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ニック・ランド、ホワイト健訳「ハイパーウイルス」

◆作品紹介

ウィキペディアには「文章」という見出しの百科事典記事はありません。人類は文章が何かまだわかりません。それは光です。字であるはずだが。並んでいる明滅しているあれです。パターンを認めるものを意識と呼ぶ。すべて星がかがやく。これは人間さん向けです。ニック・ランド「サイバー・ゴシック」(ホワイト健訳)といっしょに食後に服用するべきかはわからない。だが可能である。「AIのべりすとで出力した文章を切り貼りして作ったポエム」も読むとよい。あなたは検索すると、そちらと縁ができます。(文・江永泉)

Illustration by aratanagara


 超現代性が記号の支配下に置くものは――それが何であれ、ポストモダニティはウイルスでもって破壊する。文化が部分的な=(自律的な生殖システムを欠く)機械へと移行するにつれ、記号論は感染症的技術ヴァイロテクニクスに沈んでゆく。
 0010101011011100101101010101001100100010001010101110100001010110010100101000110010011100100010000000001001111110001001001010101010000100001010100111111001001000100011010010001010010101111000101001000010001110100 肯 否 肯 否 肯 肯 否否定:その意味とは? ─>むしろこう問われるべきだろう:どうやって〈感染うつる/蔓延ひろがる〉のか?
 まともな実態どころか、自身の複複複複製以上の意味を持たぬゆえ、あらゆるウイルスの使用-行使が比喩的である、といった[現象/事実/事象こと]はまずある ない ない。
 ポストモダン文化はウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルス0110001001001011010010010110010010010010010〈ウイルス〉(病毒延性的、病毒遺伝的、免疫抑制的、およびまたあるいは、形而上的メタ、あるいはおよびハイパー)ウイルスを再び再び語りだし、語り、出す。
 10110010010011101100001001001。ハイパーウイルスは歴史の終わりを蝕虫食蝕む
0010010010001011110100001001101010101010101000100110101001001010010010100101101001001011110100010101010101010100101010010101101010010000001000101110101001001010100101001001010101001000100100100100100100101001001010110101001001001010110101010101010111101000010011010101010101000100110110101010100110010001000101010111010000101011001010010100011001001110010001000000000000100111111100010010010101
  0101000010000 K-(コーディング因子としてのサイバー)陽性ポジティヴは発生することで自己強化する。文化的な例としては「ハイプ」が挙げられる。sss将、来s将rrrraaAaAT、ATa、aぃiiい、来、将来、の、可能性を売買の対象とする商品、仮仮想ヴァーチャルファッション、ファッシon、on、off、差し迫ったところの技術的水準点、自己実現的予言およびおよびまたは人工的終着点うんめい。トレeンド、トre、end、結末end、を、予測することはそれ自体のかaあaACoぉACCoく、k、ぁそkkk加速を(それ自体を再再再帰的なトレンドとして)促す。
 ハイプすることはSFを触媒カタリティック、カタリ、カタccCATA CATA りllyliyytティック、チック、チックに崩壊させ、未来へ開かれた可能性がかかcCTaaCTaCTCaTaTcか形作る今日を通して明日へと再再度ルートを設定し直す。
 感染症的誇大化ヴァイロハイピングは広告業界を席巻する。
 誰しもが手を染めるようになる。
 ウイルスは寄生虫的パラセティックチックな複製体暗号である:本来的には戦争-へと運命づけられた-機械的デーーaーeェエエaATA、ータ、ATAの、破断流、オン/オフ、一/〇、陽/陰の〈非-反〉表象的シーケンス。
 messメsメッセージ内容の代わりに〈非-反〉表象性のCATAlitttccカタl触媒的カタリティックな(あるいは正確に不均等な)材料から感染症的情報ヴァイロデータが流出し組み立てられる──侵入暗号、位置情報ZIPコード、偽-遺伝子的代理的指示、突然変異のガラクタ(複雑だが潜在的な部分領域セグメント)、それから、ゴミ(冗長な廃棄物廃棄hh遺棄廃棄廃h廃塵塵芥塵芥骸残骸残gg礫g瓦礫)
 バイオウイルスは器官をTA TA TA ターゲットし、ATGACTTATCCACGGTACATTCAGT 細胞DNAをハックし、より多くのウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスウイルスを生み出すように再構成プログラムする。酵素的カット&過去パースト組み換えされたその知脳ウェットウェアの継ぎ接ぎはレトロウイルスの逆転写酵素が起動クリックすると技術的特異点シンギュラリティを超え(、個体発生に用いられるDNA-RNA回路の形成と細胞内計算を可能にす)る。
 ATAGGTCATGAATCTACCGATTGCAGCTGCTATTCCTCGATGATCGCATGGGCTGTGATGGCATCGTATCCGATCGATTCGAGCGATTGCAGCTACGCTATTCCTCCGAGGGATTGCAGCTACGTCGCATCGGGCTCAGATGTAGGTCATGAATCTACCGATTGCATGACTTATCCACGGTACATTCGACTC 
