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私的本屋大賞2020


やっぱりこれでした。

「たゆたえども沈まず」原田マハ

辛い現実と悲しい結末としか知らないゴッホとその弟テオの人生と史実のその先を見せてもらった気分になりました。

彼らにもちゃんと、楽しいことや嬉しいことやどうしようもないこともあったりしたんだと思って、それがまた人間臭くて、あんなにすごい絵をかくのに、なんだかとっても魅力的で親しみすら覚えました。改めてゴッホもテオも登場人物みんな愛しく思えたのでこの物語がとても好きになりました。

きっとゴッホの絵に惹かれるひとはとても多いと思うんだけど(私もその1人です)
絵や史実をみただけであぁ哀しい人なんだな…と思うのはまた違う気がしたし、でも現実はもっともっと悲しくて辛い人生だったかも知れないとも思ってわけわかんなくなったけど、やっぱり私はゴッホもテオもそれなりに楽しいこともあったよ、と思える人生だったら嬉しいなと思いました(誰目線かって)

ただ、妄想と空想では終わらなくて、物語としての伏線もちゃんとあって、特に半分すぎたくらいからは寝るのも忘れるくらい没頭して読んじゃった。特に浮世絵商人の日本人が活躍するから日本人としては誇らしいし、物語の中でテオたちと仲良くしているのをみると、また親しみやすくなっちゃうんだよなあ。すごいなあ。

なにより 原田マハを初めて知った「本日はお日柄もよく」とは全然印象がちがって、マハさんがとっても美術や芸術が好きなのが伝わってきてとても好きになりました。
そしてマハさんの美術小説にはまるのです…。

「たゆたえども沈まず」タイトルがまた最高なんだなあこれが何が沈まないかってそりゃあ読んだらわかるのそして星月夜の解釈が最高なんですよ。

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