朝の連続短編小説「ひこぼしくん」⑤
もうすぐ、七夕ですね✨(七夕まで残り13日)
高校生の頃は、ガストのポテトとドリンクバーだけで一夜を過ごしていたのですが、最近はなんだかーすぐ起きちゃって🥴
理生です、おはようございます😊
朝の連続短編小説「ひこぼしくん」⑤
オレの前に、ラムちゃんがいる。それだけで、オレはもう満足して帰りたい気分になっていた。
「わしの一人娘のおりひめ」
天帝の爺さんは、ガストのポテトをつまみながら、ほんとうに簡単な紹介をした。
「はじめまして、おりひめです」
おりひめさんは、やや左側に顔を傾けてにこっと笑った。
やばい、タイプで可愛すぎて、彼女のぱっちりした眼を直視することが出来ない。
「こちらこそ、はじめまして。ひこぼしです」
恥ずかしさのあまり頭を掻きながら、ひきつった笑いで返してしまった。
情けない。これでも、人並みに恋愛経験はあったのだが、彼女の笑顔に全て打ち壊された気分である。
「じゃあ、わしはポテトも食べ終わったんで、後は若いもんで」
そう言うと、爺さんはお皿に残ったポテトを全部、口に入れてさっと席を立ってしまった。
実に早い。しかし、ポテトは残していっても良かったのではないかとも思う。
「私の父が強引ですみません。注文は、何にします?」
ラムちゃん、もとい、おりひめさんが注文する電子パッドを持ちながら、聞いてきた。
「えーと、とりあえず、ドリンクバーで」
本当はとりあえず生でと言いたかったのだが、さすがに初めてお会いしてお酒は良くないだろう。そもそも、軽トラックでここまで来ているのだ。
飲酒運転になってしまうところだった。ガストで良かった。
「じゃあ、ドリンクバー注文しておきますね」
そう言って、彼女はドリンクバーを綺麗な指先でタップをした。
さながら、指先で私の恋心を綴っているかのように見えた。
「ありがとうございます」
オレはそう言って、とりあえずドリンクを入れに向った。
会話から逃げたのではない。注文してくれたのに、ドリンクを入れないのはよくないと思ったからだ。
とりあえず、何を話そうかと考えながら、コーラを入れた。すでに私の口はカラカラだ。
炭酸で喉を潤したいと思った。
こういう時、モテる男は相手の話をさり気なく聞き出したり、女性のドリンクを入れに行ったり、横に座って肩を抱いたり…は、やり過ぎか。
***
そんなどうでもいい事を考えて、席に戻ってきてしまった。
淡ピンクのカーディガンがいい。そして、その下に来ている白と青のロゴが入っているTシャツも、活発そうな感じがしていい。
私が次の言葉を紡げなかった沈黙を、おりひめさんがすぐに破ってくれた。
「私、お見合いなんて、初めてなので、とても緊張していましたけど、優しそうな人そうで良かったです」
お世辞だな、うん、これはお世辞だ。まだ会ってすぐなのに、優しいかどうかなんて判断はできないからだ。
「オレ、いえ、僕も、お見合いなんてしたことがなくて。しかも、ガストで顔合わせってすみません。しかも、こんな服装で」
オレは、下を向いて自分のつなぎを見ながら言った。
「いえいえ、お仕事、頑張っている人は素敵です。私もこんな普段着ですみません。
私は、家業を継いで、ずっと仕事ばかりしているので、こうやって男の人とお話するのも久しぶりで、どうしたらいいか分からなくて…」
「何の家業を継がれたんですか?」
ちょうど、話題を振ってくれたので、すかさず聞いてみた。
そういや天帝の爺さんがやっていた仕事、知らなかったな。
「えーと、天の川コーポレート合同会社っていう私の家族だけでやっている小さな会社なんですけれど、服を作っているんです。先日、ワールド・ブルーという大きな会社さんから、Tシャツの大量受注をいただけたので、それにかかりっきりなんですよ」
そう言って、はにかみながら、彼女はカーディガンの下に来ているWORLD BLUEというロゴの入ったTシャツを指で刺した。
オレには、Tシャツのロゴなんかより、彼女の揺れる豊満な胸にしか目がいかなかった。
Tシャツの下にうっすらと少し透けるブラのせいで、私のコーラはすでに空になってしまっていた。
ん、揺れる豊満な胸??
明日も続けるんだー
※皆様の記事を物語中に勝手に使用させて頂いており申し訳ございません。
ご不快の場合、即刻記事修正致しますので、ご指摘ください🙇
今日は秋さんの名言とともに、炭酸の賑やかし帯です🍹
「指先で恋心をつづっている」スキ!!💖
ワールドブルー物語も出しちゃった🤭
マグカップも作っちゃったみたいなんですよね~🤭
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