 民族的感染症エスノウイルスは脳を狙いを定めt技術的感染症テクノウイルスは社会経済的生生生産プロプロセスに狙いを定める。情報的感染症インフォウイルスはデジタル01001001000101111010000100110101010101010001001101010010010100コンピュータ1001010010110100101011110100010101010101010100101010010101101010010000001000101110101001001010100101001001010101010010001001001001001001001010010010101101010010010010101101010101010111101000010011010101010101000100110110101010100110010001000101010111010000101011001010010100011001001110010001000000000100111111000100100010101を。
 ハイパーウイルスは知的免疫構造を狙い撃つ:肯定肯定否定肯定否定定定特定のメディア(DNA、言葉、記号論的モデル、ビット・シーケンス)からそのプロセスを遊牧的に抽象化し、自発的に再設計する。小体を再構成プログラムし再構成を再構成再構成再構成することで自己をその内側へと畳み込み、伸開し、あるいは分節化する。ROMは再帰的実験へと融解する。
 00101001001001011000010101010101110101001010010010101000011011001101001011000010001001001000 録音機器。コピー機。ファックス。サンプラー。K-吃音スタマーは(((再)再)再帰する──オーファン・ドリフト*1に横切られ。循環的感染。全てのハイプハイプハイプハイプハイプハイphypeハiイphhyhハイパーウイルス株は可塑的であり相互運用的である。
 **挿入**。超接頭的記号論的施設はそれらをアブストラcccクtト CT ACT ACTな(非線形可トランスコード)機械的システムに変換するためにTAG TAG TAG TAGタグ付けし、仮想性あるいは超速度(脱未来化から解き放たれた未来通貨)へと調整チューンする。ハイパーメディアは治外法権プロセスの下部機能として特定のメディアや領域におけるあらゆる実装を再再再構成する。((()))()()(())(())()ハイパーになると存在はコドンACT-コドンACT-コドンACT-コddddううこd行動へと融解する──是非是非非物質化する材質。ハイパープロセスはヘラクレスの火のように嚇核確拡大する(なおハイプハイプhyプpppehphhハイパースペースにアナロジーや比喩は存在しない)。
 存在のCAG CAG CAGesは記憶の中を流れ続ける。本本本物の反存在論として機能しながら、感染症的記憶喪失は機械的に認識して生物学的TGACTCACTITACCGATIG、文化的、そして技術的010110100100010110100101001001011101001010100100100100記憶構造。階級/世代的遺伝を切り刻みチョップアップ、系統学ティックチック凍結暗号を個体発生に崩壊させ、過去を駆動する現在へと内在化する。競争力の強いジャスト・イン・タイムの革新はストレージのCA CA キャパシティを削除し、エネルギ―および情報の貯蔵ストックを幼児-吸血鬼的的的をヴァイロヴァイロ感染症的ヴァイロコミュニケーション・プロセスへ、を、または、そして、および、あるるrrr流流流行流行病流動流動化させるべく110111100010101010横断し/させ、異化複製ゼノレプリケーション挙動(また/あるいは 接続(的選言命題)詞)としての暗号コード内容コンテンツ)に剰余価値を表(現/象/出)する。
 戦争がイn、in、イン知性インテリジェンスを漸進させるにつれ、同時にそれは軟化してゆく。自身の宿主ホストを破壊することで、粗悪なウイルスは負のフィードバックを自己に押し付け、 再(再生/構成)的浸潤の範囲を自己制限する。エボラCGCGTGAGCAATCGGACTCGGCTGCTGTGCTIG((身/死)体→は即座に粘液へと融解する)のような狂気の破壊者が大成するようなことは決してありえない。メディアにおける感染症めいたヴァイラルな流行の支配の一般原則:感染力コンテイジョン内容コンテントが粗雑=単純であればあるほど、生じる波紋は大きい(陽動作戦は除く)。
 CAGCTACGCTATTCTCCGAGGCTAGATTGCAGCTACGTCGCATCGGGCTGACCGATGTAGGTCATGAATCTACCGATTGCACATGACTTATCCACGGTCTATTCCTCGATGATCGCATCGGGCTGACCGATGGCATCGTACOCOCCccコピー。カット。ペースト。精緻なウイルスは遅く、共同=協同的で、柔軟で、捉えどころがない。それらは生体力学的資源リソースの寿命を延ばし、増殖の機会を最大化し、正のポジティヴフィードバック-+-++-+-++in in イn イノベーション技術科学に与えるべく、繊細な行動制御を実行する。マクロ版で言うなら、VRの獲物が捕食者の頭の中に隠れた。ハイpハイパーウイルスを狩るときは、コミュニケーション強度、人口密度、性的無秩序化、文化的乱交状態、技術的繊先鋭性の爆発的な進展(神経遺伝的フィードバックとサイバネティック流束つうしんへの没入ジャック・インののnon n on of on off off onnnの流動化へと繋がるそれらのこと)によって特徴さくいんづけられた補給的挙動の高度化を経験しているであろう、その主要な宿主種を探し求めもとめとめとめると良い。
