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数字が見えると、次の行動もみえてくる。「数値化の鬼」と「KPIマネジメント」

自分の成果の数字ではなく、組織・会社としての数字を考える。
しかし、成果の数字を出せないと評価につながらない。

どの数字を改善していくか、どんな行動をすればいいか?
次の方向性を考える時に手にとった「数値化の鬼」

そこから、具体的なKPIマネジメントを知りたいと思って購入した
「KPIマネジメント」

二冊を連続して読むことで繋がりや、理解が深まったと思う。

本としての問いは、下記のように重きを置いている箇所が違う。
「数値化の鬼」→結果・成果を出す為には?
「KPIマネジメント」→結果・成果を出してもらう為には?

その為、目標数字を出す側ではなくても結果・成果を最大化する方法を知りたいなら「数値化の鬼」
目標数字を出すことで結果・成果を最大化する方法を知りたいなら「KPIマネジメント」とも言いかえられる

私自身の読み方としては、「数値化の鬼」で、まずは数字に対する心構えがつくれた。
その後、「KPIマネジメント」を読むことで納得感が強く、さっそく取り入れたい。という気持ちで読み進めることが出来た。

数値化の鬼

まずは、自分自身の行動・行動量の把握から始めることを筆者は勧めている。
何故なら、行動量が少ないのか、方向性が間違っているのか、なぜ行動できないのか、測定を行う事でしか把握できないから。
PDCAで言うところの、Dの回数・やり方を把握する事を最初にすべき。と
数値化を行い、評価・不足している数字を受け入れる。

p51
「自分の一日の行動を数字で考える」
p60
「数値化された評価を受け入れる」「自分の不足を数字として受け入れる」

特に参考になったのは、Pに時間をかけないという所。
普段はPに重きを置いているが、行動する前のPは、まずは仮予定程度に考えておき、Dを行っていく中で、より現実的・具体性を持ったPにしていく事が大事。と言うこと。

p80
識学においては、「P」に時間をかけないことが重要としています。「PDCA」の「P」は計画ですが、これに時間をかけるのはムダです。
人間は、「計画を立てるとき」がもっともテンションが上がります。
旅行の予定を考えたり、お小遣いの使い道を考えたり、夏休みの宿題の予定を考えたり……。
まだ何も実行していないときは、気持ちだけが上がります。
いわゆる「とらぬタヌキの皮算用」ですが、ここに落とし穴があります。
それは、計画を立てるだけで安心してしまうことです。

前々ページの例で大事なのは、その最初の日に本当に20ページを読むことです。
それなのに、計画を立てただけで満足し、「明日から頑張ろう」と思う人が多すぎます。
計画は、実際に行動が伴って初めて意味を持ちます。
計画での数字と、実際にやってみた数字。それを比較し、素早く不足を埋めるアクションに移ることが何より大事です。

そして、数値化を通して「仕事ができる人」になる手順として、下記のようなステップが提示されていた。

p61
ステップ1「行動量」を増やす(第1章)
     →自分の行動の数を正確に数えること
ステップ2「確率」のワナに気をつける(第2章)
     →割り算による安心感のワナに気をつけること
ステップ3「変数」を見つける(第3章)
     →仕事の中で何に集中するかを考えること
ステップ4「真の変数」に絞る(第4章)
     →ムダな変数を削り、さらに重要な変数に絞り込むこと
ステップ5「長い期間」から逆算する(第5章)
     →短期的と長期的、2つの軸で物事を見ること

行動量を測定し増やす、行動したアウトプットを最大化する変数を見つける
これは次に紹介する書籍「KPIマネジメント」で言うところの、CSF(最重要プロセス)にあたると思った。

さらに変数(CSF)を最適化し、長期思考で考える。長期思考に関しては、損して得取れと同じような意味で、短期的には損するが、長期的にみてプラスになるものの方がメリットが大きくなる事が多い事を指しており

また、継続性がない事、水平的な転用ができない事に時間・金銭的なリソースを割くべきではないという事にもつながっていると感じた。
これは「水くみのエドの話」と同じように、仕事やプライベートでも常に意識して損はないと思っている。

