はずれくじを引く程度の能力

アルバイトを辞めたい

 僕は飲食店…もとい居酒屋で去年の春からアルバイトをしているのだが、辞めたい。どうして辞めたいのかのかというと、まずキツい。飲食店でのアルバイトは、ネットで調べても大変なアルバイトの代表例として挙げられるほどキツい。しかも、アルバイトを始めた当初はまだコロナ禍が収束していなかったのでそこまでお客様が来店せず、「まあこんなもんか」と思っていたのだが、去年の秋頃から明らかにお客様の数が増えた。これはしんどい。しんどいから比較的来客が少ない平日にしかシフトを入れないようにした。

 ここまで読んだ方は、「キツいことなんて最初からわかってたでしょ」と思うかもしれない。事実それは承知の上だったし、そもそも僕はネットで結構ちゃんとリサーチをしていたと思う。ならどうして居酒屋のアルバイトに応募したのかというと、端的に言えば彼女が欲しかったからだ。飲食店のアルバイトは、キツくもあるが従業員同士の会話も多く仲を深めやすいと言われている。一人暮らしを始めたことを切欠に、遅咲きの陽キャデビューを果たしたいという僕のささやかな欲望は、決して間違っていなかったと信じたい。しかし、現実はそう甘く無かった。

理想と現実

 結論から言うと、僕は陽キャになることも、彼女を作ることも出来なかった。その理由には、勿論僕の力不足もあった。しかし本当に僕が絶望したのは、日本語が全然通じなかったことである。これは比喩表現とかではなく本当にそうで、要するに従業員のほとんどが日本人ではなかったのである。日本語でないことだけは分かる何らかの言語で会話が為されているので、僕には付け入る隙がない。しかも、僅かな日本人のバイトはシフト組みで分散されるため、なかなか一緒に入ることが出来ない。一応社員達は日本人で、(当たり前だが)大体居るので、暇な時は社員と話しているのだが、おっさん達との会話で青春を感じられる瞬間は皆無である。これが僕が今のアルバイトを辞めたいもう一つの、いや真の理由である。友達の一人や二人でも出来ればまだモチベーションが上がるのだろうが、挨拶が精一杯なのが現実だった。

 さらに困ったことに、キッチンだけでなくホールにも決して日本語が流暢とは言えない外国人が入っているので、我々日本人はそのフォローをしなければならない。居酒屋で働く以上、マニュアルに書いていないような酔っ払い共の要求に応えるのも従業員の仕事であり、テンプレート化された数種類の日本語でホールスタッフをこなす外国人スタッフがこれを全うすることは不可能である。そんな彼ら彼女らのフォローをし、ヘトヘトになっている僕の顔を見て「アナタ、笑顔少ナイデス。毎日笑顔ノ練習シテ下サイ」と言い放ったあの外国人スタッフを僕は許さないし、外国人のお客様の英語でのオーダーを必死に聞き取り、それをホールスタッフよりもっと日本語が不自由なキッチンの外国人スタッフに苦労して伝えている時は、自分が何の仕事をしているのか分からなくなった。社員に文句を言ったりもしたが、人手不足の影響で外国人を採らざるを得ないらしい。とはいえ、コミュニケーションの齟齬によって起こるミスに関して注意されるのは大体我々日本人なので、なんだかやり切れない気持ちになる。

終わりに

 現状こんな感じなので、バイト先で出会いを求めるのは辞めた方がいいと思っている。今アルバイトを考えている人には、とにかく楽で時給が高いバイトを探すことをオススメする。もし本当に出会いが欲しいなら、稼いだ金でtinderでもやればいいと思う、知らんけど。

p.s. 今在宅でできるバイトを探してます。



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