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縁があれば、「シブヤデマタアイマショウ」

Bunkamuraの思い出

初めて行ったのは、なんの時だか思い出せていなくて、多分東京国際映画祭か、舞台「透明人間の蒸気」のどちらかかなと思う。
Bunkamuraにはオーチャードホールやル・シネマで映画を見たり、ザ・ミュージアムで展覧会を見る、地下にあるショップでグッズを見るなどなど、いろいろなところで自分の楽しむ時間があった。その中で一番通ったのは、間違いなくシアターコクーンです。
自分が演劇を好きになってからは、多く足を運んだ劇場の一つ。シアターコクーンは、安いコクーン席は本当に見えにくくて、結構困るんだけど、それでも5000円で好きな芝居が観劇できる魅力に負けてしまうことが多々あった(笑)
チケットの半券を残す癖があるんだけど、30数回シアターコクーンで芝居を見ていたらしい。いやお芝居好きからすると、全然少ないと思うんだけど、そのあたりは、回数勝負をしたい話ではないので、ご勘弁を。
初期の頃は、野田秀樹さんが夢の遊眠社の公演を打ち、劇団解散後の野田地図になってからも、しばらくはシアターコクーンがホームグラウンドで公演していました。その事もあってか「キル」に始まり、しばらくはコクーンで見ていることが多かったと思います。野田さんは後に池袋の東京芸術劇場の芸術監督に就任されてから、プレイハウス中心に公演を打ちます。
ケラリーノ・サンドロヴィッチさんも一時期、コクーンで公演していたと思います。プロデュース公演の「どん底」とかを見に行きました。
ここ数年はコクーンの企画公演だったり、あとは芸術監督に就任した松尾スズキさんの劇団関連の公演が、いくつか続いたと思います。「キレイ」とかも生田絵梨花さん主演のものを見に行きました。
そんないろいろなお芝居を楽しんできたシアターコクーンが、Bunkamuraという施設が、昨日で実質的な役割を終えて、5年後の再開業を目指して休館になりました。

5年後

いやあ、5年は長い。
自分、まず生きてるかな(笑)
死にたいわけではないので、健康に留意していくしかないですね。
正直、そのころに演劇を楽しんでいるのか?はよくわからないですが、年令を重ねたときに、自分が好きな世界の感覚も違うでしょう。その好みとどんな公演が打たれるか?で決まるんだと思います。

シブヤデマタアイマショウ


シブヤデマタアイマショウ


そして、そのシアターコクーンでの当面の最終公演が、芸術監督・松尾スズキさん作・演出の「シブヤデマタアイマショウ」でした。仕事もあったのですが、どうしても最終公演には足を運びたいと思って、なんとか千穐楽を確保できたので、見に行きました。
公演自体は、ミュージカル仕立ての「秋山菜津子物語」という題材のお芝居と、ミュージカル界で著名な歌い手さんが、素敵な歌声を披露してくれる二本立て。昨日のゲストは新妻聖子さんと木村達成さん。
寸劇気味に進む「秋山菜津子物語」は、御本人・秋山菜津子さんと多部未華子さんのお二人を中心に進んでいくのですが、まあ松尾スズキさんらしいふざけ方を随所に混ぜながら進んでいきました。
こういう作品での多部未華子さんはノリノリなので、大好きです。
劇場内は結構みなさん笑っていたのですが、自分はどうも松尾さんの笑いのセンスがちょっとずれて合わないので、なんとなく冷めた感じで見てしまうことが多いのですが、最終公演という部分に気持ちが負けてしまってるので、感傷的な気持ちで見てしまっていました。
最後の客席側での松尾さんの叫びは、いろいろな思いの部分だと思います。就任はしたけど、コロナでできたことも少なく、公演中止もありました。
それでも最後に、楽しくふざけながらも、一つの演劇の聖地を締めくくるのは松尾さんだけでなくいろいろなヒトにとって、感慨深いものだと思います。
野田秀樹さんやケラさんも見ていたようで、あの二幕途中のいじりを笑って見ていたという話も、演劇人同士の余興ということでしょう。
もちろんパルコ劇場をイジることも忘れていませんでしたね(でも、本当に渋谷では一人勝ちw)
笑いにはそんなに気持ちが乗れていませんでしたが、最後のVTRと松尾さんの叫びで、感情がぐっと来てしまいました。

シアターコクーン楽屋口

これから

新しいテナントビル(渋谷スクランブルスクエア)ができていたり、ヒカリエだったり、駅近くに商業施設が多くできている事もあってか、東急本館も閉館して、商業圏が変化しています。東急自体も新宿に新しいテナントビル(東急歌舞伎町タワー)を作って、もうすぐオープンですし。
シアターコクーンのあとの公演は、このビル内の劇場で続くのですが、芸術監督は松尾さんではなく、誰も置かないみたいです。
渋谷に行く用事が、パルコ劇場くらいしかないような気もしますが、でもシアターコクーンを始め、Bunkamuraという施設には、たくさん刺激ある体験と楽しい思いをさせてもらったと思います。
本当にありがとうございました。


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