見出し画像

今日からお前が施設長!(自己紹介)


始まりの時

 時は2016年。親が経営する老人ホームが、オープンしてまだ半年ほどしか経っていない頃。当時33歳の私は、そこの事務員として入社するため、東京から地元の大阪に帰ってきました。

そして、事件は、いきなり入社当日に起こりました。

社長「今日からお前が施設長や

私「???????」
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!(聞いてないー!)」

 この一言から、突如として私の老人ホーム施設長としての生活が幕を開けました。介護業界は未経験、しかも入社したばかりの社長の息子。

私(事務員って聞いてたのに、施設長!? えーーーーーーー!!)
これが私の率直な思いでした。

 しかも、それまでの施設長はその日に降格(役職剥奪)。その施設長は社長のお気に入りでしたが、何か逆鱗に触れる事件があったようで、そこから手のひらを返すように社長から嫌われましたようです(ザ・ブラック!ワンマン経営!)。結局、すぐに退職されていきました。

社長の息子がやってくる

皆さん、
もし、あなたの施設に、突然、社長(もしくは理事長)の息子が入社して来て、「今日から施設長になるから皆よろしく頼むで」と言われたらどう思われますか? もちろん介護も未経験、今までは普通のサラリーマンです。

 たぶん、100%の人が嫌悪感を示すと思います。 “絶対はない”世の中ですが、これは絶対だと言いきれそうです(笑)もし、「嬉しい」という人がいたら、あなたはかなりのへんてこな変わり者です(笑)

 私だったら、社長の息子ってのも嫌だし、しかも、業界未経験で入社したばかり。なんで、そいつがいきなり施設長やねん!下から始めろや!と思います(思いますし、思っていたので、事務員からやらせてもらうことになっていました)。そして、「こんな会社やばいやろ」と思って、辞めるかもしれません(笑)正直な話。

やっと自己紹介

 皆さん、はじめまして。前振りが長くなりましたが、岡本 久嗣(おかもと ひさつぐ)と申します。このように施設長になったのが、何を隠そう私でございます。いや、お恥ずかしい限りです。

 私は今までさんざん好き勝手に生きてきました。親にも色々助けてもらいましたが、何も返さず親孝行もせず。老人ホームを手伝う話もオープン前からありましたが、「親の会社に入るのは絶対に嫌!」というのが私の考えでした。それがなんで入社することに?と思うと思いますが、いずれお話するかもしれませんが、とにかくいろいろありまして、東京での生活・今後の人生に迷いが出ていた私は、「親孝行のために、大阪に帰って親の会社に入社する」と心に決めました。ただし、「事務員が辞めるからなんとかしてほしい」という親からの依頼を受ける形で「事務員でいいなら」と引き受けました。いきなり施設長は絶対に嫌だし、はじめからそういう話だったら絶対に断っていたと思います。それが、初日からこういうことになるなんて。。。

 結局、2016年4月~2024年1月までの約8年ちかくの間、住宅型有料老人ホームの施設長として勤務させていただきました。そして、今は退職し、2024年7月に法人を設立し起業する予定です。(仮:株式会社アナザーエイトとという会社)

 この約8年間は、毎日が山あり谷ありでした(いや半分以上谷かも)。しかし、なんとか勤め上げることができました。コロナという未曽有の時期も経験し、誰も正解がわからない中でタクトを振るわなければならない状況を経て、この8年が私を大きく成長させてくれ、自分自身の経営観、介護観を形成することができました。

施設長として大切にしていた考え 3点

 早速ですが、リーダーや施設長などの職の皆さんは何を考え、お仕事をされていますでしょうか?

私は施設長として次の3点を大切にしていました。
1、会社の安定した利益 2、顧客満足度(CS) 3、従業員満足度(ES)

 シンプルですが、常にこの3点がバランスよく向上するように舵をとっていました。

□従業員満足度(ES)

 働きやすい職場環境を整え、よい給与を提示し、やりがいをもち成長できる職場にすることで従業員満足度を高める。

□顧客満足度(CS)

 その従業員たちが、顧客である利用者様やそのご家族に喜んでいただけるサービスを提供し、ケアマネージャーや医療関係者、訪問看護、デイサービスなどの外部事業者も含めて関わる方たちに認めていただける、応援してもらえるような施設づくりを行う。

□会社の安定した利益

 そして、会社に安定した利益を残す。その利益は従業員や顧客に還元するための原資となる。それにより、CS、ESがより高まり、また利益も向上し安定する。この“関わる人たちがみんな嬉しい好循環”のループをつくりあげることが、私の仕事でした。

 当たり前と言えば、当たり前の3点。でも、ここに到達するまでにはだいぶ時間がかかりました。ただ、だからこそ、自分の中でこの考え方はとても芯のあるぶれない軸となっています。これまでも、おそらくこれからも。

 そして、それぞれ最高とは言えないかもしれないですが、高い水準に到達することができたと自負しています。

ヘルパーさんからのお手紙

 参考に、退職時にヘルパーさんからいただいた手紙、言葉をいくつか紹介させてください。
Nさん「他の施設では考えられない入居者様に対する思いに驚いたこともありました」
Tさん「専務と出会えて本当に良かったです。今まで仕事をしていて考えられない事いっぱいありました」
これは経験豊富で大ベテランのヘルパーさんお二人の言葉です。

また、こちらはより具体的な言葉です。
Niさん「これまでの上司は上から頭ごなしに言う、気分で考えが変わる。そんな人が殆どでした。そんな中、岡本専務は利用者さんへの関わり、話を聞く姿勢、思いやりの心、学ぶ事が多かったです。安心して話せる人柄や雰囲気を持っていて安心感を与えている事を利用者さん、その家族様、スタッフにも伝わっているのだと思います」

なぜうまくいったか

 うまくいった一番の根本は、やっぱり介護職のみんなが頑張ってくれたからです。本当にそれに尽きます。では、なぜ頑張って働いてくれたのか?

 あのような始まり方だった施設長、介護業界においてズブのド素人だった施設長と、なぜ一緒に歩んでくれたのか?それは、どんな魔法を使ったのか?(使ってないけど(笑))

 このnoteは、これからリーダーや施設長になられる介護職の方に、少しでも参考になればという思い、自分自身一区切りとしての整理・振り返りをしたいという思いから、施設長としての歩みとこれからの活動について執筆していこうと考えています。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?