全体を通して、実例を交えながら数字を通して考えることの重要性が書かれており、感情・言葉ではなく数字をベースに物事を考えよう。と、そう思える一冊でした。

KPIマネジメント

p20
KPIとは「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの。
p20
最大のポイントは、事業をただ「数字」で見るだけではなく、事業成功の「鍵」を「数値目標」として見ることです。
p71
KPIは「信号」だから「一つ」
ちなみに、たくさんの指標を管理していることをいけないとか、間違っていると言っているのではありません。それはKPIマネジメントではなく、単なるIndicatorマネジメント。つまり、数値管理をしているだけだと言っているのです。
KPIマネジメントはもっとも重要な数値だけに焦点を絞ってマネジメントしようということなのです。

KPI(Key Performance Indicator)とは、事業成功・事業目標を達成する為に、追っていくべき数字。
それも複数ではなく、一つ。
シンプルで同じKPIを共有するメンバーがすぐに理解、追っていく・コントロールできる数字である必要がある。
現場の努力で動かせない数字はKPIではない。
そして、KPIは最終目標ではなく最終目標に到達するための数字であるということ。

最終的な目標となる数字は、KGI(Key Goal Indicator)
KGIは最終的に期末に到達したい最も重要な数値目標のこと。
数ページ読み進めるだけで、言葉の理解が深まりKPIに関する全体像が少しづつ把握できるようになってくる。

p26
CSFはCritical Success Factorの略です。直訳すると「重要成功要因」。
事業成功のポイントを表しています。また、プロセスなので、現場がコントロールできるものである必要があります。現場の努力で変化するプロセスであることは必須です。そのプロセスの中で、最も重要なプロセスを1つ選択します。

CSF(Critical Success Factor)はKPIの数値に対して、具体的な行動。
例えば、提案数を増やす、訪問回数を増やす、サイトの更新頻度、などが挙げられる。
このCSFの回数や結果がKPIの数字になる。
まとめると下記の図表の関係性になっている。

私の文章では不明瞭な部分もあるかと思いますが、書籍の中ではKPIマネジメントにおいて重要なワードと、その関係性が丁寧に記述されておりました。

p196
ステップ① KGIの確認   (例)利益○○億円がKGI
ステップ② ギャップの確認 「現在」と「KGI」のギャップ
ステップ③ プロセスの確認 モデル化
ステップ④ 絞り込み    CSF(最重要プロセス)の設定
ステップ⑤ 目標設定    KPIの目標数値は○○
ステップ⑥ 運用性の確認  整合性•安定性・単純性の確認
ステップ⑦ 対策の事前検討 KPI悪化時の対策と有効性の事前検討
ステップ⑧ コンセンサス  関係者との合意
ステップ⑨ 運用
ステップ⑩ 継続的に改善

実際にKPIマネジメントを行っていく手順として重要なのは、④絞り込み、と⑦対策の事前検討であると感じた。

④絞り込みでは、KGI達成の為に必要な要素を設定する。CSFは何か?という事を明らかにする箇所なのですが、このCSFの設定が間違っているとKGIが達成できないどころか、会社のモチベーションも左右する。と思いました。

⑦対策の事前検討はKPIマネジメントの2つ目の肝だなと。理由としては、上記の絞り込みで間違ったCSF、もしくは現実と剥離したKPIを設定してしまった場合でも、とりあえず今期はやりきろう!といった。PDCAで言うところのサイクルが遅い状態になる事を避ける意味合いが強いと思う。
全社的にKPIを設定した場合は、その数字を動かすことは重くなってしまうことが容易に想像できるが、CSF・KPIそのものが間違っている。という前提を最後まで放棄しないというのは改めて大切だなと思う。

二冊を読み終えて

私は、「数値化の鬼」「KPIマネジメント」と順番に読んだが、逆でも、どちらかでもまったく問題ないと思います。
どちらかというと実務寄りなのは「KPIマネジメント」になるかな。という印象です。
数字で目標設定をすることに悩んだ方には「KPIマネジメント」がとっても刺さると思います。

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