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アマガエルの自業自得

 「ものごとには全て原因があり、縁が作用して結果が生まれる」というお釈迦様の「縁起の法則」の教えは実にシンプルで明快だとアマガエルが言う。


 この世に存在するすべてのものごとは、原因(因)があって、それが何らかの条件(縁)に合って、さまざまな結果(果)として現われる。
 「因」は結果を生じさせる直接の原因なんだけど、それは主に「業(ごう)=カルマ」とも呼ばれる自分自身の行動。
 そして、もう一つの大きな要因は「縁」。こちらは人との出会いや出来事などの外的であくまで間接的なもの。いうなれば研究室で実験をするときに使う化学変化を引き起こすための触媒のようなものだと考えてもいい。
 この世の中のあらゆる存在が互いに作用し合って「因」や「縁」となり、それら全ての関係性の結果として「果」が生じる。そしてその「果」が次の「因」を生むこととなり、その「因」が他の「縁」を引き寄せる…こうして世界のあらゆることは関係しあっているのさ。
 だから、最初から全てが決定している「運命」というものがあるのではなくて、この「縁起の法則」に従って人生は展開されていくんだよ。

 でもね。人間は自分が一番かわいい自分ファーストな生き物だから、今自分に起こってる不幸な出来事を自分のした行動=因のせいだとなかなか認められない。つい他人=縁のせいにしちゃうんだよな。
 「あの時、アイツにばったり出会ってなかったら、今頃こんなことにはなってなかったのに。」って思ったことはないかい?それがまさにこれ。

 ほら「自業自得」って言葉があるよね?自分がしたことの報いを自分の身に受けるっていう意味なんだけど、「だから、自分の身に起こったことを他人のせいにしちゃいけないよ」というニュアンスも含まれるわけさ。縁はあくまで間接的な要因であって、決して直接的な原因ではないんだよね。

そうか、今自分に起こってることは全部自分のせいなのか…と落ち込むマガエル本人。www

 じゃあ、たとえば突然思わぬ病気になったとする。当然なぜ私がこんな病気になったんだろう?と自問自答するよね。何か私が悪いことをしたんだろうか?いやいや、いつも人一倍健康には気をつけてたのに、何で私がこの病気になるの?と。

 うん、こういうのまで自業自得だと言われたらたまらないよね。
 実はこの場合の「因」は自分の行動じゃなくて、「自分が生きていること」そのものなのさ。生きているということは私たちの肉体はやがて老い、病を得ていずれいつか必ず滅ぶ。だから生きていることそのものが「因」で、それが滅ぶのは「果」。いつどんな病気になるかは「縁」なんだよ。その結果、あえなく人生を終える人もいるし、九死に一生を得て再び新たな人生を歩む人もいる。
 そういう大きな病気を経験した人は、その後の生き方そのものが大きく変わることが多い。何より健康で平穏な毎日のありがたさ、何気なく過ぎるその一瞬一瞬がかけがえのないものであることを身に染みて実感しているから、あらゆる事象に「おかげさまで」と感謝の気持ちが溢れて、すごく充実した毎日を送る人が多いのさ。

 病気はできたら来て欲しくない悪縁。だけど、「悪縁も縁のうち」って言うでしょ?それをどう受け止めてどう行動するか。自分次第でその果は変わるんだよ。
 なかなかできないことだけど、もし思わぬ事態になったとしても焦らない。ほら「あきらめる」って言葉があるじゃない?今の日本語だとすごくネガティブに使われている言葉だけど、これの本来の意味は「物事の本質を顕かに見る」と言うことなんだよね。
 焦るなっていう方が無理なら、焦った気持ちのままで行動しない。一旦落ち着いて、自分の状態を顕かに見て、よく考えてから行動すること。そうしないとその行動が「因」となって良くも悪くも次の「果」を生むからね。



 「自業自得」はあんまりいい意味で使われない。自分がしたことが報いとなって自分の身に返ってくるんだろ?だけど、それを逆説的に捉えるなら、今の自分の行動を少しいい方向に変えれば、きっと未来もいいように変わるってことさ。

 たとえば人間の行動の80%以上は無意識に行っているルーティーンだよ。だから、自分が毎日習慣的に行っているルーティーンを意識的に変えると、シンプルに自分の未来は変わるはずさ。

 とりあえず、今やってる身体に悪そうなことを全部やめたらどうだい?何も自分から進んで病気になる必要はないぞ。
 毎晩夜更かしして、夜中にラーメン?コーヒーと酒が手放せん?おまけに運動が大嫌いで、走ることはおろか歩くことすらせん?
 それをさ、そのままずっと続けていたら未来の自分に何が起こるか想像してみろよ?それこそ「因果応報」と言うんだろ?
 その時になって後悔してももう遅い。自分のまいた種は、いつかは自分でその報いを刈り取らなくちゃならないんだぞ。

 はい、わかった。

 よーくわかりました。
 だけど、どうしても欲に負けてできません。


 あー。それをね、「煩悩具足の凡夫」と呼ぶんだよ。
 「体に悪いものほどうまい」って言うもんな。w


 「わかっちゃいるけどやめられねぇ~!」と歌うクレージーキャッツ植木等さんのスーダラ節は人間の本質をついてるねえ。(^^)

 ア ホレ スイスイ スーダララッタ スラスラ スイスイスイ~ www




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