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7月19日 知育菓子の日

    小学生の頃に描いていたことが一つある。

 特大のねるねるねるねを食べたい!

 『ねるねるねるね』は知っている人も多いだろうが、お菓子である。今30歳後半にさしかかっている私の小さな頃からそれはあり、近頃また流行っているお菓子。自分で説明書にそってお菓子を作っていくというものである。粉と水を混ぜ、練っていくと色が変わってふわふわとろとろになるものだ。『知育菓子』と呼ばれるらしく、ある種の実験のように子供に様々な体験をさせることが出来るという優れもの。

 まもなく4歳になる私の娘だが、彼女も好きでときどきおやつに買うこともある。

 

 それなのに、今日の今日まで気づかなかったことに愕然としている。

「めっちゃ大きいやん」

 と、普段は出ないイントネーションを口にしてそれを手に取った。

『DXねるねるねるね』

 裏のパッケージを見ると、4ー5人で楽しめる大容量、4つのトッピングとある。なんと!これ一つでねるねるパーティが出来るではないか。

 こんな夢のようなもの、私は知らなかった。

 私の記憶では、子供の頃にはDXなんてない。どうしても気になり、スマホで検索してみると、どうやら半年ちょっと前に新発売されているようである。

 知らなかったことに少しショックを受けていたりする。

「ママ、ねるねる2つ買っていい?」

「・・・・・・お菓子は1つよ」

 はーい、と言って不満そうな顔をしながら、すでに2つ手に持っていたねるねるねるねをどちらの味にするか悩み始めた。

 私はと言うと、発売していたことを知らなかったショックを感じつつも買うかどうかと一瞬悩み、即座にかごに入れた。ちょっと予算オーバーだけど、これもまた大人の強みである。

「菜子ちゃん、これ、一緒に作ろうか。だから菜子ちゃんは別の欲しいおやつ買っても良いよ」

 私がそう言ってDXのパッケージを見せると、娘はパァっと明るくなった。

「なにそれー!すごいすごい!菜子もやりたい!」

「ね、一緒にやろう!ママも楽しみなんだ♪」

 私がそう言うと、彼女は違うおやつを探すと言って再び商品棚を眺める。

 ああ、今日のおやつが楽しみで仕方がない。久々に私もねるねを食べるが(いつも菜子が買った分はもののきれいに彼女一人で食べてしまうのだ)、それがまさか夢に描いたビッグサイズねるねとは。

「ママ!これでいい?」

 改めて娘がおやつを持ってきた。

『たのしいおまつりやさん』と『ホイップケーキやさん』

 大きめの箱を二つ持ち、満面の笑みである。

 この二つも同じ会社の知育菓子。ねるねるねるねよりも難易度はやや高く、けれどそれによって完成するのは形あるものだったりする。おまつりやさんだったらりんごあめやチョコバナナ、ケーキやさんだったらケーキ。

 うまくやれば完成度は高いが、それにはつまり親が手伝うところも多いわけで。

 などと考えながらも、頭の中はすでに決まっていた。

「よし!今日は全部買って、知育菓子パーティーだ!!」

「わーい!!」

 おやつが子供のものだなんて誰も決めていないはず。

 大人も子供になれるのだ。

    商品棚を見ればまだまだ種類は多そうである。

 さて、今年の夏は忙しくなりそうだ。

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【今日の記念日】

7月19日 知育菓子の日

さまざまな知育菓子を製造・販売するクラシエフーズ株式会社が制定。知育菓子は「個性を伸ばす」「失敗を楽しむ」「違いを尊重する」の3つの価値を提供して子どもたちの自信を育む。知育菓子を通して子どもたちの生きる力の育成に貢献し、その楽しさと美味しさを多くの人に知ってもらうのが目的。日付は夏休みに子どもたちがさまさまな経験をして成長してもらいたいとの思いからその直前としたのと、7(しち)と19で「ち(7)いく(19)」と読む語呂合わせから。

記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。

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