開発現場でのコミュニケーション

37歳で未経験のIT業界に転職し、開発に携わって4年が経ちました。
IT業界、様々な技術を身に付けることも非常に大事なのですが、
それと同じくらい大事なのがコミュニケーション力だと痛感しています。

コミュニケーションが円滑な開発現場は、「心理的安全性」が高い傾向があります。
そのような環境をつくるために、環境をつくる立場として、
また、個人として心がけると良いことをお話ししたいと思います。

IT業界に蔓延るメンタル不調

いくつかの業界に携わっておりましたので実感もしているのですが、
IT業界(情報通信業)はメンタル不調に陥る人がとても多いです。
(経験上、教育業界もなかなかですが)
厚生労働省の調査結果からも読み取ることができます。

引用:厚生労働省 令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

強いストレスを感じる要因としては、以下のようになっています。

引用:厚生労働省 令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況
  1. 仕事の量

  2. 仕事の質

  3. 仕事の失敗、責任の発生等

  4. 対人関係

上位を占めるのは上記の4つですが、周囲を見ていても納得の結果ですね。
期日が近くて仕事量が急に増えたとき…
自分が嫌な業務、苦手な業務が回ってきたとき…
レビューで指摘を沢山受けてしまったとき…
バグを作り込んでしまって顧客に迷惑をかけてしまったとき…
進捗が良くなくて上長に怒られてしまったとき…
などなど、開発現場にはメンタル不調になる要素は多い気がします。

一見、コミュニケーションに関係があるのは4かなと思うところですが、
1~3もコミュニケーションと密接な関係があります。
仕事の量も、質も、失敗したときの対応も、
コミュニケーション力でコントロールできる可能性があるからです。
色んな開発現場があるので正解はありませんが、大事だと思っている事柄を少し話していきたいと思います。

心理的安全性とは

「心理的安全性」とは、どのような発言をしたとしても、相手から嫌われたり、関係が壊れたりすることのない、
安心して自分の意見や考えを言える状態のことです。

開発現場で、顧客にリリースする製品に、必要なプログラムが入っていなかったという事がありました。
所謂、Git管理しているブランチで、マージ漏れが発生してしまったのです。
この原因を振り返った際に、
「実は気づいていたけど、間違っていたら何か言われるかもしれないから他のメンバーに言えなかった」という話がありました。
この「言えない環境」は、心理的安全性が低いといえます。

心理的安全性が低いときに見られる4つの不安

心理的安全性を提唱したハーバード大学教授・エイミー・エドモンソン氏は、心理的安全性が低い状態で見られる4つの不安を示しています。

  • 無知だと思われる不安

  • 無能だと思われる不安

  • 邪魔をしていると思われる不安

  • ネガティブだと思われる不安

「こんなことも知らないの!?」と言われてしまうのではないか、
「こんなこともできないの!?」と思われてしまうのではないか、
質問したら、「忙しいのに…」って思われてしまうのではないか、
「こんなことで落ち込むの?」と思われてしまうのではないか…
何となく、誰しもがこのような不安を抱く機会はありそうな気がしますね。

この「言えない環境」が、メンタル不調になる原因になったり、
業務上、大問題を引き起こす可能性があります。

心理的安全性を高めるために

チーミングする側ができること

1.どんな立場の人も発言ができるような機会をつくる

2.チーム内、チーム間で協力し合える環境を作る

3.評価の方法を見直す

4.メンバー同士が交流する機会を設ける


個人ができること

1.ポジティブな受け止め方ができるように心がける

2.早めにアラートをあげる

3.苦手なこと、得意なことが何かを把握する

4.余裕があるときだけでもいいので、誰かを助ける

5.成果物は6割程度までに、一度提出して認識合わせする。



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