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櫻井天上火「ぎしのだづま」

◆作品紹介

ビルの風、バリバリに冷えきって、ヒュンヒュンヒュンとオレを切り裂く感じ……。それはまるで鉄筋風ビルカゼ、櫻井さんの句との初邂逅……。あの頃のオレは……やれやれ、俳句と短歌の違いも知らなかったんだけど……。あれ以来、好きな俳人って聞かれたら「櫻井天上火」って言いたくてしょうがなくなっちまったんだ。テラカッケーじゃん。
櫻井さん、マジでピエト・モンドリアン、テラ好きすぎでしょ。しかも、ニューヨークの都市画トシガバリの「ブロードウェイ・ブギウギ」。うぉんうぉん、チョロチョロと有機的な命を感じる作品だとオレも思う。コンクリート質感マチエール、櫻井さんの句も同じ。脈打って、シャバシャバと流れる。やれやれ、そのゲキ硬い生を目の前にしたら、「こいつ、オレが生かさなきゃダメだろ」と、デザイナーズ・エゴ、チョー抑えられなくなっちゃうんだ。(編・永良新)

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櫻井天上火(さくらい・てんじょうか)
1998年、北海道十勝生。法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻修了・修士(哲学)。第六回芝不器男俳句新人賞城戸朱里奨励賞受賞。現在、京都の学術出版社で編集の仕事をしている。名前の由来は、プロメテウスの神話から。
俳句短歌誌『We』16号(2023年9月発行)に小論と俳句作品が掲載されます。よろしくお願いします。

*次回作の公開は2023年9月6日(水)18:00を予定しています。

*本稿の無料公開期間は、2023年9月6日(水)18:00までです。それ以降は有料となります。

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