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午前2時。窓の外からこんばんは

 先日のこと。最近なぜか夜寝付けないことが時々あって、その日も仕方なく2階にある仕事部屋でウイスキー片手にPCの画面を眺めながら夜更かしをしておりました。
 私のPCにはかなり大きなディスプレイを2台並べて接続してありまして、そのすぐ右横の壁に小さな窓があります。その窓は引き戸じゃなくて観音開きになっているのですが、網戸だけを閉めてほぼ年中換気のために開けてあるわけです。
 で、つまらぬYou Tubeの動画をボーッと観ていて、「今何時だろ?」と思って窓の上にかけてある時計を見ようと、そちらへふと視線を移して驚愕しました。

何とっ!窓のすぐ外に顔が浮かんでいて、こちらをじっと見ているではありませんかっ!


 もう一度申しますが、ここは2階です。しかも、間に網戸だけを挟んでその顔と私との距離は1mほどしかありません。
 私は普段から滅多なことでは驚かない自信があるのですが、このときばかりは思わず「うぉっ!」と声が漏れました。

何だ?何だ?何だ?何だ?とうとう念願の幽霊との初対面かーっ!👻👻👻

と、私がパニクって立ち上がっても、顔はまだそこに動かずにいます。しかもそこにいるだけじゃなくて、丸くて大きな目が興味深げに部屋の中をジロジロと見回しているんです。

 勇気を振り絞って網戸を挟んで顔との距離50cm。好奇心に背中をドンッと押されてどつかれて、恐る恐る近づいてマジマジと見てみたら!

アライグマのラスカル君じゃあーりませんか!

 彼はどうにかして部屋の中へ入れないかと真面目くさった顔で思案している最中でした。窓から漏れる暖房の温風と光に誘われてやってきたのでしょうか?その光がスポットライトのように顔だけに当たって、闇夜に浮かんで見えていたんですね。ああ怖かった。w

「なんや!幽霊やないんかーい!しかーし、こ、これは!至近距離で野生のアライグマの顔が撮れる絶好のシャッターチャーンス!にしても、この網戸が邪魔やなあ。もしこれ開けたらどっか行ってまうかな?それとも入ってくるかな?入ってきたら入ってきたですごく厄介やなあ。せやけど、まあそれもおもろてええかな。よし開けてみたれ!」と瞬間的に頭の中でこれだけのことを思考しながらスマホに手を伸ばし、網戸を開けようとしたとたんに、ラスカル君はシマシマの尻尾を振り振り屋根を伝ってゆっくりとどこかへ去っていきました。「やっぱり、入ったらアカンのか~。ケチやなあ。」と未練タラタラなご様子で。(^^)
 こらこら、もうちょっと待ったらんかい!今、開けたろとしたのにホンマに残念なヤツやで。


 そういえば、何年か前にも同じ窓の外にハクビシンのつがいがいて、どうにかして部屋の中へ入ろうとして、屋根の上をうろついていたことがありました。その前にはカラスがやってきて、しきりに部屋の中の様子をうかがってましたっけ。
 ヤツらにとって私の部屋はそんなに魅力的なのか?もしそうなら一体何が魅力的なんだろ?たしか遠藤周作先生は狐狸庵だったよな。ハクビシンとカラスとアライグマだったら一体ここは何庵だろ?あ、確かセロ弾きのゴーシュんとこへもいろんな動物が来てたよな。などとつまらぬことを考えていたら、やっと眠くなってきたのでベッドに入って寝ましたとさ。www


 というわけで、今回の記事に感動のご対面ショットはありません。
 久々に撮ったびわ湖の落日写真で勘弁してくだせー。m(_ _)m

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