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0827_走る

【140字小説】
気づけばいつも走っているのだった。「早く早く」声をかけられては慌てて遠く前を向き、足を速めた。前を向くだけで、行く先を望んではいないの。どこかの何かに急き立てられて、私は生きている。「もっともっと」やがて背中を押され、私はつんのめって転ぶ。座り込み、後ろを向けば真っ白で何もない。

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