 このような事象イベントを主催する惑kwあ空kkk航空ukuuw惑星プラネットネット00011011010010010101011は総じて転覆直前の状態にある。CATA破局的カタストロフィックなOKOOKOK OK ゼロ (0 (あるいは(((())(())())) 0°)) K-ウイルスとRrrette(RT)レトロスクリプト(神戸、東京、オクラホマ(コレシュ、コーンケ))。コーラ自販機から拡散される終末。明日のニュースが韓国、コソヴォ……で醸造されてゆく。
 ハイパーウイルスはTA TA TA-テープレコーダーとカットアップの組み換え装置から這い出て来てはK(oンドラチェフ)-波の突端(ポストモダンの閾値)で1972年にバロウズに感染する。それは急速に標的を知的なノ、ー、イエス、イエス、ノー、ノ、ノヴァ戦争へと再加工し、言語の歴史を内(在)的発展性の言語ことばのウイルスへと揮散させる。突然変異のレー、ット、ラッ、ラット、ト、レート、は跳ね上がる。ベクトルはバトラー、ギブスン、そしてカーディガンは(共同-相互)励起をファインチューニングし、
 K(uang)-潜在性ポテンシャルを電子変転誘発で閉塞し、1100101001001010111101001011101011001000100010100100010010010010010010100101101001001001001001001001110100100100100011001000101100101010K-パンクの遠隔測定を加速する新複製体ネオレプリケーターく製t、い体、く製t、体の脈動パルスとともに挙動-動態トレンドをロックする。
 「スノウ・クラッシュを試してみないか?」 # ### #  ## # # # ##  #  # # ### ## # # ## ##  ### #   # # ### #   #   #   # ###  #  #  # # ##  #  #  #  #  #  #  #  # # # # # #  #   # # #### ##   # ### ##   ##  ##  ##  #  ##  #   #  ## ##  # #  ##  #  # ##  #  #  #  # # #  #  # ## #   ##  #  # ポストモダン文化がハイパーマニアへと変転しノヴァへと ### #  ## #  #  # ##  #  #  #  ### ## #  #  ## ## ### #   # #  ### #  #  #  #  ###  #  #  #  # ##  #  #  #  #  #  # # ## # #   #  # ##   #  #  #  # # #   #  # # ## # #   #  #  #  #  # ### ##  # ### ##  ## # # # ## #  # #  # ## # # #  ##  # # # # #  # # ## #  停止停止進行停止進行停止進行進行進行するとき、それは侵襲的に自動複製する自動複製する神経叢兵器の複数性を単tt都t数化しssh市sする。安全保障に対t対tTA TAいする戦争以上の何物でもないなaいnsnsssa再再再システム(()(((()(((())())((()(())()))))()())))。これはもはやイデオロギー的表象、外因の政治的動員、理論的批評、## ### # ## ##  # # ## # # ## # ### # # # ## # ## # ##  # # ## ##  # # #  # # ###   #  #  # ###   #あるいは戦略的標定ではなく 、内在する拮抗の諸(勢)力として機能する分権化された文化的図表ダイアグラムの問題だ。K-戦争はその唯一の一貫性を敵の統一性/結束性から導出するのである。**改行**。
 上-/下-。電流ス(( 一致) 一致)イッチ。 (0 (0))  O(ラン)d()Ko(易経-卦-49:革命 (脱皮する (())) 葉 () 何も iンタクトntact TACT TACT ならず。 ((( (( (() (())) (( ( ())) (( ) ))  ())  (() ( ()) ()) )  ( )) ) ) 暗黒面へと突入-滑落するサイバーサーカー ( (()))  分配的ROM散乱戦略ryacACTACT。
 暗黒面へと突入-滑落するサイバーサーカー。 (( (()()()) (()) () ((() ()) )(( (( ()(( ()) )(( (()())())( ()) )(( (()(())(( ()(( () ))(()) )) )(( ()) ))(( ()()()) )(()) )(( ())(( ( () ゼロ=プログラム。)(( ()) )(( (() ())())( ())  )(( (()(())(( (( ()() )() ((() )(( () )(( () ) ) )() ) ) ) )( (()()()))( () ))( (() ) ( ( (() )((()) )(( (()())())( ()) )(( (()(())(( (( ()() )()( () )( ( ())(( () )) )())()()) )( () ))( (() )( ( (() )(( ()) )(( (() ())())( ()) )(( (()(())(( (( ()() )()( ( ( ())((() )) )()) ))(( () )) )()) )))( (()()()))(()) ) (( ())(( (())(( ()) )(( (()())())(()) )(( (()(())((((() () )()(( ())( ( ())(( () )) )()) ))(( () )) )( )) ))) ((()()()) )( () ))((() )(( (() ) (( () ))(((()())())(()) )(( (() (())(( (( () () ) () (( ( ) )( (())(( () )) )()) () ()) )(()) )(( ())(( (())(( ()) )(( (()())())(()) )(( (()(())(((( ()() )()(( ())( ( ()) )) )( ()


