記入する制度を設けることが大切だと思うので、その制度が整っているのがAnother worksの良いところだと思います。

ーエントリーシートをしっかり記載することが、自治体案件を獲得するためのポイントなのですね。最後に複業クラウドで複業に挑戦することを考えている方にメッセージをお願いします!

初めて複業に取り組むなら、まずは本業とリンクする内容のものに挑戦することをオススメします。自分のキャリアを形成していく上でどんな複業に挑戦すれば良い化学反応が起きるかを考えましょう。そして、自治体複業に参画することで自分が何を得たいのかをしっかり整理してから、複業先を決めることが重要です。

また、すでに一度複業をしたことがあり、あまり良い成果を上げることは出来なかった人がいるならぜひもう一度挑戦してみてください。複数の自治体のプロジェクトに参加してきて思ったことは、一回取り組んだくらいでいきなり成功させるのは難しいということです。

職員と複業人材との間で相性が合わないこともあるでしょう。そういうケースも考えられるので、あきらめずにもう一度挑戦して成功体験を味わって欲しいと思います。繰り返し挑戦することで自分に合った複業先や複業の仕方を模索し、キャリアを積んでいって欲しいと思います。

▼地方創生や自治体での複業に興味のある方はこちら!

▼Another worksが提供する複業クラウド for Publicについてはこちら

取材、執筆:井原 沙樹

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