わたしのふるさとシリーズ 1
私は奮起した。
必ずや、邪智暴虐の我が怠惰を除かなければならぬと決意した。私は、"タマゴ1パック200円"が高いのかわからぬ。"洗濯機の使い方"もわからぬ。私は、一人っ子である。ポケモンを全クリし、夏祭りのカブトムシを育ては死なせてきた。けれども私の自意識は、社会の目に人一倍敏感であった。
この春めでたく社会人の仲間入りを果たした私は、研修を終え配属先の部署への本勤務に入った。そこは缶詰を売るいたって普通の営業部であったが、なぜが3年連続で新入社員が辞めているという"いわく