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秋ジャガの植え付け準備 休眠期間の話

 台風の進路を気にしながら、秋ジャガを植える準備にかかっています。

 さて、春と秋の二度ジャガイモを作っておられる方は御存知の通り、世の中には春ジャガ向きと秋ジャガ向きの2種類の種イモが存在します。これは主に休眠期間の長さによって種類分けがなされているのですね。

こちらは6月29日に起こしたデジマ君。まだお休み中ですので、もうしばらく起きませんね。^^;

 ジャガイモは収穫されるとすぐに休眠期間に入ります。その期間の長さは、例えば男爵では90日、メークインは60日程度と種類によってまちまちでして、その間ジャガイモは眠っていて芽が出ることはありません。

私が調べた主な品種の休眠期間の長さ。様々な条件によって休眠期間の長さは変わります。
ジャガイモ博物館のHPにはこのような一覧表が示してありました。

 秋ジャガの作付けで春ジャガで収穫したジャガイモを種イモとして植えたいとします。でも、春ジャガの収穫から秋ジャガ植え付けまでのスパンはかなり短いので、秋ジャガ用の種イモはできるだけ休眠期間が短くなくてはなりません。休眠期間の長い種類を植えると、発芽が遅れて寒い冬になってしまいますもんね。

 実は九州で作出された品種は休眠期間が短いものが多いので、どちらかといえば秋ジャガ向き。一方、北海道で作出されたジャガイモは休眠期間が長い品種が多い傾向にありますので、どちらかといえば春ジャガ向きなんですよね。(^^)
 ですから、現在秋ジャガの種イモとしてホムセンや園芸店に並んでいるデジマ、ニシユタカ、さんじゅう丸などはどれも九州で作出された品種で比較的休眠期間が短いものばかりです。
 また、インカのひとみやインカのめざめは休眠期間が約30日と極めて短いですから更に秋ジャガ向きと言えそうです。でも、一株あたりの収量はそう多くありませんから、そこはよく考えてお好みでということになります。

 ところで、先日芽出しにかかった種イモはどうなったのでしょうか?

涼しい日陰において、ビニールを被せて管理すること13日目。デジマの芽が顔を出していました。

 あれ?これって出芽?発芽?いつも両方の言葉を使うけど、どう違うんだろ?と思って調べてみましたら、「萌芽(ほうが)」なんていう言葉までありました。^^;

・出芽…地面に幼芽あるいは本葉が出てきた状態のこと。
・発芽…種子から幼根が出た状態。
(本来は発根と表現すべきかも?)
・萌芽…球根やイモ類などの新芽が生長を始めること。

 ということは、ジャガイモの芽出しと言っている作業は、正しくは萌芽させることなんですね。(^^)



蛇足
 ジャガイモの保管についてコメントが有りましたので補足しておきます。

 スーパーなどで買ったジャガイモを皆さんはどのように保管しておられるでしょうか?常温保存?それとも、冷蔵庫の野菜室?
 芽が出る(萌芽)までの休眠期間は種類によってまちまちで、収穫されてからどのくらい時間がたっているかによるということは本記事で書いたとおりですが、それを少しでも遅らせるにはどうすればいいのでしょうか?

 ジャガイモの産地にある巨大ジャガイモ保管施設では、室温2℃、湿度90~95%で保管して萌芽を遅らせておられます。この条件がジャガイモの長期保管には最も適しているそうです。
 ジャガイモは低温であると呼吸回数が減って活動が減速します。で、15℃を超えると活発に動き出すようです。ということは冷蔵庫保管がいいのでしょうか?
 でも、ジャガイモは冷蔵庫に入れると低温障害を起こして黒くなったり、しわしわになったりしますもんね。これは温度と湿度がうまく保てていない証拠です。つまり、保管施設のような状態を家庭の冷蔵庫で作り出すのはかなり難しいということです。
 私は基本的に室温保存ですが、冷蔵庫に入れるときは紙袋に入れてできるだけ乾燥を防ぎます。それでもそんなに長くは保存できていません。w

 というわけで、ジャガイモは買ったらさっさと食べるが吉ということなんですね。(^^)


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