上海＆倫敦歌劇団の参加でさらに幅広く、華やかに！『新サクラ大戦 the Stage ～桜歌之宴＜二幕＞～』

新サクラ大戦の舞台については初演の時にも記事にしておりますが、その後の公演にも必ず観に行っています。ゲームでの展開が絶望的な現状では、サクラ大戦のコンテンツとして唯一存続している舞台を応援するのはファンにとっては必然。とはいえ、毎公演観に行っているのはサクラ大戦のファンであるという前提以上に、舞台版の完成度の高さに魅力を感じているからです。今回の「桜歌之宴＜二幕＞」は歌中心のライブコンサートですが、前回からの着実なレベルアップが感じられて素晴らしいものでした。

以前のライブコンサートの映像。この時より確実にレベルアップしています

宴初参加の上海・倫敦のパフォーマンスが良い！

前回の公演「二つの焔」から上海と倫敦歌劇団のメンバーが参加しており、途中参加とは思えないぐらい馴染んだ演技に驚かされたものですが、あまり歌う曲数は多くなく、実力が発揮しきれていなかったと感じたのは私だけではなかったはず。今回の「宴」では冒頭の「檄！帝国華撃団 新章」からフルメンバーでの登場をしており、続く楽曲でも上海・倫敦それぞれのテーマ曲や過去の楽曲からの選曲でのパフォーマンスもあるなど、たっぷりと歌声が聴けました。「二つの焔」の時点で歌唱力の高さは分かっていたものの、『サクラ大戦 スーパー歌謡ショウ 新西遊記』の中華なメロディが印象的な「ユンホォア ～レビュウ桜花乱舞～」や奏組の「完璧なロンド」といった難易度の高い楽曲を歌いこなすのは凄いことです。個人的にホアン・ユイ役の西田ひらりさんの歌の表現力や、片足立ちのポーズでもブレない体幹の強さが印象的でしたし、ランスロット役の小松穂葉さんの音ヌケ抜群の歌声も忘れられません。

全然アリ！な持ち歌交換コーナー

上海・倫敦のパフォーマンスの素晴らしさはもちろんですが、新花組ももちろん良いです。今回のライブコンサートでは過去のサクラ舞台でも行われていた持ち歌交換コーナーが実現しています。それぞれのキャラソンを交換して歌うものですが、歌い手が変わっても違和感なく成立しているのがお見事。これまで4回の舞台を積み重ねてきた新花組だからこそできることだとも思いました。

サクラの楽曲世界の広さに驚く

今回の公演では新サクラ、OVA、歌謡ショー、奏組と様々な作品の楽曲から選曲されていますが、それなりに聞いているつもりだった自分でもこんな曲あったっけ？となってしまう瞬間があるほどにサクラ大戦関連楽曲の数はとにかく多いです。楽曲ジャンルの幅広さも特筆すべき点で、和太鼓の響くお祭りソング、歌謡曲的なものやハードロック、フルオーケストラが似合う壮大な曲、ドラマ性の高いミュージカル曲、カリプソなど何でもありな楽曲の数々を全て同じ作曲家が作っていることに「職業作曲家」としての田中公平さんの凄みを感じます。

これからのライブ様式に合った応援グッズ

色が切り替えられるタイプのペンライトはアニメ系のライブグッズでは定番のものになっていますが、今回の公演で登場したマラカスライトは面白いアイディアだと思いました。ライトの先の部分にビーズのようなものが入っていて、ストッパーを外すとシャカシャカ鳴るようになる、というシンプルなものです。ペンライトなどを持っていると拍手ができないという課題が以前からありましたが、近年の感染症対策もあってライブ中は声が出せないからペンライトを持っている人が多いほどに静かなライブになってしまう！これを解消するのがマラカスのシャカシャカ音というナイスなアイディア商品です。意外とうるさくなくて、新しいライブ様式には合っているグッズだと思いましたね。

今後の展開は！？

大いに楽しめた今回の公演ですが、気になる次回公演についてはアナウンスされておらず。。。もしかすると、今回の公演が最後になってしまうかもしれません。ゲームの新展開が見込めない以上、舞台公演が一度途切れると復活することは困難だと思います。ファンとしてできることは、この記事のような発信をすることで少しでも話題作りに貢献することと、単純な金銭的な貢献です。最終日は配信もされており、アーカイブス視聴が4月24日（昼夜通し券を購入すると5月1日）まで可能なので、現地で見た人も行けなかった人ももう一度見るべし！

「新サクラ大戦 the Stage ～二つの焔～」公式サイト

もはやゲームの新サクラよりも露出の期間が長くなっている気がする舞台版キャストですが、架空のキャラの実写化を越えて役と本人が一体となっている感覚があります。実際、ゲームのキャストのイメージを更新してしまうだけの力が彼女たちにはあると思います。だから、伯林歌劇団が参加したフルメンバーになるまでは何としても続けてほしいと願っています。