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桐灰カイロ

明日は仕事。寝なくちゃいけないのだけれど、ちょっと書かずには居られなかった。

今日桐灰のカイロをポケットに忍ばせながら1日を過ごした。まだ暖かいカイロを捨てるのは勿体無くて、布団の足元に入れておいた。そして今、その布団に足を入れたところ。カイロを入れておいたことなんてすっかり忘れていたから、単純に暖かくて幸せな気持ちになった。

そういや、祖母がよくやってくれていた。祖母は泊まりに行くとベッドを私に貸してくれて、自分は床に布団を引いて眠る。頭元にはいつもラジオを置いて、ラジオを聴きながら眠る。朝は早く起きて、出汁をとって、白味噌のお味噌汁を用意してくれる。私が起きる頃に合わせてお湯を使えるようにガスをつけておいてくれる。仏壇にご飯を添えるまでは決して自分のご飯に手をつけない。寒くないのかと沢山心配して、温くしなさいといつも言っている。そんな祖母は冬に泊まりに行くと必ず布団の足元にカイロを貼っておいてくれていた。それを急に思い出してしまった。急に恋しくなってしまった。
認知症と診断された今も、ラジオを大切にしている。私がいることを合間合間に忘れて、すぐに切ってしまうけれど、朝になるとガスをつけておいてくれる。お味噌汁は作れないけれど、仏壇にご飯を添えることを忘れない。今でも寒くないかと沢山心配して、炬燵に誘ってくれる。
変わらない祖母も変わってしまった祖母もどちらもだいすきだ。

この話をしたくて、ただそれだけ。

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