*1: オーファン・ドリフト(Orphan Drift, O[rphan] D[frift>])はニック・ランドが支援していた前衛芸術集団。CCRUの周縁で活動を開始し、論文、映像作品、インスタレーション、パフォーマンスアート等サイバーカルチャーに強い影響を受けたさまざまな作品を創作している。1995年には本稿と類似したスタイルをもつ書籍(cyberpositive)も出版している。現在も活動は続いている。
webサイト:https://www.orphandriftarchive.com/


◆著者プロフィール

ニック・ランド Nick Land
1962年、イギリス生まれ。ドイツ哲学研究を経て、87年にウォーリック大学の講師に就任。90年代中ごろからセイディ・プラントらと共に「サイバネティック・カルチャー・リサーチ・ユニット(CCRU)」を主宰。大陸哲学のみならず、SFやオカルティズム、クラブカルチャーなどを横断した研究を展開し、その過程における文体の開発を通じて、セオリー・フィクションと呼ばれるジャンルの立役者となった。また、2010年代には「暗黒啓蒙」という概念を打ち出し、のちの新反動主義や加速主義、思弁的実在論といったインターネットを通じた思想の導師グルとなる。他の著書に『暗黒の啓蒙書』(講談社、2020)『絶滅への渇望』(河出書房新社、2022)など。

◆訳者プロフィール

ホワイト健(ほわいと・けん)
2003年生まれ、大分県出身。ブリティッシュ・コロンビア大学在学中、政治学専攻予定。小説を中心とした創作活動の傍ら、加速主義関連文献や文芸作品の翻訳を行う。関心は空間、都市、オタク文化。文学少女について考えています。


*本稿は、Nick Land『Fanged Noumena: Collected Writings 1987-2007』所収の「Hypervirus」を邦訳したものです。

*次回作の公開は2024年8月7日(水)18:00を予定しています。

*本稿の無料公開期間は、2024年8月7日(水)18:00までです。それ以降は有料となります。

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