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【BitSummit Drift】アナログゲームとmake.ctrl.Japanブースが激アツ!!「BitSummit Drift」の極私的面白ブースの紹介

2024年7月19日から21日にかけて京都市勧業館(みやこめっせ)で行われた「BitSummit Drift」に行ってきました。

BitSummitは以前から国内最大級のインディゲームイベントでしたが、今年は会場をフルに使用した2フロアでの開催となり、実質2倍の規模となりました。その分、来場者も増えていますし、出展されるタイトルもかなりの数です。

メインとなる3階では任天堂やソニー、CyGames、集英社といった国内有名企業のブースもあれば、皆大好きDevolver Digitalや「Buckshot Roulette」のスマッシュヒットも記憶に新しいCritical Reflexといったエッジの利いたタイトルを擁する海外パブリッシャーのブースもあってインディゲームを知りたいならここに来ればOK!と断言できるほどの見本市状態でした。

SWERY×SUDA51による注目作「ホテル・バルセロナ」もプレイアブル出展

もう一つの会場フロアとなる2階ですが、こちらは学生作品やアナログゲーム、特殊コントローラー展示会である「make.ctrl.Japan」のブースやストリーマーによるイベントブース、物販ブースが中心となります。メディア的には大型タイトルが集中する3階が注目されると思いますし、実際のところ2階はサブ会場という趣で人入りもやや少ない印象でしたが、個人的には今回のBitSummitで一番面白かったのが2階です。


まずは買い物

例年、BitSummitでは「NO MORE HEROES」や「シルバー事件」の須田剛一氏が代表を務めるグラスホッパー・マニファクチュアが物販での出展をしているのですが、イベント限定のTシャツ販売やグッズの先行販売を行うことも多いため、ファンは見逃せません。

今年は「Shadows of the DAMNED」のリマスター版の発売も控えてることもあって、主人公ガルシアの顔がデッカくプリントされたTシャツが本イベント限定で発売されました。しかも、一定の金額以上の購入者先着10名には海外イベント向けに制作したグッズも配られるというではありませんか!当然、開幕即物販ブースに向かって購入でございます。

一発ネタに終わらない!「ゲーム」している変なコントローラーたち

make.ctrl.Japanは以前書いた記事でも話題にしていますが、今年のBitSummitでは会場が広くなった分、広く空間が使える余裕のあるブースとなっていました。正直に言ってしまうと一発ネタや技術デモに近い作品も多く存在する特殊コントローラーのゲームですが、今回触れた作品はどれも遊びの完成度が高く、やりこみができるだけの奥深さを備えた作品が多く見られた印象があります。それだけ開発者の層が厚くなっているということだと思いますが、面白いコントローラーのアイディアにプラスアルファの遊びのアイディアが加われば、既存のゲームでは得られない新しい体験ができるだけに今後の進化にも期待したくなります。

回して振って転がして、フラフープでピザを作るゲーム「HoooPizza」


フラフープを動かしながらピザを作る体感型のゲームです。生地伸ばしをフラフープの回す運動で表現し、振ってトッピングの素材を落として、転がして生地をカットする一連のピザ作りの流れを全てフラフープをつかって実現しています。

フラフープに取り付けたセンサーで動きを検知して、基板上のマイクロコンピュータで動きのパターンを識別、その動きをパソコンに送って処理する、といった仕組みのようですが、転がしや回転をかなりの精度で検知できていて驚きました。動きの検知に関しては機械学習も活用して精度を向上させていたそうです。詳しくは開発者の方が書かれた記事を御覧ください。

生地のサイズやトッピングの内容、カットの精度で得点が変動する点がやりこみ要素となっており、出来上がるピザも異なったものとなる点も楽しい作品でした。私が遊んでいる様子の動画を撮っていたので、こちらをご覧いただくと本作の楽しさが伝わると思います。

鍵穴回して線路を繋げ!「カギカギパニック!」

時間内にゴールまでの道筋を組み立てていく、所謂「水道管ゲーム」の水道管を鉄道の線路に見立てたゲームです。パネルの方向転換を鍵穴を回すことで実現している点が特徴となります。

