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梅雨と夏のはざま

朝目を覚ますと、外から雨の降る音が聞こえた。

あー、今日も雨か
なんて思ってしばらくベッドの上でぼーっとしていた。

そしてふと、「あれ、これ雨の音じゃないぞ」と気づく。
部屋にある冷蔵庫のヴィーンっていう音や、外から聞こえる車の走る音とか、そういう四方八方からやってくる環境音たちを耳の中でかき分けながら、じーっと聞いていると、次第に、

ミーンミンミン ミーン…

あ、これセミの鳴き声だ、と気づいた。

しばらく雨の音を聴きすぎていたからなのか、久しぶりに聞くセミたちの合唱だと分かるのに少々時間がかかってしまった。

雨が屋根や地面を叩くタタタタッという音と
セミのミンミンミンーという音。

全然違う音だけれど、聴き間違えに気づいたその瞬間は、
まるで梅雨と夏の狭間にいたような感覚になった。



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