後ハピのお話 #1
とにかく1話目を始める前はすごい大きな紙を用意して、時系列順の年表を作ったり海外ドラマの捜査官のように人物相関図を壁に貼りその間を赤い糸と画鋲で繋いでみようとしていました。
あれ、やってみたくないですか?
私はすごいやってみたかったんですが準備してみたら殺人事件とかじゃないので特に謎なことも無くあんな相関図を作る必要ありませんでした。
そもそも自分の作ったキャラの相関図だから頭に入ってるし。
…あれって視聴者にこうなってるよ、こいつらこういう関係性だよ!って確認してもらうためのシーンなんだなと遅まきながら気がついたのですが画鋲を買ったところでやめました。
年表は実際に壁に貼ったんですが紙が大きすぎたのか重さですぐ落ちるので剥がしてどっかにしまってしまいました。捨てちゃったかもしれません。
「後ハッピーマニア」1巻掲載 ハッピー・マニア おさらい より
そんな間抜けなことやっとらんでキャラクターについても改めてしっかり設定し直そうということで、重田さんが結婚の後どういった人生を歩んでいたのか家族は本当にオーストラリアに移住したのか、などのサイドストーリーも、貴子とかすみれとかのライバルキャラのその後、とかも実際に作ったりしてました。
ここら辺は普通にノート作ってちゃんと書いていたんですが、一回も読み返していないのが自分でもどうかしていると思います。
そして肝心のメインストーリーですが当初の計画ではちゃんと高橋が詩織との愛を静かにじっくり育むところからのスタート。
そして重田さんは全く気がつかないでいたんだけど、ある日ふとしたことがきっかけでバレてしまいそこから夫婦の在り方について考えるのだが・・・
というような展開になる予定だったのです。
めっちゃ王道で誰もが読みやすくてレビューなどで叩かれたりしないようなやつをね。まあ、浮気とか不倫がテーマな時点で苦手な方がいらっしゃるのでそれは無理なんですが、物語としてはきちんとしたやつをちゃんとやろうとしていたんですよ。
しかし!
描き始めてみたらやっぱりというか全くプロット通りに進まない女重田。
マジで計画が丸潰れです。
「後ハッピーマニア」1巻 Act.1より
思えばハッピー・マニアの時も自分で描いていながら「は?」「なんじゃそら!!」という展開が多くて困っていました。
原稿渡すと読み終わった担当さんも呆然として「ええ??この後どうなるんですか??」って叫びながら帰っていくのでした。
私もさっぱりわからないので毎回答えようもありません。
次の締め切りが来るまで何も考えておらずプロットも何もなくぶっつけで描いていたので「後ハッピーマニア」はもうそんな事はしない。
そんな半分トランス状態の自動書記みたいなことをしない。
描いたことすら覚えてないようなことはもうしない。
ストーリーが破綻してるしキャラもメチャクチャだしふざけんな作者と、読者の方に思わせるようなことはもうしない。
という気持ちが強くあったんですよね。
だから「鼻下長紳士回顧録」が終わってからほぼ一年も休んで最終話までのプロットをやってから連載を始めようと決めていたのです。
でも結果は最初にお話しした通り。
全体通したプロットなんてなんの役にも立ちゃしない。
重田さんが思い通りに動いてくれるわけもなく。
この先もいったいどうなるのかわからないまま船は進む。。
そんな冒険王の私にどうか励ましのお便りを。
・・・
「後ハピのお話 #2」は下記からどうぞ!(スタッフ)
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