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溢れ出てくるものこそコンセプト

ここ2年、出張にも出られない時期が続いていましたが、近頃は感染対策を心掛けながら少しずつ出られるようになってきました。
たかが2年ですが、やはり生で感じるという体感は何よりの刺激になるのは間違いなさそうです。

生の視覚、生の空気感、生の声、大事なことを久しく感じていなかった。

美しく切り取られた画角・・におさまっていない本当に美しいものがある。その隠れた部分にこそ色があり、人間味があってわたしは好きです。
モノとモノの並びの美しさによる演出の妙というのもある。
平面に切り取ることのできない、いわゆる「空間」の大切さを感じる。

そこに集まる人、働く人たちによって作られるのが空気感。この空気というものだけは偽ることはできないもの。たとえ笑顔が集まっていても空気はよどむこともある、逆に静かな沈黙の中からでも心地良い空気は流れる。

第一印象というビジュアルからくる不安定な先入観。空間はデザインではあるが決してそれだけではない。そこに携わる人たちと会話することでそれは確信となり、奥行きを感じる。


どこからか持ってきた内装やデザインも、ニオイだけ演出してもそれは現場を見れば全てが露呈してしまう。
外装や内装デザインはもちろん重要ですが、運営していく人間と伴っていなければそれは張りぼてで終わってしまうのです。
コンセプトは掲げるものではなく、自然と溢れ出てくるぐらいでないといけないのかもしれない。オーナー自身の伝えたい事、やりたい事、大切にしている事を擦り合わせていくことで唯一無二の空間が完成するのだろう。
建物に限らず全てのデザインのこれからの進む方向だと改めて感じました。

今回、ご縁があって訪れた博多のとある珈琲店、まさに全てがそれでした。
短い時間ではありましたが、刺激でびっしょりになりました。

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