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フランス、古城のめぐりかた
今回、ホストマザーと
1泊しつつ
シャンボール城と
シュノンソー城へ訪れた。
1日に2つくらいは、
周れると思うのだけれど、
少しのディテールも
見逃したくなくて、
隅々まで
歩きまわっていたら
あっという間に
1つのお城で半日以上
経ってしまった。
シャンボール城は
本当に大きくて
見応えたっぷり。
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特に、入口から入ってすぐに
待ち受けている、
2重の大きならせん階段は
本当に不思議!
その階段は、
入口が2つあるのに、
決して交わらない。
真ん中に入って見あげると
塔のようになっていた。
また、シャンボール城は
屋上にも出ることができて
そこからは美しい庭が見渡せる。
季節外れで、
庭には花がすくなかったのが残念だけれど
その広大な敷地と、
屋上から見上げる
塔の建築の美しさよ。
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一方、2日目に訪れた
シュノンソー城で印象的だったのは
その城がもつ、物語だ。
6代にわたり
女性が城主だったこの城は
なんとも優美で、素晴らしい。
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それぞれの特徴を表す
寝室やモチーフは
興味深かった。
特に、ルイーズ・ド・ロレーヌが
夫の死後、
悲嘆に暮れたその部屋は
彼女の悲しみを
そのまま具現化したようで
銀でできた涙や
墓掘り人のシャベルのモチーフを
あしらった壁紙は
類を見ないものだった。
また、シュノンソー城は
それぞれの部屋に美しい花を活けてあり
それがまた、
この城の女性性を強調していた。
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どちらの城も、
これ以上ないくらい素晴らしく、
フランスで今までに見たお城の中でも
やはり、とりわけよかった。
わたしはこの2つの城を
巡りながら
起こったであろう
さまざまなドラマに想いを馳せた。
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私は学生のころから
フランスの文学が好きで、
特に、
昔の貴族の暮らしを描いた
小説を好んで読み
そういった時代の
ドラマや映画も
観ていたので
それらの知識から
想像力を働かせ、
かつてあっただろう生活を
頭の中で描いた。
逢瀬を重ねたであろう
恋人たちや
愛する人の帰りを
今か今かと待つ
女性たち。
ここで
生まれた人、
生涯の幕を閉じた人。
城を愛した人、
どうしても愛せなかった人。
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そう思うと
今までのフランス旅行では
なんとなく
「綺麗だなあ」とか
「豪華だなあ」とか
そんなふうにしか見ていなかった。
知識があるとないのでは、
やはり楽しさが違う。
また、大学でフランス語の論文やら
小説やらを原文で読んでいたおかげで
今までは読めなかった
城内の解説文が
読めるようになっていて、
より、
いろいろなことに
想いを馳せることとなった。
それでも、
こんな豪華なお城が
もし自分のものだったら
どんな気持ちがするのだろうか?
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こればかりは経験したことがないから
わからない。
ドライブ中に、
ホテルとして営業されているお城を
いくつか見かけた。
次にくるときは
お城に泊まってみたいな。
そうすれば、
少しはわかるかもしれないから。
こんな豪華なお城を持つなんて
夢にも見ることはできないが
日本へ帰ったら
自分好みに飾り立てた
素敵なお家に住みたいな、と
思った。
毎回フランスに来ると
帰国してからの家づくりに
わくわくしている。
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