鍵穴を回す作業は日々の生活で行っていますが、これをゲームでやると楽しくなってくるから不思議なものです。鉄道の線路に見立てているために、なんとなくプラレールの線路を繋いでいるような気分になるおもちゃ感覚も楽しい。日常の動作とフィジカルのおもちゃの感覚を呼び覚ますデジタルゲーム、というのもまた特殊コントローラーならではの表現です。

裕次郎気分で格ゲー「ボス,ブラインド,ブランデー」

ブランデーの入ったグラスを片手にブラインドの隙間から夕日が落ちる様を見たい。何だったら、ブラインドの向こう側のやつを睨みつけてやりたい!というのは多くの人が考えることだと思いますが、「ボス,ブラインド,ブランデー」はそんな誰もが妄想する瞬間をゲーム化した作品です。

ルールは完全に格ゲー。グラス型コントローラーを振ってチャージ、ブラインドを下げると視線ビームが発射可能で、ビームによって相手の体力を0にすれば勝利となります。

面白いのは相手の攻撃に対するカウンター、いわゆる「差し返し」の概念とブラインドを下げたガード状態でも完全無敵ではなく、微ダメージを受け続ける「削り」の概念があること。これらの要素が格闘ゲームらしさを高めていて、白熱した試合になります。こちらも動画があるので参考に御覧ください。

レジ打ちをゲーム化する斬新な体験、これぞバーコードバトラー!「BARC」

「Interactive Materials Lab」が開発したバーコードリーダーを活用したゲームで、個人的に今回のBitSummitで一番面白かった作品です。思わずこの手があったか!と思ってしまう斬新さがありましたね。

バーコードリーダーのイメージ通り、レジの読み取り作業をそのままゲーム化したような内容です。2人協力プレイで遊ぶのですが、最初に印字される注文書(レシート印字するアレで出てきます)を読み取って流れてくる食材を読み取ると、注文書に対応した敵キャラクターのガードが解除されます。ガードが解除されたら次は敵の部位の色に応じたバーコードを読み取って、攻撃モードに切り替えて敵の体を読み取っていくと撃破できるという流れ。

バーコードの読み取りを紙に印字されるアナログのものと、モニターに表示されるデジタルのものを交互に読み取って行く作業に新しい感覚がありました。モニター上の表示であっても、バーコードリーダーは関係なく読み取ってくれるので、仕組みはシンプルなのですが、ゲーム体験に落とし込むレベルが非常に高い。お土産のスコア表もレシートとしてもらえる気が利いた感じも素晴らしいです。

アナログゲームの試遊もできました

今年のBitSummitではアナログゲームの出展、販売も行われていました。基本的にはデジタルゲームのイベントではありますが、カードゲームやボードゲームもまたゲームです。個人規模での制作が行われているものも多く、東京ビッグサイトで行われる「ゲームマーケット」はアナログゲームのイベントとして非常に有名ですね。最近はボードゲームを遊べるカフェも増えてきて、かなりポピュラーな存在ですが、体験・購入できるイベントはそれほど多くはなく、関東圏以外だと殆どないだけに貴重な機会だと思います。

試遊ができるということだったので、遊ばせてもらったのがデジタルゲームの開発も手掛ける株式会社グランディングによるカードゲーム「妖怪バカスカ」です。

妖怪のカードを繋げて百鬼夜行を作り、一番長い百鬼夜行を作ることができたプレイヤーが勝利となります。場に出した際に発動するスキルを持った妖怪カードが4色のカードに振り分けられており、4色揃えると手に入る大将カードは強力なスキルを持っています。スキルの中には手札を公開させたり、捨札から拾えたりとトリッキーなものもあるため、カードを場に出していくシンプルなルールでも戦略性が高くなっていて面白い!カードの見た目も良かったので、購入して帰りました。

企業のブースがかなり目立つようになって、規模も来場者の層もスケールアップしているBitSummitですが、紹介したようなブースの存在がインディイベントの面白さを象徴していると感じます。個人的には誰もが遊ぶ有名タイトルよりもオフラインイベントならではのその場限りの楽しさを味わいたいので、この感じは失わないでほしいですね。


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