隔離とNetflixと裏側の世界と
コロナの隔離は難しい
子供の頃、風邪で学校を休んだ時、大義名分があって堂々と休める嬉しさと、熱があったり頭が痛かったりして辛い気持ちと、両方を抱えながら家で過ごしていました。私の子供の頃の80年代はまだまだビデオなども普及しておらず、平日の昼間にアニメなどもやっていないので、見るものと言えば「教育テレビ」今で言う「Eテレ」でした。「教育テレビ」は子供向けの理科や社会の番組や工作番組の「できるかな」そして「プリンプリン物語」「ひげよさらば」「三国志」などの人形劇などがやっていて、風邪で休むと一日それを見続けていたものです。
そして時が経ち今回は風邪なんて生優しいものではなく、ついに新型コロナに感染してしまいました。コロナが蔓延しはじめて3年、少し社会活動や経済活動も復活しはじめて、自分としても少し気が緩んでいたところに、がっつりコロナにかかりました。隔離の間、妻や子供達や義理の父や母にたくさんサポートしてもらって本当に感謝しています。
しかし、結局家族に移してしまったのが本当に申し訳なかった。いろいろ調べたところ、家庭内で隔離して家族に移すのを防ぐのはほぼ不可能ということがわかりました。個人調べなので正確ではないかもしれませんが、いくつかのサイトで同じような事が書いていました。
●コロナは感染してから、症状がでるまでの無症状の時期が一番人に移しやすい。
●逆に、熱が出た、喉が痛いなどの症状が出た時には、移すリスクはかなり下がっているみたい。
●隔離期間の10日間が過ぎたら人に移すリスクは急激に落ちる。
でも、症状が出ていない時期は普通に生活しているので、家族とは一緒に食事もするしマスク無しで話したりもしますよね。だから、家庭内で一人でも症状が出たら、その前にはすでに家族全員に移ってているみたいなのです。なので、ぜひ少しの不調でも無理せず休んでください。人との接触をさけることが大事だと思いました。
私個人の症状はとにかく喉が焼けるように痛くて水も飲めない状態で、38~39度の高熱が出続けました。症状が出てからPCR検査を受けて結果が出るまでに、病院の休診日なども重なり私の場合は5日間とけっこう時間がかかりました。コロナとわかるまでは、タミフルなどの治療薬はもらえなかったので、解熱剤や一般的な風邪薬を飲んで過ごしていました。しかし、解熱剤を飲んで37度台に下がってもまたすぐに38や39度に上がってしまうというのが続きました。
インフルエンザの場合は病院に行って検査したら、その場で陽性がわかりますよね。その後すぐに専用の薬を飲む事ができるのですが、コロナの場合はとにかく陽性とわかるまでに時間がものすごくかかりました。テレビなど見ていると、もっと重症の方々がいらっしゃるので、私などは軽い方だったのかもしれませんが、それでもインフルエンザよりもはるかにしんどい体験でした。
できたことができなくなる
コロナにかかって、自分の好きな事で最初にできなくなるのは本を読む事でした。隔離期間は10日間もあり時間はあるので、何か読もうとしましたが文字が全然頭に入ってこないんです。本を読むのが苦手な人がいますが、文字を読んで風景や自分物をイメージするというのは、脳の働きが元気じゃないとできない事だとわかりました。次にできなくなったのが音楽を聴く事。いろんな音に敏感になって窓の外のセミの鳴き声や、車の音もグワングワン頭に響いて、音楽を聴くどころじゃなかったです。
発達障害の症状の一つで、音に敏感だったり、文字が頭に入ってこないなどの症状がありますが、コロナで一時的に頭や体バランスが崩れたせいで、その感覚が少し感じたのかもしれません。日常的にこの状態なら、苦労も多いだろうなと思いました。
それで、なんとかできたのが映像を見ること。なのでNetflixで『ストレンジャー・シングス』などをイッキ見していました。でも字幕だとやはり文字が頭に入ってこないので、すべて吹き替えで見ていました。
『ストレンジャー・シングス』は80年代のアメリカの小さな町を舞台に、超能力をもつ少女や超常現象、そして町の闇の“裏側の世界”が描かれます。80年代はまさに僕が小学生だった頃。『グーニーズ』や『E.T』『スタンドバイミー』『AKIRA』などのオマージュがあって、小学生の頃に一気に気持ちがタイムスリップしました。熱でボーっとした頭で『ストレンジャー・シングス』を見ていると、風邪で学校を休んで「教育テレビ」を一日中見ていた事も思い出しました。そしてこの作品を見ているうちに、子供の頃へのタイムスリップ感と超能力や超常現象のドキドキ感、コロナで寝たり起きたりが続き夢か現実かがわからなくなり一瞬“裏側の世界”が見えたような気がしました。
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